映画音響について(その2)

映画館によっては[THX]や[DCS][HDCS][THAS]などの設備を導入している映画館があります。これは音響設備にこだわっていますよというしるしです。ただこのしるしがある映画館が必ず音が良いかどうかというとそうでもないこともあり、何もしるしが無い映画館の方が音が良かったりすることもあります。このしるしに惑わされずに自分の耳にあった映画館を探しましょう。

THX
オフィシャルサイト:http://www.thx.com/
「スター・ウォーズ」シリーズでおなじみのジョージ・ルーカス監督が自分の映画を一般の映画館で観たときに、自分の求める音が再生されていないことに怒ってルーカスフィルムが開発したといわれている規格です。THXでは映画製作者が意図した音響を忠実に映画館で再現することを目的としています。
・映画館の雑音(空調音や反響音)が一定のレベル以下であること
・THXが認定したシステム(スピーカー・アンプなど)を使用すること
・映画館の設計(スクリーンや映写機・座席の配置など)が適切であること
などが定められ、それに合格した映画館がTHXのマークを掲げることが出来ます。
またTHXの査察を定期的に受けることになっています。

(私見)THXの映画館ならどこでも同じ良い音が聞けるかといえばそうではなく、映画館によって違いレベルにばらつきがあります。某THX館では最高の音響だったのに、違うTHXに行ったらいまいちということもよくあります。困ったものですがTHXというのは、ある一定のレベル以上の音響を保証するけど、究極・至高の音響を保証するものではないと思います。

BOSE プレミエ・シアター・
サウンド・システム

Bose Premier Theater Sound
(BPTS)
BOSEが開発した音響システムで、T-JOY系のシネコンに導入されています。
『(前略)今回のシステムはこの「デジタルシネマ」に対応するもので、BOSE社独自の音場予測システム「オーディショナー」で解析され、そのデータをシステム設計に反映させています。設計指針のひとつは、客席内における音の均一さです。従来、客席中央の一席のみで音質と音圧の調整が行われていましたが、今回は場内すべての客席を一様にカバーすることを最低基準としています。
ふたつめは、サラウンドスピーカーです。従来、サラウンドスピーカーは二次的要素として扱われてきたので小型のフルレンジスピーカーが採用されてきました。サラウンドが積極的に利用される昨今では役不足であり、今回はこの点を解消し、より多くの音の再現を可能にしています。』(2001年10月のT・ジョイ新潟万代のチラシより)
オフィシャルサイト:http://www.bose.co.jp/pro/solution/semicustom_1.html
(私見)突出して良い点も悪い点もなく、最近のシネコンの一般的な良い音という感じです。

WMSS
ワーナー・マイカル・サウンド・システム
WARNER MYCAL SOUND SYSTEM
ワーナー・マイカルが独自に開発したシステムでWMC桑名(SC4)・WMC茨木(SC2)に導入されています。
『メインスピーカーに3−WAY方式を採用し、高・中・低音域に分けて出力することで、よりクリアで良質な映画館音響をお届けします。』(ワーナーマイカルの紹介ページより)
(私見)WMC茨木のレポート


HDCS
Herald Dynamic Clear Sound
ヘラルドが開発した音響システムで、シネプレックス系のシネコンの一部スクリーンに導入されています。
【シネプレックス旭川プレスリリースより】
HDCS(ヘラルド・ダイナミック・クリアー・サウンド)は最高級のスピーカーシステムとパワーアンプを組合わせ、さらに映画館では世界初の使用となる、特殊な吸音設備を設置することにより、想像を超えた大迫力の音響と、透き通るような繊細な音響を観客に提供します。
1 .超高性能ステージスピーカーを採用
メインスピーカーシステムは大劇場のみで使用されるElectro-Voice社のVariplex-XLを取り入れ、迫力はもちろんノイズや歪みの少ないサウンドを映画のイメージを損なうことなく、大空間の隅々までお届けします。
2 .サヴウーファーの本数を増やし、また超高出力アンプを映画館としてはじめて採用
これまでサヴウーファースピーカーは大劇場でも最高4 台設置というのが業界の一般的な考え方でした。しかしHDCSでは2種類で計6 台の超低域スピーカーがエキサイティングなシーンをサウンドプロデューサーのイメージ通りに再現してくれます。
この6 台のサヴウーファースピーカーを駆動させるアンプはAmcron社を代表する超高性能K2を3台使用しております。このような大容量のアンプは映画館としてはじめての使用となります。このサヴウーファーの圧倒的な迫力は、耳に聞こえる音響というよりも身体で体感し、床をも揺さぶる音響と言えます。
3 .大口径サラウンドスピーカーを採用
最近のサラウンドチャンネルで低域音成分が多く録音される傾向も考慮し、場内を取り囲む12 本のサラウンドスピーカーにはステージスピーカーにも対応できる38 センチ大口径を持つ大型2 ウェイスピーカー Electro-Voice 社のSX500+を採用しています。
4 .無響室で使用される、楔形の吸音材を映画館として世界初の採用
サウンドの圧倒的なパワーを受け止める吸音設備には、音響実験用の無響室で使用されている楔形のグラスウールを映画館として、はじめて劇場内後方部分に設置し、今までは不可能と言われていた低音域の反響を防ぎ、よりクリアなサウンドを観客に提供します。
(私見)シネプレックス幕張のレポート


THAS
TOHO HIGH-QUALITY AUDITORIUM SERIES
東宝が開発した音響規格でTOHOプレックス系のシネコンの一部スクリーン、TOHOシネマズ橿原に導入されています。
THAS=TOHO HIGH-QUALITY AUDITORIUM SERIES(トウホウ ハイクオリティ オーディトリアム シリーズ)
【ナビオTOHOプレックス プレスリリースより】
☆★☆ 東宝の高品位シアターへの規格対応 ☆★☆
●サウンド
メインスピーカーシステムは迫力はもちろんノイズや歪みの少ないサウンドを、RMD(リングモード・デカップリング)方式でSPL(音圧レベル)を98〜102dBで全ての座席に同じクオリティの音響で提供します。 サブウーファーは23Hz〜100Hzの低域情報を2000Wの能力で出力致します。 音の濁りを防ぐ為に防音ウイングを全面に設定し、残響時間は0.8/s 暗騒音(NCレベル)は25dBの吸音効果を目標としております。
●スクリーン
ホワイトバランスに有効な「ホワイトスクリーン」を採用し、反射ゲインは0.9〜1.0、照度は250LX以上の明るさを設定致します。 また、最後列からの視差を水平角度30度、垂直角度15度以上、また最前列からの視差を水平角度90度、垂直角度45度以内を確保致します。
●客席
長時間の映画鑑賞に対応し人間工学から生まれた、包み込むような前後110cm、左右55cm(プレミアシートは左右60cm)のハイバックシートを採用したしました。また全館に難聴者用アシストフォンをご用意し優しいバリアフリー設計になっております。
以上の最高グレードの映像鑑賞空間を目指して実現でしたシアターシステム、それが TOHO HIGH-QUALITY AUDITORIUM SERIES(トウホウ ハイクオリティ オーディトリアム シリーズ)です。
私達が求める劇場に完成はありません、いつの時代にもお客様に最高(HIGH-QUALITY)の観客席(AUDITORIUM)を提供し続けて(SERIES)ゆきます。
夢と感動のおもてなしを求めて・・・・・・。
(私見)ナビオTOHOプレックスのレポート TOHOシネマズ橿原のレポート

MOVIX
オリジナル劇場規格
松竹系のシネコンMOVIXでは2003年11月22日に開業したMOVIX宇都宮以降建設するシネコンでは、今まで一部の劇場に導入していたTHXに代わり独自の音響システムを導入してゆくようです。
MOVIX宇都宮の紹介ページより】
映画を常に最良の状態で鑑賞していただくために、MOVIXは国内最高級の劇場規格を独自に構築致しました。迫力があり、かつ繊細な音とクリアな映像で臨場感溢れる映画の世界を体感下さい。
●全シアターの床・壁・天井には音響エンジニアリングを使った独自の設計により防振ゴムを最適に配置し、隣接したシアターや外部からの振動・騒音を極力抑えた劇場を建築。
●全シアターにオリジナルバッフルボードを設置し、よりクリアでハイグレードなサウンドを提供。吸音材と反響材を適切に配置し、映画音声再生に最適な残響音レベルを実現。
●全シアターに日本国内初となるマイクロパーフォレーションスクリーンを導入。輝度があがり、映像がよりクリアで鮮明に。
●8番シアターでは、ファミリーピクチャーからハリウッド大作まで、個々の作品の持つクオリ ティを最大限に引き出すため、独自の音響システムにより作品ごとの音響調整を行う。
●9番シアターには日本国内初となるスカイウォーカーサウンド社とパイオニアが共同開発したスピーカー「TAD TSC3215」を設置。
(私見)すみません。聞き比べをしたことがないので分かりません。

KICリアルサウンドシステム
KIC Real Sound
日本でいち早くTHXを導入するなど音響にこだわりのある映画館として有名な立川シネマシティの新館、立川CINEMA TWOに導入されたサウンドシステムです。メイヤーサウンドのスピーカーを使用しています。資料が無いので詳しいことは分かりません。
シネマシティのサイトより
シネマ・ツー館内
CINEMA TWO探検
シネマ・ツー音響プロデュース井手祐昭氏のプロフィール
(私見)立川CINEMA TWOレポート

2003年9月13日作成
2003年11月23日MOVIX規格を追記
2004年12月7日KICリアルサウンドを追記

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