1. プログラム
≪ショータイム≫
煙草屋の娘(デュオ)
〜トークタイム
サン・トワ・マミー(クミコさん)
エンパイア劇場の歌姫(米良さん)
〜トークタイム
ありがとう いのち(クミコさん)
愛しかないとき(クミコさん)
お貞のモリタート(米良さん)
曼珠沙華(米良さん)
〜トークタイム
からたち日記(クミコさん)
悲しい酒(米良さん)
〜トークタイム
もののけ姫(米良さん)
わが麗しき恋物語(クミコさん)
〜トークタイム
船頭小唄〜ホフマンの舟唄(デュオ)
≪アンコール≫
ラストダンスは私としてね(クミコさん)
ユカリ(米良さん)
ねこの二重唱(デュオ)
2. プライベートライブ実況について
本日の会場は、お洒落な街、南青山。
私は仕事場からの都合で、青山一丁目駅で下車、てくてく徒歩12分で到着しました。
坂を下っていって少し入ったところにある、ライブハウス・MANDALA。
本日は会場の都合、ということで、5時半から来場者順に整理券が配布されていました。
私の分は、かよ様がゲットしてくださっていて、会場前で彼女と合流。
整理券配布の受付では、美人マネさんのKさんが、にこやかに案内をしてました。
6時半に開場。整理券順に人数を区切って案内されましたが、なぜかなかなか進まず、入口にたどり着けず。
やっと自分たちの番になり、中に入ったところで、理由が判明。
入り口でドリンク・オーダー(ワンドリンク・フリーでした)を取り、その横で、チケットのもぎとりとプログラム配布もあわせて行ってました。
なるほど、確かにちょっと時間がかかるかも……です。
ドリンクを受け取り、会場内に入ると、身動きの難しいすし詰め状態に目一杯椅子が並べてあります。
ステージぎりぎりまで席が設けられていたのは嬉しいのですが、あっては困るエマジェンシーの時は、外に逃げられない構造でした。
しかも、早く着いた人たちが、後から来るお友達の分の席も占領していたため、整理番号があまり遅い番号でなかったにもかかわらず、空席を探すのに一苦労しました。
それでも何とかピアノ近くの2席をゲット。
クミコさん専用と予想していた(後に、この予想は外れましたが)、スタンドマイクのすぐそばの席でした。
午後7時過ぎにほぼ座席が一杯となったところで、フード・オーダーが入ります。
普段よりも多分、かなり詰め込んだ客席の状態に、ライブハウスのスタッフも、かなり苦労しながら、軽食を運んでいました。
この段階で、入場者の数を数えたら、120名を越していました。
スタッフを入れると会場内には140名くらいはいることになるのでしょうか。
追加のドリンクがほぼ出終わった頃に、開演時刻となります。
(かよ様のオーダーしたサンドイッチはまだ届かなかったのですが)
午後7時半を少し回ったところで、ピアニストの上條さんがまず舞台に現われます。
まだざわついている客席に対し、上條さんは「始めてもいいですか?」と声がけしてから、鍵盤に指を滑らせ始めます。
軽快なメロディに乗って、舞台袖から米良さんとクミコさんが手をつないで登場。
まずは、煙草屋の娘。
前にNHKで放送されたときよりも、息がずっとぴったり合っています。
ちょうど「結婚披露宴によく登場する『二人のなれ初めビデオ』の一幕」的雰囲気、ほのぼのとした笑顔で会場内が包まれます。
さて。本日の米良さんの衣装は、赤を基調とした新作のスーツに、ふわりゆったりとしたシャツ。靴は黒。
対するクミコさんの衣装は、濃いグレーの、ぴったりとしたドレスです。
曲が終わったところで、最初は米良さんがマイクを握ります。
「皆さん、こんばんは。今日は大好きなクミコさんと一緒のステージで、私も遠足の日のように楽しい気分です。本当に、これがコンサートとは思えないほどです。」
「私とクミコさんとは、あだ名で呼び合っています。私は『めらこ』、クミコさんは『くまこ』(会場内、大爆笑)」
「クミコさんとは、NHKでご一緒して以来です。半年ぶりですねー。二人とも『包み隠さず』の……人なので、楽しいひとときをお過ごしいただければと思います。」
そして、次の曲に入ります。
クミコさんはサン・トワ・マミー、米良さんはエンパイア劇場の歌姫です。
ところで、ステージには、向かって右手奥にテーブルと椅子が1つずつ置かれていました(ちょうど、ピアノの反対側の場所)。
本日のステージでは、この2曲のように、短い時間で歌手交代する時は、米良さんかクミコさんがこの椅子に腰掛け、ミネラルウオーターで喉を湿していました。
余談ですが、このテーブルに置かれていたグラス、トール・ゴブレットはクミコさん、ロックグラスは米良さんが使っていました。
曲が終わったところで、米良さんとクミコさんのトークに移ります。(斜め文字はクミコさんがおしゃべりした分です)
「フランスの曲を2曲、お届けしました。――ところでクミコさんが、シャンソン歌手になったのは?」
「あ、私は、もともとシャンソン歌手になりたくてなったというわけじゃないんです。 銀パリのオーディションがあって、それに応募したら受かったので、なんとなく、シャンソン歌手に……。だから、留学したこともないんです。パリとか。」
「え、そうなんだ。ぼくなんか、いつも人間界ともののけ界を行ったり来たりしていますよ。(会場内爆笑) あと、外国住んでいたこともあります。オランダに留学していたときに、『もののけ姫』の話が来たんです(留学中の一時帰国で、たまたま、実家に帰っていたときのことでしょうか)。
その後、バッハを歌いたくて、ドイツに住んでいたこともあります。 ヨーロッパって、ものすごく国同士が近しいんです。陸つながりですから。」
「でもフランスに行ったことなくっても、クミコさんはシャンソン歌手ですし、フランス料理のお店も教えてもらったし――東中野のあそこ、すっごくおいしかった!」
「ところで、クミコさんですが、とても日本語を大切にしている歌手です。」
と、米良さんが紹介したところで、まずはクミコさんから2曲、唄が届けられます。
ありがとういのち、愛しかないときと続きます。
それから舞台は交代して米良さんが2曲。
まずはお貞のモリタート。
噂のお貞のモリタートは、ネットにもかかれていましたが、クルト・ワイルの三文オペラの中の1曲で、テーマは有名な「阿倍貞」です。
唄の中でお貞は情人・吉と最後に体を重ねた後、狂おしい情念の炎のまま、彼の身体の一部を命とともに貰い受けることにします。
男はお貞を愛していたためでしょう、生き別れることを選ぶよりも、愛する女に殺される道を選び、静かに自らの命を捧げます。
お貞は吉を殺した後、いつも自らを熱く満たしながら、なおももっとと焦がれさせる彼のそれを、永遠に自らのものとし続けるため、自らの手で切り取ることにします。
刃物を手にして切り取ったそれは、しかし吉の体から切り離された瞬間に――確かに彼の体の一部であったものだったのですが――、彼ではなくなります。
手にしたものの体温が失われ、情人の体から切り取ったものから血が滴ります。
鈍く光るやいば伝いに流れ、指先から滴り落ちた血は、どろりとにごり乾いて固まっていきます。
やがて自分の愛そのもののシンボルであったそれが、ただの冷たい肉の塊でしかなくなっていったことを知った時、お貞は自分がした行為は決して愛を完結させるためのものではなかったことに気づきます。
精神的な愛、愛する人、肉体的な愛のシンボルであったそれら全て――お貞をいつも満たし続けたもの――を永遠に失ったことに気づいたお貞は、徐々に狂気の世界に飲み込まれていき、曲が終わりました。
実話をもとにしたこのアングラ・オペラ。
事件当時としては、非常に猟奇的殺人と見なされたと思いますが、現在の世の中、仮にもし逆の立場で、女が愛する男に命とそして自分の体の一部として乳房をねだられたときには、いったいどんな風に思うのか、ふと考え込んでしまいました。
そこまでしてでも、自らの全てを捧げるような女性が、今の日本にどれだけいるのだろうか、と。
さて、続いての曲は曼珠沙華。
血まみれになった指を地にこすりつけると、曼珠沙華の赤い花が咲いた、そんなふるい伝説が歌い紡がれます。
女の秘められた罪を、大地が暴き、罪という名の血を流すために曼珠沙華を咲かしているのだと、歌われます。
一人の女の罪ではありながら、それは女という性の中に潜む罪であるように歌われ、心が痛みを知りました。
4曲終わったところで、再びトーク。 今度はやや長めです。
「今日は、ピアニストさんの方が大変ですねー。ほら、普通僕らのステージって、1人でしょ? 一人で背負わなくっていいっていうのはラク。
あんたも私も独身だし――って、クミコさん、恋人いるかもしれないけれど、見たこともないし。 同じ歌手だけど、ステージ、一緒に乗っても、僕とクミコさんはジャンルが違うから、競わなくっていい安心感があるし。」
「めらこは、勝負とかする方なの?」
「あ、僕、こう見えても意外と負けず嫌い。――勝負、しない?」
「私、しない人なの。そういうの、好きじゃなくて。……でも、今のめらこがあるのは、負けず嫌いで頑張るという、ハングリー精神があったからじゃないの? それで、『もののけ御殿』まで建てちゃったし。」
そこでひじでウリウリとつついたクミコさんに対し、米良さんが一言。
「クミコさん、いいけど夫婦漫才やっているんじゃないから、どつくんやないの!」
「でも、縁っていいわよね――私とめらこの場合、約束されてたように思うの。」
「僕とクミコさんの場合、いろんなところでつながりがあるんだ。 松本隆さんでしょ?僕、『水車小屋の娘(松本隆さんが、日本語の歌詞をつけたものを、2年ほど前のフィリアホールで米良さんが歌った)』を歌ったこと。それと、レコード会社さんで、僕たち二人の宣伝をしてくれる女性が同じ人だし。ジブリつながりでもあるし。」
そしてステージで、米良さんとクミコさんはぺたぺたっと手を触り合い。 何となく、仔猫同士がじゃれているような感じです。
「めらこって、肌なめらかよねー。
「あ、僕も、さわるの好き。 ところで、Hから始まる話しない? ほら、体から始まる恋愛ってあるじゃない。僕、それ、すごーく共感できるの。 だからスキンシップが大好きで大事。」
「ん――でも、凹凸の形によるわねぇ――。」
相手を確かめたスキンシップ後は、次の曲へのイントロとしてのトークに入ります。
「私、モノマネって、どうもうまくなくって。『島倉千代子です』――どうかなぁ?」
「あ、僕は得意。――それならば、『美空ひばりです』(すごく似ていました!)」
「ところで、今日の衣装だけれど、実は、私のおニューなのよ。」
「え、そうなの?…じゃあ、くるっと一周くらい回ってお披露目しないと。今日はプライベートライヴだから、私生活の延長上といった雰囲気で。」
くるり、手早くクミコさんが衣装の披露を終えると、さっそく米良さんから突っ込みが。
「何か、味も素っ気もない見せ方じゃないの? ――私の衣装も、そういえば、『おニュー』なのよ。」
米良さんは、ゆっくりと指先をなびかせながら一周して、新作衣装の披露をします。
日本舞踊の踊りのような手の動きに、思わずクミコさんからため息が。
「飾り手、うまいわね〜。」
「名取、だもん。」
「え、ホント?」
「ウ・ソ!」
そして、また、ライブステージへ戻ります。
先ほどの物まねに登場した島倉千代子、美空ひばり両名の歌手の代表曲でもある唄が歌われます。
クミコさんはからたち日記を、米良さんは悲しい酒を歌います。
悲しい酒、本日の舞台は、お洒落な南青山の街。
失恋して、あてどなくさまよい歩いてきた唄の主人公が、ふらりと立ち寄った、少し入り組んだところにあるカフェ・バー。
ちょうど、MANDALAのカウンターに、とまり木を用意したような雰囲気のバーで、一人の女が濃い酒をかなり早いピッチでの飲み干しています。、
唄の一番で登場したのは、フローズン・ダイキリのような、透明な酒を凍らせたような雰囲気のかなり強めのカクテル。
二番ではお代わりとして、緑色のカクテルが登場します。
グラスを重ねるごとに、どんどん酒の味が分からなくなってきている主人公は、それでも酒をやめることができません。
銀色のカクテルがもしもあるならば、それを飲み干して、ドラキュラのように心臓を一狙いして、毒な酒の飲み方も、恋も、あるいは自分の命すらも打ち止めにできるのに。
失恋した直後の女の心のうつろさを描き出して、曲が終わりました。
「ホント、私達にぴったりの曲よねぇー。」
「捨てられた日々を思い出すのね?」
「今は、相手がいないからねぇ……。何となく、体温がほしい、っていうのかなあ?岩でもいいから、すがりつきたいって感じがするんだ。岩を抱いて寝るとか。」
「やだぁ〜〜〜、岩なんて。冷たいじゃない、硬いじゃない。だから、岩だけは。」
「じゃ、床の間とか?」
「何で床の間なの?」
「いや、よく床の間に岩とか、なで肩の石とか置くじゃない。だから、そこで寝ると。」
「うううう。――そういえば、今日、ここに来ている人も、『そういう人(寂しい?独身者たち)』の集まりかも……。(会場内大爆笑。ついでにピアニストの上條さんも、体を折り曲げて大爆笑)」
「ま、ワレワレは、本当にいないんだから。 年取ったら、クミコさんと一緒にお家を建てて、シルバーハウス作って――食事が賄えるような。」
老後のシルバーハウス建築の話でひとしきり盛り上がった後、米良さんは
「クミコさんは、心が大きいから僕みたいな若い男の子にもやさしいし。」
ぺたっとクミコさんにくっつきながらも、ホロリとさせる言葉を。 それに対しては
「複雑な気持ちでうれしいです。」
「スタジオパーク、島倉さんが出たときに彼女が『60台の声を模索しています』って言ってた。 僕も声が出なくなった時期があって、そのときにいろいろな人との出会いがあり、33歳になって、やっと心と声が繋がりました。
20台のころは、若さと怖いもの知らずである意味『無敵』だったし。」
「もののけ姫がヒットしたのって、確か夏だったよね?」
「97年の夏だった。もののけ姫を思い出すと、あの夏の酷暑を思い出す。 ものすごく忙しくて、ほかにもいろいろと――宣伝のために、いろいろなプロモに出た憶えはあるのに、夢の中をさまよっていた、というような感じで、よく憶えていないんです。
あの頃は、『自分像』にズレがあった。『外から見たぼくのこと』と、『自分で考えているぼくのこと』との間に。 それが今は大体一致して、少し自分がラクになりました。 ありのままの自分に会えた、というのでしょうか。」
「ぼくはもののけ姫の前に出したCDを、今はAVEX(レコード会社の1つ)にいる「せんばさん」にレコーディングしてもらったんです。 クミコさんのレコードも出しているプロデューサーの。」
「これからの時代は『人間愛』です。sexも大事、でもそれ以外も大切、という。」
ここで再びお二人から歌が届けられます。
米良さんはもののけ姫、クミコさんはわが麗しき恋物語を。
今日の米良さんのもののけ姫は、人間愛をテーマにし、いろいろな愛の形を織り込んで歌っています。
本当の愛の形を知っているものは、ひょっとして、人間でないものだけかもしれない。
そして、愛を失って盲いてしまった心は、悲しみや怒りに流されそうになる。
しかし、こうした苦しい感情の濁流の中、その奥底に静かに流れているのが、愛ではないか。
多分、そのものの真実を見出しているものが「もののけ」と呼ばれるものであり、僕はそんな存在になりたい。
いよいよコンサートが終盤に近づいたところで、米良さんから最後の曲の紹介があります。
「次の歌を二人で歌って、『一応』今日のコンサートは終了です。『一応』――でも皆さんの拍手が大きければ、またちょっと考えます。」
お二人が歌うのは船頭小唄〜ホフマンの舟唄。
まずは、流麗なピアノのメロディをBGMに『昭和枯れすすき』の歌詞が掛け合い漫才調にトークされます。
次に、ホフマンの舟唄。
今日は日本に遊びに来た外国要人のカップルが、川遊びをしているところが描かれます。
広々とした川で、日本の夏の情緒を楽しんでいる異国の人たちは、目を輝かせながら喜んでいます。
本人たちは、川面のきらきらした光や、対岸のゆるやかな緑色のラインにすっかりご満悦、です。
しかし、岸辺と少し離れたところでボートを出して警護に当たっている周囲のものは、オールをこぐ手を時々休めながら、そっと、しかし深くため息をついています――なんて能天気な、と。
本プログラム曲が全て終了し、米良さんとクミコさんはしっかりと抱擁を交わします。
私生活の延長、というコンセプトのもとに作られた本日のライブ、女性大好き、スキンシップ大好きな米良さんはクミコさんに安心して甘えていました。
そんな様子を見ながらふと思ったのは、米良さんは幼い頃に『抱っこ』をしてもらった経験が少なかったではないか、ということ。
クミコさんは、今の米良さんに『何が必要なのか』をよく解っていて、さりげない形で米良さんを大人の女性としてフォローし、愛し支えているのではないかと思いました。
いったん舞台袖に退いた二人が、再び現われると、どよめきともいえるアンコールの拍手が沸きあがります。
米良さんはマイクを手に、語ります。
「今日は本当にありがとうございます。
僕にとって、今日は勝負の日なんですよ。 最近、テレビに出ていないと『売れていない』と思われるようですが、NHK以外は、質のいい(出演者がどうしても出たくなるようなタイプの)番組が少ないし。
今の時代、突然おかしくなってしまう環境というんでしょうか(長崎女児殺人事件を例に出して)。 どういう風に穏やかに日々を過ごすか、それが大切ですね。」
そして、アンコール曲、クミコさんはラストダンスは私としてね、米良さんはユカリ。
今宵、夢のようなひとときは二度と戻ってこない。
それは、ユカリというあの島に行って戻ってきた人たちのように。
彼らは言う『ああ、楽しいところだった。 もう一度行きたい。』 と。
なのに、二度と行くことのできない場所。
僕の想いは募る。
ユカリ、その名を聞くたびに僕の心は切なくなる。
遠く、夢の彼方に、今もある幻の島、ユートピア。
僕を連れていって、あの夢の国へ。
人々は、僕は夢を見たんだろう、という。
でも、本当にあったことなんだ。
心臓の音が、昏く、強く打つ。
遠ざかっていく誰かの足音が物悲しい。
一人になると、同じことばかり考えている。
旅だつ勇気もないまま、僕は明かりもつけない部屋の中で、ぼんやり夢を見続ける。
閉ざされた部屋の石の壁が冷たい。
あの、夏の強い光が懐かしい。
僕は夢との決別を誓った。
青い海に囲まれた、人々は優しく美しく賢い、あの場所の。
さよなら、ユカリ。
国を捨て、時を捨てても、あの場所へ戻りたい、あの日に――。
アンコール曲の最後は、ネコの二重唱。
ニャ〜オンという鳴き声だけで歌われるこの歌、今日の米良さんは憧れのマドンナに愛を捧げる若いネコになります。
僕が身づくろいで顔をこすっていたら、この街のマドンナが来て一緒に歌を歌ってくれた。
すっかりうれしくなってぼくは、つい彼女に愛のセレナーデを歌いかけた。
でも、彼女は、あっさりぼくをあしらった。
愛しているんです、愛しているんです、
そんな僕の心の叫びは、彼女の耳には届いても、決して心には届かない。
最後に「これで、終わりです」という意味合いの二重唱でキメて、本日のコンサートは無事終了しました。