住宅環境に関するウォッチング

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◆住宅事情◆


(1) 一般事情
 長期滞在者向けに、ビレッジと呼ばれる高級居住区域内の一戸建てや、コンドミニ
アムと呼ばれる高級マンションがある。しかしマニラ首都圏の家賃の上昇は著しく、
とりわけマカティ市内の家賃上昇率は年110〜130%にもなり、住宅探しはやや困難で
ある。
 マカティより車でサウススーパーハイウエイを使って30分ぐらいのアラバンにも、
邦人が数家族住んでいる。
 短期滞在者(数日〜数ヵ月)または単身者向け宿泊施設として、ホテルやアパート
メントホテルがある。
 【一戸建て住宅】
 外国人が居住する一戸建て住宅は、高い塀で囲まれたビレッジとよばれる住宅区域
内にあり、アソシエーション(管理事務所)が管理している。環境は良好であり、子
供のいる家庭および外国人を多数招待する必要のある人に適している。
 マカティ地区内で邦人が多く居住しているビレッジは、San Lorenzo、Bel Air(I, 
IV)、Magallanes、Urdaneta、Das Marinas、For-bes Parkなどである。またメト
ロマニラ(マニラ首都圏)内にはNew Alabang、Wackなどがある。
 一戸あたりの敷地面積はビレッジによって異なるが、およそ500〜2,000平方メー
トルあり、応接間、書斎、ダイニングルーム、台所、2〜4寝室、使用人部屋、ガレー
ジなどが備わっている。また、プール付きの住宅もある。家具付きと家具なしの物件
がある。
 家賃は敷地面積や建物によって異なるが、1ヶ月あたりおよそ8万〜20万ペソであ
る。入居に際し、1〜2年の賃貸契約で家賃1年分と家賃1〜3ヶ月分の預託金を入
れるのが一般的である。
 アソシエーションが組織している武装したガードマンが、24時間ビレッジの人の出
入りをチェックしており、夜間はビレッジ内を巡視している。しかしながら、ビレッ
ジ内での盗難件数は少なくない。このため居住者は独自のガードマンを雇って夜間敷
地内を監視させたり、犬を放し飼いにする、建物周辺を照明するなどの自己防衛をし
ている。
 【コンドミニアム(高級マンション)】
 単身者、または夫婦だけの場合に適している。コンドミニアムは近年建設が進み、
マカティ市、ケソン市、マニラ市内などにみられる。マカティ市にはTuscany 
Apartment、Island Plaza、Cosmopolitan Towerなどがある。ケソン市には
Renaissance Tower、The Alexandraなど。マニラ市内にはLegaspi Towerなどがあ
る。
 コンドミニアムは十数階建てで、ビル管理会社によって運営されている。1フロア
を2〜10世帯で有し、一戸建て住宅の間取りと同様、2〜3寝室を備えている。
 家賃は、家具・食器付き(Full Furnished)、一部家具付き(Semi-Furnished)、
家具なし(Unfurnished)および寝室数で異なるが、7万〜15万ペソ程度で、契約条
件は一戸建て住宅と同様である。
 管理事務所によって入館者がチェックされ、また各戸は鍵ひとつで外部と隔離でき
るため、防犯面では一戸建て住宅より優れている。
 幹線道路に面した部屋は交通騒音、排気ガス臭がひどいため避けたほうがよい。
 【アパートメントホテル】
 単身者向きである。1〜2寝室、応接間に台所および炊事用具、食器(約4人分)、
冷蔵庫、使用人部屋がついたもので、建物の1階にはホテルと同様にフロントがある。
いわば自炊のできるホテルである。
 マニラ市内にはTropicana Apartment Hotelなどがあり、マカティ市にはGilarmi 
Apartment Hotel、Charter House、The Olympiaなどがある。
 施設内容はコンドミニアムより1ランク下がる。家賃は1ヶ月2万8,000ペソ前後で
ある。週単位、または月単位の利用が一般的であるが、契約により長期入居すること
も可能である。
 防犯対策はコンドミニアムのように整ってはいない。人の出入りが多く騒がしい。

◆ホテル事情◆


 メトロマニラ(マニラ首都圏)では、シングル1泊200ドル(税・サービス料別)
前後の高級ホテルから、60ドル前後のリーズナブルなホテルまで多数揃っている。
 高級ホテルには、日本資本が入っているセンチュリーパークホテル(全日空)、ホ
テルインターコンチネンタルなどがある。そのほか、ヒルトンホテル、マニラマンダ
リンホテル、ホテルマニラペニンシュラ、ハイヤットホテル、シャングリラホテルな
ど欧米、香港系資本の入ったホテルがある。これらのホテルは概ね安全・清潔で、レ
ストラン、プールなどの施設も整備されている。
 高級ホテルでは防犯対策として、ホテル入り口にて入館者の荷物チェックを実施し
ている。また、1984年から85年にかけてマニラ市内で続発したホテル火災以後、館
内巡視ガードマンの増員、消火設備強化、避難経路の明確化などを実施しているが、
日本の規準からいえば十分とはいえない。
 ホテル室内での強盗・盗難の被害を時折耳にする。必ずドアチェーンを使用し、見
知らぬ人を入室させないことが肝要である。貴重品は必ずフロントのSafety 
Deposit Boxに預けること。また、夜間の火災に備え、懐中電灯を持参することも勧
める。
 JICA事務所と提携している主なホテルは次のとおりである。料金はシングル一泊
(税・サービス料抜き)の場合であるが、変動があるので利用前に確認すること。
ホテル
所在地
電話
料金
ドゥシット・ホテル・ニッコー MCC, Makati 867-3333 110ドル
ホテル・インターコンチネンタル・マニラ Ayala Ave., Makati 815-9711 108ドル
ホテル・マンダリン・オリエンタルマニラ Makati Ave., Makati 750-8888 80ドル
マニラ・ミッドタウンホテル Adriatico St.
Ermita, Manila
526-7001 95ドル(税・サービス料込)

◆住宅の探し方◆


 住宅を探すには、斡旋業者に依頼する、ビレッジアソシエーションやコンドミニア
ム管理事務所の空き家リストから探す、直接ビレッジ内の借家表示で探す、知人から
紹介してもらうなどの方法がある。最近は斡旋業者に依頼するケースが増えている。
 斡旋業者の一例としては、次のとおりである。
  GENESIS
   電 話:890-3266、896-5257、890-9309
   担当者:Carol
  GLOBEX
   電 話:815-1880、816-2673
   担当者:Linda
  Havenhomes
   電 話:812-3031,813-8581
   担当者:Valcanbia

◆住宅の選定上の留意点

 家族がいる場合は一緒に見て選ぶのがよい。見方が異なり十分にチェックできる。
 バスタブ、使用人用台所、運転手の休憩室の有無、書斎(多目的に利用でき、ある
と便利)の有無を確かめること。
 部屋毎に施錠できるのが望ましい。特にマスタールーム(主寝室)は完全に施錠で
き、さらにドアスコープがついているとよい。また、マスタールームのクローゼット
類にも錠がついていると安心である。
 温水が出るか、また温水器の容量は十分かを確認する。特に階上は水の出が悪いこ
とが多いので、実際にシャワーやトイレの水量などを確認すること。また、断水が多
いので、断水対策(貯水タンク)が施されているか確認する。
 即使用可能な電話の有無を確認すること。今現在電話がついていなければ、家主が
取り付けると約束しても、まず簡単にはつかないものと心得た方がよい。
 高い塀、高い門などは風通しが悪くむし暑い。また、日当たりのよすぎる部屋はク
ーラーが効かない。特に台所が南向き、または西向きの場合は日差しで家事がつらく
なり、食料品の傷みも早い。風通しのよい家を選べば、冷房にかかる電気代が節約で
きる。これらを考慮して間取りを見ること。
 交通量の多い車道に面している住宅は、交通騒音、排気ガス臭があるので避けた方
がよい。また学校の近辺も騒がしく、車が多い。排気ガスで小さい子供は気管支を悪
くすることもある。
 外観からは解りにくいが、白アリ駆除がなされているか確かめること。
 窓枠に鉄格子がついているか確認する。ガラスだけの窓は不用心である。
 近辺に、空き地や工事中の建物(犯罪が起きやすい)などがないか調べるとよい。
昼間だけでなく、早朝や夜にも周辺を調べてみることを勧める。
 空き家の場合はその経緯を調べること。
 家主の人柄・職業などに留意すること。

◆住宅の契約◆


 契約書のサインおよび公証人のサインを得た後、家賃、デポジット(敷金)を支払
うこと。家賃は1年分の前払いが一般的である。
 入居後思わぬ問題点が生じたり、突然の帰国などで契約満了前に家を出る場合があ
る。この場合に備え、契約書にその条件を明示しておくこと。
 デポジットは家賃の1〜3ヶ月分を要求されるが、返還に応じない家主もいるので、
契約終了時に返還することを契約書のなかに明記しておくこと。
 家の修理はどこまで自己負担か、家主負担かを契約書に明記すること。通常、数千
ペソ以下は借り主の負担となる。
 契約書の履行にあたっては、家主と借り主との信頼関係が前提となる。借り主は誠
実に契約を守るとともに、家主との付き合いにも留意すること。家主といつでも接触
できるよう、家主の勤務先、自宅の電話番号、住所をメモしておくこと。
 ビレッジであればアソシエーション、コンドミニアムならばビル管理人に入居の登
録をすること。

◆電気、ガス、水道などの手続きと管理◆

 電気代、電話代、水道代、家具類、各種修理、電気製品などの領収証はすべて保管
しておくこと。
 害虫駆除、プロパンガス、上下水道の修理、カーテンの作製などについては、契約
時に家主から聞くか、在留邦人から聞くとよい。

◆その他

 防犯上の欠陥があれば整備をする必要がある。例えば、エアコンの配管跡は簡単に
ベニヤ板で塞いであることが多い。新しくエアコンを入れるなり、家主の同意を得て
完全に遮へいすること。いずれの修理も家主かアソシエーションに相談した方がよい。
 修理などを業者に頼む場合は、前もって料金の相場を調べておき、不当に高い料金
を請求された時は、値引きしてもらうよう交渉すること。
 国産の電球はすぐ切れるので、各種必要な電球を常備しておくこと。
 植木は庭師に依頼すれば大抵のものは簡単に育つので、わざわざ買う必要はない。
 電圧には110ボルトと220ボルトがあるが、近年建設された住宅は220ボルトのみの
供給であることが多い。両方の電圧が利用可能な家では、コンセントはしばしば並列
に配置されている。よく確かめてから使用すること。コンセントの受け手と差し手に
110ボルトと220ボルトの表示をつけておくとよい。
 家主を食事に招待したり、クリスマスプレゼントをするなどして、日頃から関係を
良好に保つよう留意すること。


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