交通に関するウォッチング


◆交通手段◆


(1) 一般事情
 経済発展に伴い車両台数が増えており、交通渋滞はひどくなる一方である。また、
マニラの公共交通機関は発達しているとは言い難く、所要時間が予測できる公共交通
機関は無いに等しい。特に雨が降るとジープニーやバスの運行台数が減り、庶民の通
勤に影響を及ぼす。したがって、当地の人々は1〜2時間の余裕をみて通勤している。
 邦人が公共の交通機関を利用することはほとんどないが、時間があればフィリピン
人の友人同伴で試してみるとよい。
<国鉄(Philippines National Railway:PNR)>
 マニラから南北に長距離列車およびマニラ周辺で通勤列車(南北2路線のみで1時
間に1本程度)を運行している。車内は清潔とは言い難く、ドアは閉まらず、故障も
多い。車より時間がかかるため邦人はめったに利用しない。
<高架鉄道(Light Rail Transit:LRT)>
 1985年5月に(約15キロメートル)開通した、マニラ交通機関のエースである。
北のモニュメント駅から南のバクララン駅までの18駅を30分で走る。料金は起点・
終点からの1区間が1.5ペソであり、それ以外の区間は全て6ペソである。
 朝夕の通勤時間帯は3分間隔、その他の時間帯は5分間隔で運行しており、1日35
万人を運んでいる。車内は美しく安全であるが、駅周辺にはまだ危険なところもあり、
夜間の利用は避けたほうがよい。
<バス>
 マニラには350社のバス会社がある。なかでもマニラの大幹線エドサ通りでは大部
分でジープニーの乗り入れを禁止していることもあり、数十社のバスが運行している。
ほとんどの会社は日本製中古車を利用している。社内でスリの被害に遭った邦人の例
があるので利用の際は注意すること。
 長距離バスは安価で、ほとんどの都市と結ばれており、便利である。エアコン付き
とエアコンなしの車両があり、予約が必要なこともあるので確認するとよい。車内は
比較的安全で、2〜3時間おきに停車、休憩する。
<ジープニー>
 日本から輸入された中古のエンジンと、手作りのシャーシー、ボディーを組み合わ
せたフィリピン特有のジープタイプの乗り物である。よく整備されていないため公害
の元凶になっているが、庶民の足として愛されている。路線上であれば、タクシーと
同様、手をあげれば乗せてくれ、ストップの合図(天井をたたく。または「パラ」と
言う)をするとどこでも降ろしてくれる。路線数はマニラだけで約750もあり、乗り
慣れないとむずかしい。また運転手は英語を話したがらないので、意思の疎通はむず
かしい。利用する際はフィリピン人の友人に同行してもらうとよい。料金は最初の4
キロメートルが1.50ペソ、以後1キロメートルごとに50センタボが加算される。
<タクシー>
 乗り方は日本と同様で、基本料金は500メートル7.5ペソ、その後300メートル毎に
1ペソ加算される。エアコン車は料金プラス12.5ペソ、チップは料金の10%程度で
ある。外出先から利用する時は、ホテルやデパートなどの玄関でガードマンに呼んで
もらい、チェックペーパーをもらう。
 タクシーを利用する際は、安全のため次のことに留意すること。
 ・ビルやビレッジのガードマンに呼んでもらう。
 ・EMP、Good Man、TAI、HAYATT などの大手タクシー会社を選ぶ。
 ・万一に備え、Plate No.と、助手席にある運転手のID(名前、住所、Tel)を
  メモしておく。
 ・なるべく2人以上の相乗りにする。
 ・深夜に1人で流しのタクシーに乗ってはいけない。
<トライシクル>
 オートバイにサイドカーをつけたもので、決まったエリア内であればタクシーと同
様に乗降できる。ドライバーは地域ごとに登録されており、比較的安全である。
必ず乗車前に行き先を告げ、料金を交渉することが必要である。
<国内航空>
 マニラを中心に主要都市間を運航しており、安心して利用できる。
<船>
 比較的発達しているが、天候の影響を受けやすく事故の可能性も大きい。長距離フ
ェリーを除いて、利用は勧められない。
(2) 自家用車を利用する場合
 右側通行である。交差点の信号には、青信号なら全方向に行けるものと、左折は左
折信号に従うものの二種類がある。後者の場合、青信号でも左折はできないため注意
が必要である。なお、右折は基本的に常時可能である。
(3) レンタカーなどを利用する場合
 レンタカー会社は、Hertz、AVIS、National Renta Carなどの大手から、中小規
模まで数多い。料金は各社異なるが、トヨタのクラウンクラスで1日当たり3,500ペ
ソ程度(運転手付き)である。
(4) 道路地図
 フィリピン全土の道路地図として「Roadmap of the Philippines(100分の1)」、
マニラの地図としては「City Map of Manila(1万2,500分の1)」、「Metro Manila 
Street Directory(1万分の1)」がある。これらはいずれもNational Book Store
にて購入できる。

◆交通事故◆


(1) 対処方法
 邦人が事故に巻き込まれた場合、フィリピン人の任意保険加入率が極めて低いこと
から、邦人に責任がない場合であっても、邦人の任意保険を使って修理しているのが
現状である。
 原則として事故現場はそのままの状態で保存しておく。近くにいる警察官に知らせ
るか、電話で最寄りの警察署に通報し、実況検分をしてもらうことが必要である。
 その後、当該車両の運転手は警察署において事情聴取を約1時間受ける。この際あ
りのままを供述することが好ましい。警察官によって作成された報告書(Police 
Report)は、保険会社に損害補償を請求する際に必要となるので、時間をかけて焦
らずに対応することが得策である。
 軽微な交通事故で相互の車両の損傷が少ない場合は示談も可能である。この場合は
運転手(フィリピン人)同士で話し合ってもらった方がよい。日本人だとわかると当
方に責任がなくても一方的にまくしたてられ、結局泣き寝入りになってしまうことが
多い。特に相手がタクシー、ジープニー、バスの場合は要注意である。
 けが人が出た場合は、まず負傷者を病院に搬送しなければならない。病院に電話で
救急車を依頼するか、タクシーを使うことになる。救急車の呼び出し電話番号はメト
ロマニラ内では166番であるが、到着までに30分、時には1時間以上かかる。したが
って、タクシーまたは最寄りの車で搬送する方が早い。
 ハイウエイおよび主要道路では、ハイウエイパトロール隊が事故処理を行う。対処
の仕方は日本と同じである。
 なおメトロマニラ内の日本の110番にあたる緊急電話は、7575番(警察、首都圏本部)
である。
(2) 救急病院
 マカティにおける救急病院は次のとおりである。
  Makati Medical Center 
   所在地:No.2 Amorosolo Corner de la Rosa St., Makati
   電 話:815-99-11 
(3) 盗難
 駐車時におけるカーステレオ、タイヤ、カバン、貴重品類の盗難が非常に多い。盗
品が所有者に戻ってくる可能性はほとんどない。
 車両の付帯設備であるカーステレオ、タイヤなどが盗まれた場合は、面倒でも最寄
りの警察署に盗難届を出し、捜査官の実況検分を受けておいた方がよい。車両の盗難
保険の補償請求の際、交通事故と同様に必ず捜査報告書(Police Report)が必要と
なるからである。自ら被害状況を写真に撮っておくことも事後処理に有効である。
 防犯対策は次のとおりである。
 ・ドアロックを忘れない。
 ・駐車は、常に運転手から見える位置にするよう指示する。
 ・駐車時は貴重品、カバン類を車内に放置しない。
 ・パスポート、金品などの貴重品は必ず自分で所持し、他人には任せない。
 ・車に警報装置をつけておく。

◆交通違反◆


(1) 交通法規
 上記を参照のこと。
(2) 対処方法
 交通違反の検挙は、まず車を道路脇に停めるよう指示される。次に免許証提示を求
められ、違反内容が告げられる。その内容に納得できない場合は、けんか腰にならず、
冷静に説明を求めることが大切である。違反が確認されるとTraffic Citation 
Ticket(TCT:違反切符)が切られる。TCTには違反内容、罰金額、支払い先などが
記載されている。
 メトロマニラ内で車を停められた場合は、警官に免許証を渡す。警官侮辱罪で免許
証を取り上げられることのないよう、穏やかにTCTを要求する。TCTをもらったら、
指定された期日に市役所のTraffic Operation Center(交通取り締まりセンター)
で罰金を支払い、免許証を返却してもらう。また、Philippine National Bankもし
くはPhilippine Veterans Bank の各支店で支払うことも可能である。罰金の支払
いは代理人でも可能である。
 メトロマニラ以外で違反した場合は免許証は没収され、替わりに3日間有効の
Temporary Operator's Permit(臨時運転免許証)が渡される。その有効期限内に
違反した地域の警察に出頭しなければならない。罰金額は裁判所が決定する。

◆車の修理◆


(1) 部品
 フィリピン輸出仕様の新車を日本で購入した場合、部品は各販売代理店で買い揃え
る必要がある。各社代理店がメトロマニラにあり、消耗部品は入手可能である。
(2) 修理工場
 道路が悪く高温多湿であるため、タイヤの摩耗は早い。また、エアコンを頻繁に使
うため故障が起きやすい。修理に出す際、車内からタイヤや工具などを出しておくこ
と。無くなったり古いものと交換されてしまうことがある。
 日本メーカー指定工場は次のとおりである。
  TOYOTA BEL-AIR, INC
   所在地:325-327 Sen Gil J. Puyat Ave., Makati M.M. 
   電 話:819-7481 to 86, 875-7661 to 66
  NISSAN Metro Motor, INC
   所在地:2278 Pasong Tamo Ext., Makati M.M.
   電 話:843-8011
  MITSUBISHI 
   所在地:Ortigas Ave. Con. Roosevelt St., Greenhills,San Juan,M.M.
   電 話:721-1481 to 90, 721-0336
  Honda cars
   所在地:South Super-Highhway Magallanes Commercial Complex , Makati 
   電 話:833-4181 to 83

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