2002.1.08更新

技術屋に騙されるな
技術者と上手に付き合う方法

 高度成長に伴い製造業が伸び、海外製品の模倣から、独自製品を持つに至った。
 国際競争が激しくなるなかで、製品原価低減を目的として生産技術の研究が盛んになった。
 これらのことにより、1次産業から2次産業にシフトし、また職人から技術屋の時代になった。
 優秀な人材の多くは、工学系大学を目指すようになり、神話が崩れつつある現代でも続いている。

 これらの人材は、数学を得意として理論武装を好みます。
 中小企業の社長さんあなたの会社にこの武装兵士がいませんか?
 大企業に勤める非技術系のスタッフの方、理論武装兵士にお困りになったことはございませんか?

 このページは、技術屋を丸裸にするページではなく、少々癖のある技術屋と上手く付き合うためのページです。

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あんたは社長かそれとも技術屋か 2001.7.14

 スタッフの方が最も困るのは「社長=技術屋」というケースです。
 ただでさえ発言権の強い社長に理論武装されてはたまりません。
 でも多くの場合、技術屋である前に社長であるという認識をされていますので、そう問題になりませんが、まれに社長である前に技術屋であるというケースがあります。そのケースは最悪です。
 自分が立てた事業計画に酔ってしまい、それにミスがあったとしてもそれを遂行してしまいます。スタッフがそのミスを指摘したとしても、全く聞く耳を持たないでしょう。それどころか、自分のミスを正当化するために、更に理論武装をしてしまいます。その結果、起こるのは「研究開発に魅せられて、自社の規模に合わない研究開発をしてしまい。」また「必要以上の投資をしてしまいます。」。その果ては、借金苦の会社ができてしまいます。
この技術屋とのつきあい方
1.あなたが能力が高くて、責任感がないタイプであれば
 逃げなさい!
2.あなたが能力が高くて、責任感の強いタイプであれば
 技術屋のいうことに反対してはいけません。とにかく、誉めて、誉めて、誉めちぎるのです。あなたの出世は間違いないでしょう。ただ、それを続けていれば、会社が傾くので、対策は忘れずに!
対策1.判断は全て社長にさせましょう。
対策2.ミスを指摘するのでなく、ミスを修正するデータを提出しましょう。
対策3.テーマを置き換えましょう。
 社長のプランの一部を誉めちぎりましょう。技術屋は何故理屈をこねるか。それは、自分を認めてもらいたいからです。誉められた箇所に社長は自信を持つでしょう。その一番自信を持った箇所を中心に、より最適なテーマに置き換えましょう。

それでもあなたは技術屋だ! 2001.7.20

 営業技術を長い間経験した技術屋にこのタイプがいます。
 長い間、物づくりから離れていると、精神的に以前の技術屋に戻れなくなります。論文を読んだり、データをとったり、データを集計したり、そういった作業をする気力がなくなります。
 本人に技術屋か問う前に、本人が「俺は技術屋じゃない。」と言って歩きます。
 でも、本当なのでしょうか。技術的内容にあまりタッチしないために、その反動でどうでも良いことに理屈をこねる。本当に理屈っぽい。うんざりするぐらいに。仕事は技術でなくても、性格は技術屋なのです。
 スタッフも社長もこのタイプにあまり困らないと思います。しかし、会社は困っています。「生産に寄与しなく。」「改善をしなく。」「クリエーティブな仕事はしない。」のです。それなのに、理屈をこねて、いろいろな所にかかわりを持ちたいのです。
この技術屋とのつきあい方
1.あなたがこの方と同じ職位以下であれば、できるだけ穏やかに無視することです。
 利用しようにも利用価値はないのです。ただ、根が悪い人ではなければ、プライベートで付き合い、会話をしてください。人間関係を損ねることなく、円滑に仕事が進むはずです。
2.あなたがこの方の上司であれば、鬼になってください。
 一人一人を活かさなければ、会社が成り立たないのです。この方にも向いている職種があります。それは、営業技術です。
 又は、鬼になって再生してください。一人完結のテーマを与え、納期を指定して仕事をさせてください。技術屋の楽しさが理解できれば、また良い技術屋に戻ってくれるでしょう。

与えられた仕事のみを行う優秀な技術屋 2001.7.26

 技術屋全体の2〜4割がこのタイプに属します。
 優秀であるといっても、その適用分野が限られており、生産技術、品質管理などの内向き(統制可能)な仕事に対して優秀であります。反対に、顧客との折衝が必要な営業技術、設計においては、あまり高い能力を発揮できなく、自ら技術を開拓する開発系の技術屋にも不向きです。新入社員では特別な場合を除き、このタイプに属するが、年数が経つにつれ他のタイプに変わっていきます。
 スタッフの方が頭にくるタイプがこのタイプだと思います。技術屋ということにプライドを持ち、技術屋以外の人間を馬鹿にしてかかります。また中には、製造業は技術屋でもっていると勘違いしている人間もこのタイプに多いといえます。しかし、会社全体でみて稼ぎ頭であることは事実です。
この技術屋とのつきあい方
 このタイプが受動的であることに注目すると、最も高圧的な管理職が苦手で、嫌っています。
1.あなたが上司であれば
 高圧的にでるべきです。但しそれだけではヒネタ技術者を多く作り出し、会社のためにはなりません。そのため、仕事の評価をきちっと行うべきです。高圧的にでて最初は嫌われても、評価が正しく行われれば必ず強い味方になってくれるはずです。この若い技術者は、業績評価と仕事の成果が必ず比例すると考えています。その証拠として、おべんちゃらは決して使わないはずです。業績評価が必ず仕事の成果と一致することがないと諭しても、算数的な彼らの頭では理解できません。それよりも、きちっと成果配分を考えてあげましょう。
2.あなたがスタッフであれば
 若手で将来有望な人物を選別してください。「将来性のある人物=人とよく接する人物」です。彼らに仕事を与える人物との関係が上手く行っている限り、将来性のある人物以外は無視して差し支えありません。

最も優秀な技術屋 2001.8.10

 自ら仕事に対する価値観を持ち、仕事を選別し、また仕事を作り出す技術屋がこのタイプです。仕事にかかる前から、豊富な知識と経験に基づいて、その仕事が上手く行くか行かないか判断します。上手く行かないと判断すると、ドラスティックにその仕事に全く近づかなくなります。また、プライドと計算性が高く、上手く行く仕事であっても、あまり高い評価を得られない仕事を嫌います。
 社長さんは、意外とこのタイプが苦手な人が多いと思います。相手は常に自分が一番と思いおべんちゃらを使いません。彼らと付き合おうと思っても、頭にくることが多すぎます。
 この技術屋との付き合い方
あなたが社長である場合
 上手く付き合おうと考えず、道具だと割り切ってください。
1.会社をよくしたいのであれば、彼らを競争させてください。
2.上司の選定をしてください。
 業績評価が出来ない上司、経営判断が苦手な上司を彼らの上につけるとぶつかり、その上司を追い出すか、自らが辞めるまで争います。その結果組織の形態が壊れ会社全体に影響がでます。
3.プライドの高い彼らを若手技術者の目標とさせてください。
 ますます仕事に努力し、若手技術者に対して熱心に教育してくれます。教育担当を兼任させるのも良い手段です。
4.業績評価のルール化
 彼らの中でいつも競争があります。たとえ年齢差があっても、自分より能力の劣る技術屋より給料が安いことは許せないことです。これは、給料の額を問題にしているのではなく、プライドを問題にしているのです。世間相場より給料が低くても、その会社の技術屋でNo1の給料であれば、問題は少ないでしょう。そのため、業績評価のルールを明確にすること、それに沿った評価をすることが必要です。

あなたが若手スタッフである場合
 このタイプが寄り付かない仕事は敬遠しましょう。彼らは良い信号機です。彼らのいるところに常に成果があります。

あなたがベテランスタッフである場合
 彼らは頭が良くて自己中心的です。彼らを上手く扱うなどと考えれば、その下心を見透かされてしまいます。成果のでる仕事の近くにいる彼らに相手にされなくなったとき、あなたの立場は絶望的です。彼らを上手く扱うのではなく、あなたが彼らに上手く扱われることです。その時あなたの地位も上がるでしょう。

無能な技術屋 2001.9.01

 能力のない者は、どの世界にもいます。彼らに共通することは、いつも人につき従い、例え自分のことであろうとも、人の判断に頼り、時間的な感覚を持ち合わせません。
 彼らの見分けからは簡単です。彼らに仕事を頼んで見てください。結果の報告はまずないと思います。また、報告にきたとしても「こんなのがでました」とデータのみ、持ってくるはずです。
 与えられた仕事ができないだけではなく、自分で考えることも行わない。産業ロボットと同じである。産業ロボットは指示を出して所定の時間が経過すれば、与えられた仕事を終えますが、無能な技術屋は何度もチェックしなければ終了しません。
 このタイプの技術屋は以外に多く、1割弱はいると思います。
この技術屋との付き合い方
 このタイプは、仕事を与えなければ害はありません。閑職でもと考え、仕事を与えるとかって害を及ぼします。また、退職を勧めても、退職しませんのでかえってこちらのストレスが増えます。
 人間関係で、イジメや様々な問題で何人か集まれば、このタイプができます。仮にこのタイプがいなくなったとしても、また新たに自然発生します。必要悪若しくは空気のような存在として相手にしないことに限ります。

それでも技術屋と言うのか 2001.9.30

 技術部門のリーダーであり、技術屋が人付き合いが苦手なことを利用し、このタイプは成長します。仕事といえば、部下が行った仕事を全て自分がしたように報告します。部下を育てる気が無く、売上げや利益に貢献する気がなく、会社に対しても悪影響しか与えずに、技術者にとっても最悪の存在です。但し、社長やスタッフに対しては人当たりが良いので、なかなかその問題に気付きません。
 報告するときには、自分の部下が如何に不出来か、前任者が如何に報告を怠っていたかを強調し、自分が苦労をしながら部下を教育し、ようやく成果を出している様に報告します。それを見ている部下はウンザリし労働意欲をなくします。彼のいなくなった部署は数年間は再生致しません。それどころか、出世をし被害は広がるいっぽうです。
この技術者の寄生虫との付き合い方

社長さん
 あなたが信頼する者が実はこのタイプではないか一度疑ってみてください。このタイプを見分けるポイントは、彼の歴任した部署の退職者を調べてみてください。複数名退職者がいるならば、このタイプである可能性が高いです。もし、このタイプであるならば、彼の言い分を聞かないことです。彼と関連の薄い部署の者と面談し、このタイプであると考えれば、即刻左遷させるべきです。

スタッフの方
 あなたの身近にこのタイプがいたなら、逆らわないで出来るだけ離れるべきです。対決しようと考えても無駄です。彼は1日中仕事をせずに、人を騙すことだけを考えています。あなたの仕事をしている時間も考えているのです。何の道徳心もないのです。社長にかけあっても無駄です。社長も長い時間をかけて彼に洗脳されているのです。負けるが勝ちです。

悪い人ではないのですが..自己陶酔型の技術者 2002.1.8

 一般的な技術者といえば、頑固で、眼鏡ををかけ、髪を梳かさないか又はナチュラルな髪型をしています。でも、それと逆の親切で、長髪で、コンタクトレンズをして、よくトイレで鏡を見ている人が身近にいませんか。その人はおそらく自己陶酔型という悲運な技術屋です。
 人に対してよく思われたい。それは誰にでもあり、そのため自己陶酔型の技術屋は良い人なのですが、実際に仕事をともにすると首をひねってしまいます。彼らの最大の欠点は、仕事をしている自分に陶酔してしまうことにあります。そのため仕事にとりかかる時に、小説のような計画を作ってしまい、全ての現象や周りの人の仕事の仕方を、その小説に無理やりあてはめようとします。その結果矛盾が生じ、その矛盾に対して理屈をつけて、自分を正当化する行動をとります。誰も何も思っていないのに、一人相撲を常にしているのです。当然ながら、周りの人は彼の思っているような仕事はしません。そのため、矛盾が生じるたびに、人の担当分まで仕事をしてしまいます。また、予測した通りのデータが出なければ、自分の予測したデータが出るまで何度もデータを取ります。
この技術屋との付き合い方

 この傾向が強いようであれば、彼を人の上に立たせることを止めましょう。
 この傾向が弱いようであれば、計画、実行は彼に任せて、チェックを定期的に実施します。チェックで問題点があれば、それとなく問題点を気付かせます。
 決して叱らないようにしてください。人前で叱られることは、彼らにとって耐えがたいことです。叱るとひねくれ者になってしまいます。

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2001.7.6 中小企業診断士中村公哉事務所
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