電子商店の法律知識

ベンチャー企業や新規事業への参入により、法律に抵触している電子商店を見かけることがあります。例えば、酒屋ではないのに酒の販売を行なっている電子商店は、酒税法に定める通信販売の許可を得ていない可能性が高いです。そのため、少しづつ中村事務所ニュースで電子商店の法律知識を掲載し、このページに記録として残して行きます。
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 2003.3.8更新
1.プレゼントの限度額(オープン懸賞)
2.プレゼントの限度額(一般懸賞)
3.プレゼントの限度額(総付景品)
4.プレゼントの限度額(共同懸賞)
5.消費者契約法(1)
6.消費者契約法(2)
7.消費者契約法(3)
8.不当表示に関して
9.特定商取引に関する法律(1)  
10.特定商取引に関する法律(2)   
11.特定商取引に関する法律(3)  
12.特定所取引に関する法律(4)  
13.JAS法(1)  
14.JAS法(2)  
15.未承認広告とスパム  
16.特定電子メールの送信の適正化等に関する法律  
17.特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(2)  
18.特定商取引法の申請制度  
プレゼントの限度額(オープン懸賞)
 商品の購入を約束せずに、プレゼントを出すことをオープン懸賞といいます。アクセス件数を稼ぐために、プレゼントをすることは、このオープン懸賞に該当します。このオープン懸賞は、他の種類の懸賞と違って、限度額が高く設定されています。その最高額は、独占禁止法上1000万円です。例えば、パソコンをプレゼントしたとしても、全く問題がありません。
 次回は、限度額が厳しい一般懸賞についてです。
プレゼントの限度額(一般懸賞)
 商品を購入された方に対して抽選でプレゼントを出すのは、一般懸賞に該当します。(購入者に漏れなくは該当しません。)先日のオープン懸賞(商品を購入しない人にも懸賞の参加権がある)が1000万円の最高額であるのに対して、一般懸賞の限度額は次のようになります。
懸賞に関わる売上予定総額の2%以下であり、次の条件を満たすこと。
1.5000円未満の商品であれば、取引総額の20倍以下であること
2.5000円以上の商品であれば、10万円以下であること
プレゼントの限度額(総付景品)
 商品を購入された方に対して漏れなくプレゼントを出すのは、総付景品(そうつけけいひん)に該当します。総付景品に関わる限度額は、
1.1000円以上の商品であれば、取引価格の1/10以下であること
2.1000円以下の商品であれば、100円以下であること
となります。懸賞と違い、限度額が低いので注意が必要です。
補足
 ・先着何名様に漏れなくは、総付景品となる。
 ・送料の無料サービスは、総付景品とならない。
 ・試供品は、総付景品とならない。
プレゼントの限度額(共同懸賞)
 プレゼントは、今回で最後です。次回は今年4月に施行された消費者契約法について記載します。
 ショッピングモールや商店街で共同してプレゼントを出す場合は、共同懸賞になります。この共同懸賞の限度額は、売上予定総額の3%以内であり、かつ30万円未満でなければなりません。昔漫画で見た「海外旅行ご招待!」が最近ないのは、この限度のためだと思います。何年か前に、長岡の大手通りで、ヨーロッパ旅行が当たったと思ったのでしたが、海外旅行の割引でした。
消費者契約法(1)
 少し難しいので、少しずつ記載します。
 まずクーリング・オフという制度をご存知ですか。クーリング・オフとは、訪問販売などで契約後8日以内であれば、無条件で解約できる制度です。このクーリング・オフという制度はインターネットで購入した商品に適用できないのです。
 そこで、消費者契約法ですが、今年の4月に施行されたものであり、勘違いで購入したり、説明が正しくされなかったために購入した商品は、6ヶ月以内に契約を取り消すことができる法律です。
消費者契約法(2)
 消費者契約法で何を気をつけなければならないか。
 例えば、新潟産茶豆とホームページ上に記載していながら、実際は茶豆でなかった。それを消費者が気付いた時に返品できます。同じように、魚沼産コシヒカリと表示しておきながら、長岡産のコシヒカリを送っても同じことです。
 1)販売の時の説明に誤りがあった。
 2)消費者に対していい情報のみ提供し、悪い情報を一切提供しなかった。
 3)無理やり購入させられた
このような契約は6ヶ月の間は取り消しができます。
 そのため、電子商店では、ホームページ上での表示に注意が必要です。
消費者契約法(3)
 この度が消費者契約法の最後となります。
 次のような記載は、消費者契約法の上で無効とされます。そのためホームページの製作時にご注意下さい。
1.返品を受け付けないとする記載
2.不良品のみ返品を受け付ける記載
3.不当に高いキャンセル料の記載
 不当に高いの判断が難しいのですが、一般的に解約に伴う事務手数料として認められる範囲か、利益が損失することに対しての賠償金として認められる範囲かになります。例えば、レストランで1週間前のキャンセルであれば、材料の仕入れがなく、まだ予約が入る可能性があるので、5割も6割もとれば不当になる可能性があります。
4.返品期限の記載
 返品期限を7日と定めていても、理由により認められません。
不当表示に関して
 不当表示といえば、偽の越乃寒梅のような、品質を偽ったものを思い出すかもしれませんが、次のようなものも不当表示となります。
1.二重価格で、380円の商品に500円と記載し、それを訂正して380円としているもの
2.掲載している商品の写真が、実際のものより、良い品質のもを掲載していたり、量を多くしたものを掲載していた場合
3.食品の場合などで、原材料を偽って表示した場合や、売り手側にとって不利な表示を行なわない場合
4.特売の表示で、特売でない商品も特売になっているような誤解を与える表示
5.架空の団体名を使い認証を受けているような錯覚を招くもの
6.実際に販売していない商品を客引きのために掲載する。
7.産地を偽る。原産国を正しく表示しない。
 前回の消費者契約法と関連して、気をつけなければならないことです。誤って不当表示をした場合、全国にそれをPRしているのがインターネットです。
特定商取引に関する法律(1)
 最近、電子商店に「特定商取引に関する法律」というページが登場しています。これは、「訪問販売等に関する法律」というのが改正されたものです。平成13年6月1日からの施行です。
 改正の内容ですが、「内職・モニター商法に関する規制の新設」「マルチ商法に関する規制の強化」「電子商取引の消費者保護の実施」の3点です。
 内職・モニター商法とは、「パソコンを購入すればワープロの内職を出します。」などの商法です。マルチ商法とは、「健康食品を購入した方が、友人などに紹介販売した場合収入を得る。」などの商法です。
 電子商店で問題となるのは「電子商取引の消費者保護」です。次回から、このポイントを記載します。
特定商取引に関する法律(2)
 −購入時にクリックボタン−
 購入する時のクリックボタンが商品を購入するものであることを明記する必要があります。そのため、「次へ」と書いたボタンであったり、「¥」マークなど記載したボタンなどであった場合は、「消費者の意に反して契約の申し込みをさせようとする行為」とされます。
 そのため、クリックボタンは「購入する」「注文をする」という表示にします。
特定商取引に関する法律(3)
 経済産業省令で定めるところにより、次の事項を表示しなければなりません。ただし、これらの事項を記載した書面を遅滞なく交付し、販売業者は経済産業省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができます。
1.販売価格(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)
2.代金の支払の時期及び方法
3.商品の引渡時期
4.商品の引渡し又は権利の移転後におけるその引取り又は返還についての特約に関する事項
 (その特約がない場合には、その旨)
特定商取引に関する法律(4)
−誇大広告−
 商品の性能、商品の引渡し又は返品について、事実と相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
 日本初、日本最大などの表示は認められないと思います。
−罰則−
 一年以内の期間を限り、通信販売に関する業務の全部又は一部を停止
JAS法(1)
 JAS法とは、正式には「農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」と呼びます。

生鮮食品品質表示基準
 販売者が表示すべき事項として「名称」と「原産地」があります。また、容器に入れ包装されたものについては、「内容量」「販売業者の名称・住所」も表示しなければなりません。
 名称に関しては、一般的な名称を記載することになっています。でも、実際に正しい名前や、原産地表示していない場合を時々見かけます。例えば、刺身に原産地を表示していない場合がありますが、これは、JAS法の対象外にはなりませんので、記載が必要です。
 電子商店では、ホームページ上で原産地表示の義務はありませんが商品又は納品書で原産地を表示する必要があります。
JAS法(2)

1.様々な原産地を混ぜたもの
 例えば、様々な原産地を混ぜたものがあると思います。牛肉のセットであったり、野菜のセットであったり、このような場合は重量の多い順に原産地を記載します。
2.干物は怪しい
 輸入水産物を国内で干物にした場合は、加工品として取り扱われるため、原産地は加工した県を表示します。これは、相当消費者に誤解を招くものですが、このように法律がなっています。
3.表示例
 次の表示は認められません。
 「マグロ(近海)」「牛肉(US)」
 でも、ときどきスーパーマーケットで見かける表示ですね。但し次の場合は、認められます。
 「マグロ(インド洋)」「マグロ(新潟県)」「牛肉(米国)」
 認められるかどうかの違いが理解できないと思いますが、近海は曖昧な表現であるため認められなく、広い範囲ですがインド洋は具体的な場所を指すため認められます。マグロ(新潟県)は、新潟県内で水揚げされたマグロを指し、富山沖であっても、表示は新潟県です。USは、誰でもわかる言葉でなく、米国は一般的な言葉だからのようです。
未承認広告とスパム

 最近、未承諾広告というメールが時々皆様のお手元に届いていると思います。このメールは「スパム(消費者が好まないのに無理やり広告を送り続けること)」として、今までインターネットを使用する者として行なってはならないものとされていました。法的規制があったわけではなく、倫理上の問題からです。
 ところが、iモードなどの携帯電話への迷惑メールの対策として「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」というものができました。その法律で、未承諾広告というものが規制に沿った形で送信されることが許されました。
 「法律に違反していないメール=倫理上問題がない」と考える事業者が当然発生し、今までの送ることを抑えていた「スパム」が送られるようになったということです。
 さて、今一度スパムの問題を再考してみなければなりません。未承諾広告が多量に送られてきた場合にどうなるでしょうか。
1.電子メールのロードに時間がかかる
2.多量の未承諾広告の中から重要なメールを探さなければならない。その手間がかかる。
3.多量の未承諾広告が送られてきた場合、メール自体が重要でないもののように錯覚し、メールを開かない者が出てくる。

 未承諾広告は、法律に触れていなくても、インターネットの利便性を阻害する行為であり、送信する事業者は倫理的に行なってはならないものと考えます。

参考
スパム = 「スパム」の語源は、昔の人気テレビ番組「モンティ・パイソン」からきている。メニューの全てに「スパム」(spam 缶詰肉の商人名)という語が入っている。(途中略)
番組のコメディアンのバンドは繰り返し「スパム」という言葉を歌にする。レストランの客が好もうが好まないが、「スパム」という言葉を叩き込むために。(パーミションマーケティング セス・ゴーディン著 翔泳社)
このように、消費者が好まないのに無理やり広告を送り続けることが「スパム」です。
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律

 前回、スパムと同法との関係についてお話しましたが、この法律について、ポイントをご説明いたします。
1.施行開始時期
 平成14年7月1日
2.主な対象
 受信者の承認を得ない広告「未承認広告※」
3.「未承認広告※」に対する具体的な取扱い
 事業者及び送信者の氏名又は名称、受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレスをメール本文の前に記載
 送信者の住所及び電話番号を任意の場所に表示
4.罰則
 曖昧。(違反を繰り返した場合、罰則・罰金が課せられることがある。)
  
 このような法律で、何のための法律か理解に苦しみます。
 子供が開くメールアドレスにも、アダルト向けの「未承認広告※」が送られている現状を考えると、このような法律を作るのにどれだけの費用をかけたか追求したくなりますね。
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(2)

 未承認広告のメールがあまりにも多いようで、相談があったため解説をします。

相談1
 何処からか勝手に未承認広告のメールが届きます。受信拒否をして、個人情報が漏れる心配はないのですか?
回答
 私は受信拒否をしていません。相手が適当にメールを送っている場合は、そのメールアドレスが使われていることを連絡することになります。アダルト関係のメールは、おそらく適当に送っているようであり、同じところから、あまり次に送られてくることはないようです。
 自社ホームページのアドレスにメールが送られてくる場合は、受信拒否をしても良いと思います。この場合は、受信を拒否する旨だけを書いて送りますが、他の情報を送ることを避けてください。

相談2
 受信拒否をしても送られてきます。
回答
 迷惑メール相談センターをご活用されては如何でしょうか。
http://www.dekyo.or.jp/soudan/top.htm
特定商取引法の申請制度

 あまり知られていない制度ですが、インターネット販売に限らず通信販売、訪問販売の公正な取引を行なうための制度です。個別のトラブルに対応するものでなく、インターネット販売などの公正な取引や消費者の保護のため、業界全体に通達や行政指導を行なうものです。
 今まで申請事例を聞いた事が無いため、私の理解に誤りがあるかもしれませんが、例えば
「アダルト関係の未承認広告が青少年育成上悪影響を与える可能性があるため、アダルト関係の未承認広告を認めなくする。」
「代金未払いの消費者が増えているため、それらの相談機関を設ける。」
などの社会問題になりそうなことであれば、申請が可能であると考えます。

 

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2001.10.28 中小企業診断士中村公哉事務所
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