中小企業診断士の研究開発ノウハウ
| どうして、研究開発が成功しないのか?ほとんどがマネージャーの能力の問題である。 エレクトロニクスメーカーの第一線で研究開発コーディネーター、診断士としての指導実績から中村公哉が語る研究開発ノウハウ |
| 中村公哉事務所TOPページ | 技術屋に騙されるな 技術者と上手に付き合う方法 |
製造業ホームページの簡易診断 | 製造業ホームページ構築のポイント | メール |
| レポート 1.研究開発インフラ整備に関する私見 2.特許技術情報の活用 |
![]()
| 研究開発の鉄則 その1.リーダー育成の鉄則 2001.7.19 その2.社長直結の鉄則 2001.7.20 その3.コーディネーター育成の鉄則 2001.7.26 その4.大学活用の鉄則 2001.8.15 その5.組織隔離の鉄則 2001.9.13 その6.技術情報利用の鉄則 2001.9.30 その7.後追いチェックは失敗のもと 2002.5.12 |
| その1 | リーダー育成の鉄則 研究開発リーダーを外部から連れてくるな。社内で育成しろ。 研究開発は、研究、設計、品質管理、資材購買管理、労務管理、原価管理(財務管理)、企画、マーケティング、生産、生産管理など全てが凝縮された組織である。いい研究開発マネージャーは、これらの社内システム・管理を熟知しており、熟知していないのであれば、アウトプット(開発成果)がでてこない。外部から研究開発リーダーを連れてきた場合、社内システムや管理の仕方の理解に時間がかかり、肝心な研究開発に集中できない。また、品質管理、人事、経理、資材購買、製造との連携が必要な研究開発において、関連部署との人間関係が重要である。高額な報酬で、引き抜いてきた研究開発リーダーに対して、関連部門の長がどういうう感情を抱いているか考えた場合、良い人間関係の構築は難しい。 そのため、研究開発リーダーは社内で育成するのが鉄則だ! もし、育成できないのであれば、コンサルタントを使い育成しなさい。 |
| その2 | 社長直結の鉄則 社長と管理職の最大の違いは、投資の判断が出来るか出来ないかである。研究開発に失敗はつきもの、いくら優秀な研究開発組織であっても5回に1回も成功しない。どこかの事業部に、開発組織をつけた場合、その事業部の長は失敗を許せない。一度目の失敗は許せても、二度目、三度目は許せない。折角育て上げた、優秀なエンジニア、マネージャーを簡単に潰されては、いつまでたっても既存事業の延長線から抜け出せない。 そのために、研究開発組織は、社長直結にする。 但し、組織を置く場所は本社ではなく、工場に置く。それによって、工場の経営資源を使いながら、研究を行う。 |
| その3 | コーディネータ育成の鉄則 その1で述べた様に、「研究、設計、品質管理、資材購買管理、労務管理、原価管理(財務管理)、企画、マーケティング、生産、生産管理など全てが凝縮された組織」が研究開発部門に要求されるが、これらの知識と技術的知識の両方をリーダーに要求するのは難しい。もし、貴社で成果が出せないのであれば、これらを研究開発リーダーに要求していないか見直してみる必要があります。そこで、重要な存在はコーディネーターです。コーディネーターは、人事権は持たないが、研究開発の進捗をチェックし、関連部門との調整を行い、研究開発全般にわたってリーダーを支援します。この重要な、存在を育成できるかが、研究開発の成功の鍵です。 もし、存在しないのであれば、コンサルタントにこの機能を依頼しなさい。 いくら優秀なエンジニアを集めても、コーディネーターが存在しなければ、研究開発は成功致しません。 |
| その4 | 大学活用の鉄則 大学活用の目的としては、「事業推進のための技術的アドバイスを受ける」「開発のネタの提供を受ける」の2点が一般的です。 中小企業の場合は、技術アドバイザとしての大学の活用が最も相応しく、産業支援機関などの大学との交流会に出席し適任者を探すことをおすすめします。地元の大学で、事業分野に近い分野を専攻し、企業を実験台として考えていない先生を探してください。個人的には、威圧的な話し方をする大学の先生より、高専の先生の方が従業員と親密になれて良いと考えます。費用は年間で40〜50万円の寄附金が一般的です。 開発のネタの提供を受けたいのであれば、学会に入ることをおすすめします。産業支援機関の交流会では先生の専門性にまで踏み込めなく、また能力の低い先生がPRに必死になっていますのでババを引く可能性が高いです。そのため、学会での発表・論文をチェックし、優秀な先生を探します。その後、大学研究室の訪問、寄附金(100〜200万円)の提供、社内人材のマスター・ドクターコースへの派遣、助成金の活用などによる共同研究などを精一杯活用し、特許の共同出願にまで持ち込みます。注意が必要なのは、優秀な先生のもとには多くの企業が集まることで、外部への情報のリークに気をつけなければなりません。 |
| その5 | 組織隔離の鉄則 時々、「研究開発部門に部屋を与えるなんてもってのほかだ!厳しくしつけてやる!」という経営者に出会うことがありますが、経営者自体を躾けなければいけないようです。一般の事務・技術・製造などの職種と開発者との大きな違いは、規則性があるかないかだと考えます。言い換えると、規則通りに行っている開発者は成果は出せていません。当然ながら、三六協定などの勤務時間に関する法規・取り決めであっても、従っていては成果が出せません。48時間のデータ取りを行うのに、そのために交代勤務が組めますか?実験の途中で結果が得られた場合、48時間経過していなくても途中で実験を打ち切ります。交代勤務を組んだからといって、実験を打ち切った後に交代勤務を続けるような馬鹿なことが出来ますか?48時間で結果が出せないために、延長する場合どうしますか? それだけ、開発者は過酷な労働をしているのです。48時間の話は特別なものではなく、日常的なものです。この部門と一般の社員が一緒になった場合を考えて下さい。 開発者が一般社員と同じように、時間を意識し、時間内に終わる研究しか行わなくなった場合、開発部門が存在する意義がなくなります。 逆に、製造部門の従業員が開発者のように時間にルーズに仕事をした場合、社内システムが崩壊します。 研究開発部門の組織隔離は、企業を守るために必要なのです。別の部屋に開発部門を配置し、窓を目隠ししましょう。機密保持のための目隠しではなく、社内システムを守るための目隠しなのです。 |
| その6 | 技術情報利用の鉄則 研究開発・商品開発にはスピードが要求されています。他人が研究したことを、自社で最初から研究している企業を多く見かけますが、時間の無駄としかいいようがありません。その研究をしている間に、その他人は次の研究をしているのです。いつまでたっても、その他人の後を歩くことになります。特許・科学技術論文をどんどん利用し、他人の研究した結果を利用しましょう。特許・論文の取り寄せに20万円かけたとしても、人件費に比べると安いものです。 |
| その7 | 後追いチェックは失敗のもと 優秀なコーディネーターが存在すれば、常に計画と進捗状況と今後発生するであろう問題点が報告されるが、コーディネーターが存在しなかったり、未熟である場合はアウトプット(進捗報告)がでてきません。そこで、よく行なわれるのが、後追いチェックです。社長が研究開発のリーダーを呼び、計画に対する進捗を報告させるわけですが、当然ながら報告がないのであれば、計画に対して大幅に遅れているか、暗礁に乗り上げています。チェックして遅れなどが分かったとしても、容認するか、叱り付ける以外に手がありません。これが後追いチェックは失敗のもとです。 優秀なコーディネーターが行なうことは、結果がどうなのか聴くのではなく、「これから何をするのか?」「その結果をどう予測しているのか?」「失敗した時にどう行動するのか?」「失敗につながる障害がないか?」「結果がいつでるか?」「結果が出たときにどの部門に何を連絡するのか?」というチェックであり、過去ではなく未来の予測をし行動をしています。 |
| 業務案内 1.技術者・技術マネージャー教育 5万円/月〜 2.研究開発指導・支援事業 20万円/月〜 労力がかかる仕事であり、現在受け持っています業務で手一杯な状態です。 そのため現在の募集は行っておりません。 3.相談事業 5万円/訪問1回につき いつでも、受け付けております。公共機関を通じての相談は、その機関の定 めた費用に従います。 |
![]()
| 中村公哉事務所TOPページ | 技術屋に騙されるな 技術者と上手に付き合う方法 |
製造業ホームページの簡易診断 | 製造業ホームページ構築のポイント | メール |
2001.7.15 中小企業診断士中村公哉事務所
fwiy6062@mb.infoweb.ne.jp