中小建設業者のための情報化講座
| CALS/ECがやってくると、まるでノストラダムスの予言のように感じている建設事業者がいるようです。ノストラダムスの予言の1999年のように何事も起こらないと思う方もいますし、ノストラダムスの予言のように狂信的になる方もいます。 一つだけいえることは、公共事業は全て近いうちに、CALS/ECが導入され、準備をしていない公共事業主体の事業者は体力を消耗します。そのため、少しずつ準備のためのCALS/ECの解説を行ないます。 |
| 中村公哉事務所TOPページ | 電子商店構築のポイント | 製造業ホームページ構築のポイント | 製造業ホームページの簡易診断 | 研究開発ノウハウ | 特許技術情報の活用 | 研究開発インフラ整備に関する私見 | メール |
| 1. |
建設CALS/ECの定義 従来紙で交換されていた情報を電子化するとともに、インターネットを活用して、公共事業に関連する多くのデータベースを連携して使える環境を創出する取り組みのこと |
| 2. | 公共事業の課題 公共事業の課題は4つに集約することができます。まず一番は、国民との対話であり、国民に事業の透明性を示す必要があります。そのため、広告・入札を公開し透明性を確保する建設CALS/ECの導入が不可欠であります。 二番目は、より安く、早く作るということです。そんためには、電子入札によりコストを下げるとともに、発注者の行政と受注者の情報交換を素早く確実に行なう電子納品が不可欠となってきます。 三番目は、幅広く永く使うです。そのために、建設物の状態を管理しなければならなく、カメラとインターネットを使い情報を常に得るシステムや、建設時のCADデータが活用できる様に電子納品されたものの標準化が不可欠となります。それにより、改修工事が低コストで早く行なえ、その効果として幅広く、永く使えることが可能となります。 最後は、より高い技術力を求めるです。その技術力の評価基準の一つとして、ISOの取得が不可欠となり、CALS/ECとISOはペアで動くこととなりそうです。 |
| 3. | 建設CALS/ECの3つの方針 1.電子調達 2.電子納品 3.地方展開アクションプログラム 電子調達とは、「入札広告をホームページ上で実施」−「入札をホームページ上で行なう」−「入札結果をホームページ上で公開」−「発注予定情報をホームページ上で公開」という4つをサイクルとして回すことになります。 電子納品とは、公共事業に関する図面、写真などの成果物を電子データにより提出することです。 地方展開アクションプログラムとは、国土交通省が中心となった建設CALS/ECを国の事業から、地方の事業に展開する計画のことです。 |
| 4. | 電子調達を見てみよう http://www.mlit.go.jp/ 上記は、国土交通省のホームページですが、国土交通省では2001年より電子入札を開始しています。右上のプルダウンのリンクで、公共工事等の入札・契約情報をクリックしますと、関連の情報が出てきます。その中で、地方整備局(河川・道路・官庁営繕・公園関係) をクリックしますと、入札情報サービスというホームページにジャンプします。 http://www.ppi.go.jp/ このホームページをいろいろ検索してみましょう。 |
| 5. | 電子調達の実施計画 国土交通省 2001年から開始 2001年6月 地方展開アクションプログラム策定 2003年 全ての事業において電子入札の実施 新潟県 2004年から運用開始 2008年全ての工事に適用 横須賀市 2001年9月から開始 仙台市 2004年から運用開始 新潟県より、進んでいる都道府県は、岐阜県、北海道であり、今後全都道府県から、全市町村に展開されるようである。その中で、横須賀市が先行しているようである。 |
| 6. | 新潟県CALS/EC整備基本方針 ここから入手できます。 時間がない方に簡単に解説すると 2002年度〜2004年度 前期整備期間 CALS/EC導入のための準備、実証実験、部分運用 2005年度〜2007年度 後期整備期間 本運用実施に向けて適用範囲の拡大 上記2つのステップから成り立ち、2年以内にCALS/ECの準備が企業側で出来ていなければならないということです。ここで問題なのが、人材教育です。この教育だけは時間がかかりますので、「後2年あるや。」ではなく、「もう2年しかない!」と考える必要があります。 |
| 7. | 電子納品とは 建設CALS/ECの3つの方針で電子納品を挙げましたが、電子納品とは「公共事業に関する図面、写真などの成果物を電子データにより提出すること」であります。 この電子納品対象となる工事は、4段階に分かれて実施され、 第1段階 2001年度 3億円以上の工事 第2段階 2002年度 2億円以上の工事 第3段階 2003年度 6千万円以上の工事 第4段階 2004年度 全ての工事 となっています。 中小建設業で、CALS/ECが関係してくることは、この電子納品によるものであり、下請け事業者であっても元請が電子納品せざるを得ないことから、CALS/ECの準備が必要となってきます。 |
| 8. | 電子納品の基準類 下請けで公共事業に携る中小建設業は、最低限電子納品の基準類をチェックしておくことをお薦めします。基準類は9種類あり、それぞれ膨大な量となっています。また、まだ少し見直しがあると思われますが、教育訓練計画、投資計画を立案するためにも、今の段階でチェックされることをお薦めします。基準類は、下のサイトをご覧下さい。 http://www.nilim.go.jp/japanese/denshi/calsec/tekiyou.htm |
| 9. | 地方展開アクションプログラム 公共事業の7割は地方公共団体が実施しています。そのため、国の直轄事業だけ導入しても効果が小さいことから、地方公共団体に展開するのが地方展開アクションプログラムです。このとき、国と地方自治体が別々のシステムを導入した場合混乱を招くため、国のシステムを地方に展開を行なっていきます。 この地方展開アクションプログラムでは、取組みが進んでいる県から順次導入を進め、市町村にまで展開していきます |
| 10. | CALS/ECとISO CALS/ECとISOはペアで考えた方が良いと思います。2002.4.09の日本経済新聞新潟地方面にでていましたが、建設業者の合弁や連携を促進するために、公共事業の発注基準を見直すとあります。その発注基準とは、「ISO認証取得企業の優遇」「電子入札システムの導入」「JV制度の改革」です。 また、CALS/EC対応をしても、それを自社のシステムとして運用しなくてはならなく、ISOのマニュアル類の見直しも必要となってきます。 |
| 11. | グループウエアの有効活用(1) 昨年、新潟県中小企業情報センターで行ないました建設業情報化セミナーで、グループウエアを触って頂いたところ、好評のようでした。このグループウエアがCALS/ECに効果があるのが、情報の共有化と情報の蓄積になります。 例えば、工事現場にノートパソコンとデジタルカメラを持って行っていれば、毎日の工事の進捗を写真撮影し、本社のサーバーに転送します。そのサーバーに本社のパソコンあるいは、出張先のパソコンからアクセスすれば、社長や管理職が現場に行かなくても、工事の進捗状況が分かります。また、関連する部門も進捗を確認し、 次に自分達が行なう仕事の段取りができます。 これらの、画像がサーバーに蓄積されていることにより、工事の報告を行なう時に、その中から適切な写真を選び添付することができます。 |
| 12. |
グループウエアの有効活用(2) 「サイボーズ」というグループウエアが低コストで、中小企業に広がっています。数百万円の投資で、ハード・ソフトの設置が可能であると考えます。 http://cybozu.co.jp/ 「LOUTAS NOTES」というグループウエアもありますが、こちらはカスタマイズ(専用にソフトの修正)が必要であり、数千万円の投資となるために、大企業向けであると考えます。 まずは、サイボーズの無料お試しソフトを導入し、グループウエアの感触をつかむ事が大切です。 |
| 13. | CORINS CALS/EC導入に伴い、国・県・市町村などの各発注機関が共同で利用でき、受注者の技術力を公正に評価しうる工事実績情報のデータベースが必要とされている。そのデータベースとして(財)日本建設情報総合センター(JACIC)が公益法人という立場で、構築したものがCORINSです。 http://www.ct.jacic.or.jp/corins/index1.html |
| 14. | 情報収集体制の強化(1) CALS/ECの目的の一つは、入札の透明化であり、導入されると談合などができなくなります。既に、談合をを実施していいないところは申し訳けございません。導入後、一番困ることが入札価格をいくらにしなければならないかということです。 今まで情報収集力・情報整理力の劣った事業者は、今後事業の継続が難しくなります。競合の状態がどうか、部材のコストがどうか、関連会社の経営状態がどうか、顧客の予算がどうなっているか、過去の物件の入札状況がどうだったか、などの情報を入手し、整理しておかなければなりません。 それができていなければ、受注につながらないか、仮に受注しても業績が厳しくなります。 |
| 15. | 情報収集体制の強化(2) 情報収集を行なうのは、社長と営業の役目であると思っている建設事業者の生き残りは厳しくなります。入札価格をいくらにするか、できるだけ多くの情報が必要であり、そのためには色々な角度から多く従業員が関わる必要があります。 今まで、営業経験のない従業員が情報収集・提供を行なうためには、現在どのような情報が集まっており、どのような情報が不足しているか明確にしなければなりません。その活用ツールとしてグループウエアの利用が最適です。 |
2002.10.06 中小企業診断士中村公哉事務所
fwiy6062@mb.infoweb.ne.jp