電子商店構築のポイント

良い品揃えなくして強い電子商店にはならない。間違えたブランド戦略では、消費者が離れて行く。本ページは中小企業診断士中村公哉事務所が電子商店と新潟県企業の情報化を支援するために作成したページです。

2003.7.20更新


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中村公哉の自己紹介
電子商店マーケティング8箇条 新潟県電子商店簡易診断 電子商店のためのショッピングモールの見方 電子商店顧客満足の追及
メール

構築のポイント1  
1.AIDMAの法則
2.電子商店の品揃え
3.ブランド構築(1)
4.ブランド構築(2)
5.ブランド構築(3)
6.電子商店の客動線
7.電子商店のゾーニング
8.電子商店のイベント計画
9.検索エンジン対策(アクセス向上奮闘記に記載しています)
10.検索エンジン対策(2)(アクセス向上奮闘記に記載しています)
11.パワーゲーム化されていくネット世界
12.商店名のつけ方
13.電子商店の価格戦略(1) 
14.電子商店の価格戦略(2)
構築のポイント2  構築のポイント2はこちら
15.顧客データベース(1)
16.顧客データベース(2)   
17.決済方法(1) 
18.決済方法(2) 
19.メールマガジン(1) 
20.メールマガジン(2) 
21.メールマガジン(3) 
22.最近のWEBの統計 
23.2つの切り口を持つサイト  
24.他の電子商店で購入する  
25.値下げの注意点  
26.値下げ合戦への対処方法 
27.無料のアクセス解析の活用 
28.フリーメールアドレスからの注文を受けない
構築のポイント3  構築のポイント3はこちら
29.注文主の電話番号を確認する
30.ディレクトリーサービスを開始したGoogle
31.ハッキング行為とその防止 
32.ページの移転 
33.音楽は使わない 
34.閉店の仕方   
35.Googleの関連度  
36.Google関連度対策(1) 
37.Google関連度対策(2)  
38.Infoseekの傾向
39.イベント計画(1) 
40.イベント計画(2) 
41.イベント計画(3)  
42.イベント計画例 
構築のポイント4  構築のポイント4はこちら
43.アンケート 
44.競合調査;競合のピックアップ
45.競合調査(2)競合分析1 
46.競合調査(3)競合分析2  
47.競合との全面戦争(1)
48.競合との全面戦争(2)
49.競合との全面戦争(3)
50..競合との全面戦争(4)
51.クレームメールの対処方法
 
1.  「AIDMAの法則」
 
AIDMAとは
 アイドマと呼びます。よく使われるマーケティングの初歩的な用語で、お客様が商品を目にしてから購入するまでの心理的ステップを表したもので、
 attention(注目)→interest(興味)→desire(欲求)→memory(記憶)→action(行動)
という流れになることです。リアルの世界でいううと、お店の外装や、ショーウインドウに注目し、興味を持ったお客様が店内に入って来ます。そこで更にお客様の興味を増大し、商品を欲しいという欲求を起こさせます。次にその商品をお客様の記憶に残し、商品が必要になった時点で商品を買わせるという行動を起こさせます。インターネットもリアルの世界も同じようにAIDMAが重要です。この初歩的な消費者行動を理解できていない電子商店が繁栄することは有りえません。

AIDMAができていない店とは
1.検索エンジンに満足に登録出来ていない店
 注目ができないお店であり、当然ながらお客様がaction(購入)することができません。結果的に売上がゼロとなります。また検索エンジンに引っかかったとしても、店舗説明や商品説明が不十分であれば、注目できないお店となります。
2.TOPページがつまらない店
 ホームページにお客さんが来た場合、最初に来場するところがTOPページです。インターネットでは一般的に、3秒で何のお店で、お客様を歓迎しているのか、一番商品は何で、安いのか高いのかということを表さなければ(3秒ルール)来場者が違うページに行くと言われています。この3秒ルールは、interest(興味)を引くということになります。3秒で興味がひけないお店も同様に、商品が欲しいという欲求を起こすことがなく、商品が販売できません。
3.品揃えが貧しいお店
 お客様が商品に興味を持っても、自分の好む商品でなければ、お買い求めいただけません。スーパーマーケットやコンビニエンスストアで売っている商品を並べているお店は、当然ながら買いたいという欲求を起こすことはできません。自社のオリジナル商品であっても、類似した商品がWEB上の他のお店で売られている場合、品揃えが貧しいお店になってしまいます。(次回は、品揃えについて記載します。) お客様を明確にして、お客様の好む商品をおき、その商品バラエティを多くしお客様が選択できるようにするとともに、購入しやすい価格帯などを設定していく必要があります。
4.デザインが悪いお店
 衛生的でないレストランでは、女性は食事をしません。青い配色のレストランも、あまり食欲がそそられなく食事をする人が少ないです。WEB上でも同じで、高級な商品を取り扱っているのに対して、ド派手なカメラ屋さんのようなページだと、消費者にdesire(欲求)を起こすことは不可能です。例えるなら、100円ショップで、シャネルのハンドバッグを売るようなものです。商店は第一印象で決まります。TOPページの印象が悪いお店は売上がゼロになります。

memory(記憶)に残す方法
 電子商店に来場したお客様の記憶に、その商店を残さなければ次回来場して頂くことは難しいです。電子商店では、その記憶に残す方法として、「お気に入りに追加する」というコンピュータの記憶装置に残す方法と、お客様の脳に記憶として残す方法があります。
 「お気に入りに追加する」動作をお客様にしていただくためには、次の点を満足する必要があります。
 1.一度に見切れない情報量を掲載する。
 2.常に更新した新しい情報を掲載する。
 3.図書や雑誌に載っていない情報を掲載する。
 4.他のホームページに載っていない情報を掲載する。
 5.自分と似た仲間がホームページにいる。
これらを全て満足させる必要はございませんが、少しづつ自らのホームページを充実させ、より多くの方の「お気に入り」に追加させることが重要です。特に、5番の仲間は重要ですが、書込みの少ない掲示板はかえって逆効果です。そのために、ある程度のレベルになってから掲載する必要があります。
 「お客様の脳に記憶として残す」方法としては、次のような手法が使われます。
 1.情報量を多くし、お客様の滞在時間を長くする。
 2.変わったネーミングを用いる
 3.商店名と商品名を関連をもたせる。
基本的には、「お気に入りへの追加」を優先させたホームページをつくり、できれば「脳に記憶として残す」工夫をされれば良いと思います。

action 購買行動を起こさせる方法
 1.ホームページに季節感を持たせ、旬の商品を提供する。
 2.常に新しい商品を提示する。
 3.抽象的な表現をさけ、商品の特徴を明確にしめした魅力的なウンチクを語る。
 4.魅力的な商品画像を掲示する。
 5.商品点数を多くしボリューム感を持たせる。 
 6.性能が満足していただける商品、味で勝負している商品を販売する。
 「ふくきん」さんの「只今さんじょう」まさに、これらを満足させた商品であると思います。
2.  「電子商店の品揃え
 
2種類のお店
 電子商店の品揃え方法には、大きく分けて2種類ございます。
 1)他店にはない商品を1種類だけ販売するタイプ
 2)対象顧客を明確にして、その顧客が満足する品揃えを行うタイプ
 前者を「オンリーワン商品型」、後者を「総合力発揮型」と呼ぶこととします。

オンリーワン商品型
 新潟県内の代表例としては、放し飼い卵の「とがし園芸養鶏」さんがあげられます。
http://www.inet-shibata.or.jp/~donguri/
 オンリーワン商品型は、他店に比べ絶対的自信のある商品を1点だけ販売し、その商品に満足した顧客からリピートオーダーを得る商店です。商店が存続するための条件として
 1)一般に手に入らない商品
 2)他店にない商品
 3)購入した顧客が、その商品の良さが明らかに分かる。
 4)商品に関するより詳しい情報提供
 5)商品のブランド化
 6)リピートオーダーをさせるための、商品ロットサイズ、価格の工夫
等があげられます。特に重要なのは、3)であり、とがし園芸養鶏さんであれば、一度食べた方がスーパーの卵で満足できなくなる所にあります。もし、スーパーで売っている卵より少し美味しい程度のであれば、リピートオーダーはなく、スーパーの卵で消費者は我慢することになると思います。そのために、記憶に残る味、品質を売りにできる商店しか存続できません。

総合力発揮型
 新潟県内の代表例としては、「ふくきん本店」さん「田塚屋」さんがあげられます。
http://www.fukukin.com/shop/list_kagetora.html
http://www.tatukaya.co.jp/etigo.html
(どちらも商品ページのURLを記載しています)
 総合力発揮型は、店のコンセプト、対象顧客を明確にして、品揃えを行います。総合力とは、マーケティングに関する知識、対象顧客に関する知識、競合に関する知識、分析力、外部環境に関する知識、商品に関する知識などであり、これらのどれかが欠けるだけで激しい競争の中で生き残っていくことはできません。
 品揃えに関してですが、次の点に注意を払っていきます。
1)対象顧客
 性別、年齢、既婚・未婚、家族構成、所得、趣味等のうち自社商品で重要な特性に着目し、それを明確にします。例えば「首都圏在住で、週1〜2回会社の同僚などと飲みに行き、自宅ではワインと日本酒を週3回飲む、既婚で月の小遣いは6万円で、外での飲み代に4万円/月使うため、自宅での飲み代に使える金額はつまみ込みで1万円程度」等と考えていくと、対象となる顧客のお酒の好み、購入可能な価格帯などが分かってきます。
2)競合との差別化
 自社が設定した対象顧客と、同じ顧客を設定した競合をピックアップします。同じ事業の分類であっても、対象顧客が異なれば、意識する必要はありません。
3)品揃えする商品の分類
 日本酒であれば、産地、辛口・甘口、精米歩留り、酒蔵、など様々な切り口で商品を上げて行きます。次に横軸と縦軸に前記特性(切り口)を用いたグラフを作成し、個々の商品をグラフの上にプロットして行きます(ポジショニング分析)。それら、グラフ上にプロットした商品が、自社の対象顧客と合うかどうか判断するとともに、主力のゾーンを明確にします。例えば「首都圏 在住の30歳〜50歳男性であれば、端麗辛口を好むと考えられ、そのため辛口の商品数を多くし、更に産地、精米歩留り、酒蔵などの種類を多くする。」などと考えます。その時主力となるゾーンは辛口となります。このゾーン内で如何に競合と差別化するか考えて行きます。
4)価格帯
 前記ゾーンが明確になった後に、価格帯を明確にしていきます。主力ゾーンの価格帯では、競合より幅を持たせる必要があります。例えば「競合の辛口の価格帯が、2000円〜4000円であった場合、自社の価格帯は1500円〜8000円と広げます。」また、対象顧客が買いやすい価格帯の商品点数をより多くする必要もあります。「自宅で購入できるお小遣いが1万円/月であれば、2000円〜3000円の価格帯の商品の品揃えを多くします。」
5)陳列
 WEB販売は、賑わいが重視されます。普通の商店では、ワゴンセールなどと山積みにすることにより賑わいが出せますが、山積みができないWEB販売では商品点数が賑わいを持たせる重要な要素です。そのため、できるだけ多くの商品を陳列するとともに、主力ゾーン、主力価格帯の商品をより買いやすい位置に配置します。いくら商品点数が多くとも、対象顧客が欲しくない商品が並んでいれば、良い品揃えの店にならないといえます。そのために、主力商品をなるべく、TOPページに持って来て、モニター上段と左側から主力商品を配置します。
3.  「ブランド構築(1)
 
 ネット販売の行き着く所は、ブランド構築にあるといわれています。但し、様々な方とブランドについてお話をしているのですが、理解して頂けないことが以外と多いのが実情です。恐らく、ブランドという言葉が日常的に使われすぎ、想像することが人によって異なるためであると考えます。
 ブランドと言って多くの人が想像するのが、「シャネル」「グッチ」「プラダ」という三越や伊勢丹の1階に並んでいる高級ブランドのようです。確かにこれも、ブランドですが、ブランドにはもっと広い意味があります。例えば、「TOYOTA」は企業ブランドであり、「WILL」は事業ブランドであり、「カローラ」は商品ブランド(個別ブランド)となります。
 電子商店で言えば、個人若しくは企業が総合的に行っている商売が企業ブランドとなり、電子商店が事業ブランドとなり、各商品が個別ブランドとなります。この当たりの解説は次週にするとしまして、今回は新潟県内のブランドの成功例と失敗例(独断です)について述べたいと思います。

ブランド形成力が強い朝日山酒造
 ニースのお届け先に酒屋さんがいますので、誤った解釈があれば訂正をお願い致します。
 まず、「朝日山」という企業ブランドがあって、それ以外に「久保田」という事業ブランドがあります。私の考える「久保田」というブランドの価値は、東京で飲める高級な新潟のお酒であると思います。
 東京の日本酒を飲ませる料理店に行けば、百寿、千寿という個別ブランドは高級な新潟のお酒として置いています。但し、その上の「碧寿」「万寿」については、相当レベルが高いお店でしか置いていません。
 仮に「万寿」という「久保田」最高級なブランドが、1人5千円で飲める店に置いていれば、料亭で「久保田」のブランドを置く価値がなくなります。その途端に高級なお酒「久保田」のブランドが崩れ始めます。その管理を行って行くのがブランド形成の一つであります。
 また、「久保田」ブランドはネットでは販売しておりません。その理由は、恐らく自社で管理できない状態で商品が流れ、朝日山が好まないスナックや、一杯飲み屋に商品が置かれた時に、ブランドイメージが崩れ始める所にあると考えます。
 「久保田」の次に「呼友」という商品ブランドを作り出しました。これは、杜氏が有機栽培で作ったお米をもとに、酒を作りその酒米を作る仲間を増やして行くという意味を込めたブランドです。
 その次に行ったのが、「洗心」「得月」というブランドを作り出しました。これは、昔の酒米を復活させ、有機栽培で作ったお米で作った酒で、「呼友」の上に位置付ける商品です。朝日山酒造内でも、「呼友」がまさしく友を呼んだわけです。私の推測では、何も昔の酒米を使わずとも、「先心」「得月」の味は出せるのではないかと思います。でも、高級である理由づけが必要であり、それが「有機栽培米」であったり「昔の酒米」であったり、しているのだと思います。
 その次に出てきたのが、「越州」というブランドです。これも昔の酒米、有機栽培を基本としていますが、更に栽培が難しい「違う昔の酒米」を復活させたそうです。その理由づけが、お米の中のタンパク質が良い悪いという解釈にまで発展しています。

崩れ行く○×屋
 ○×屋は、長岡、県央、新潟何処にでもあります。この○×屋は「のれんわけ」をして3つの企業体があります。ブランドで例えると「○×屋」というのが企業ブランドであり、この企業ブランドを3つの事業ブランドが共有しています。
 問題であるのは、3つが別々の企業体でありながら、「○×屋」という企業ブランドを共有し、それぞれが管理できない点です。
 現在、この3つの企業体が別々に出店し多店舗展開していますが、その展開に失敗例があることです。例えば、夕食時に入った商業施設内の○×屋がガラガラであり、店員も少なく、お店にお客が入って来たことに気づかない店もあります。自慢の味が出せていない店もあります。一つの企業体が消費者離れを起こした時に、他の企業体にも影響がでてくると思います。

 ブランドは、管理し、育てていくものであり、場合によっては「雪印」のように崩壊寸前まで追い込まれることもあります。
4. ブランド構築(2)」                
 第1回のブランド構築では、新潟県内のブランドの成功例と失敗例(独断です)について述べさせて頂きました。前回の以外の成功例として、加島屋さんなどもあります。この度は、ブランド化の手順についてもう少し詳しく述べさせて頂きます。

 ブランド化の手順には、色々な方法がございますが、私の場合はまず企業の理念や経営行動基準の明確化から行います。
 企業の理念とは、どちらかと言えば抽象的な表現が多く、「誠実」「信用」だとか「地域貢献」のようなものが多いです。この理念がブランドとどのように関係があるかと言えば、ブランドを育て・管理していくのが従業員であり、この従業員の一つの指標が理念であるからです。即ち、地域貢献と上げている企業が地域環境に対して悪いことをしていれば、従業員の統制がとれませんし、信用を理念としている企業が、独占禁止法すれすれのような事業を行っていれば、社内に矛盾が生じてきます。現在、社会的な問題を起こしている企業は、社内にこのような矛盾が生じていると推測します。
 次に行動基準に関してですが、理念と異なり具体的な指標を示します。どのような顧客に、どのような商品・サービスを、どうのような手段を使い提供するかということを示します。当事務所の場合で申し訳御座いませんが、「顧問先、公共機関、保護者活動、地域の支援者としてお手伝い致します。」が行動基準となります。
 ブランドを育成していくのに当たって、この経営理念、行動基準に反したブランドは育成してはならないということがいえます。仮に理念・行動基準に反するブランドを育成したいのであれば、理念・行動基準を見直さなければならないといえます。

 この、経営理念、行動基準により企業ブランドが出来上がってきます。経営行動基準で示している漠然とした顧客に、どのような企業イメージを与えたいか明確になってきます。例えば「魚船」という魚屋さんがあったとすると、企業ブランドは「魚船」になり、ブランドの対象顧客は、地域消費者になり、顧客に与えたいイメージは「新鮮で、美味しい」になります。

 次に、社会的環境や競合の状態などの外部環境を分析し、自社の人材・商品・技術・ノウハウ・資金などの内部環境を分析します。その分析の結果、顧客いくつかに区分し、それぞれの顧客にどのようなイメージを与えたいか明確にします。例えば、顧客の所得ごとに与えたいイメージが異なり、また何店舗かあればそれぞれの地域により消費者の特性が異なり地域別に顧客ごとに与えたいイメージが異なります。
 前述の「魚船」でいうと
1.店舗:近代的商業施設内の魚屋、対象顧客:中流家庭の主婦 
  与えたいイメージ:衛生的、新鮮
2.店舗:市場内の魚屋、対象顧客:下町の主婦、飲食店
  与えたいイメージ:新鮮、旬、低価格、豊富な魚種
3.店舗:自社直営の割烹、対象顧客:比較的所得のあるサラリーマン、
  与えたいイメージ:新鮮、旬
という、3つの区分が発生します。この区分ごとに、店舗の設計、品揃え、価格の設定、パッケージの工夫、ネーミングなどを行っていくことが、事業ブランドの設計になります。

 ここで、ようやく電子商店が登場します。「魚船」がインターネットビジネスを行っていくのであれば、電子商店が1つの事業ブランドとなります。電子商店の対象顧客を、40代男性におくとしますが、普通の商店と違うことは相手の顔が見えないことにあり、そのため対象顧客の像をもう少し明確にしていきます。
 40代男性で、東京都内に勤務し周辺地域から電車で通勤している。会社での地位は主任クラスで、趣味は読書とインターネット、釣りによって魚に詳しく、味にもうるさい。そんな風に対象顧客を推測することにより、事業ブランド設計ができます。ここでは、その対象顧客が好みそうな、店名、ページの構成、情報の提供を行い、品揃えを明確にします。
 これが、電子商店のブランドであり、重要なポイントを整理すると、
1.企業ブランドに反するブランド形成を行わない。
2.対象顧客を明確にする。
3.対象顧客にあった、ページの構成にする。
となり、ページの構成にノウハウがでてきます。また、他の成功店を真似しても、対象顧客が異なるため、そのノウハウを使うことができません。

 ブランド構築について、2回で終わらせる予定でしたが、長文になってまいましたので、次回個別ブランドについて記載させて頂きます。
5.  「ブランド構築(3)」          
 第2回のブランド構築では、企業ブランドについてと、事業ブランドについてお話し致しました。電子商店は一つの事業ブランドに入るという説明をさせて頂きました。この度は、個別ブランドについてです。

 商品ブランドともいいますが、個別の商品につけるブランドです。前回から使っています架空の「魚船」という企業でいうと、「みりんづけ新潟の鮭」とか「越後味噌漬ブリ」などと、鮮魚以外の商品につけます。
 この個別ブランドは、出来るだけシンプルな分かりやすい名前が良いと思います。何故なら、個別ブランドを組み合わせて、事業ブランドを設計するとき、奇抜なネーミングや、デザインであれば事業ブランドに組み込めなくなるからです。そのため、商品の特徴をとらえた、シンプルなネーミング、カラー、デザインであった方が好ましいといえます。
 また、個別ブランドに関しても、企業ブランドを意識し、企業ブランドにそぐわないブランドを作らないように注意が必要です。

 これらの企業ブランド、事業ブランド、個別ブランドなどの、ブランド設計が完了し、それぞれに合ったパッケージ、ネーミング、WEBの設計ができたら、今度は従業員がブランドを育て、管理していきます。そのため、従業員教育を徹底し、一人一人がブランドを育成して行く自覚を持たせます。

 最後に、最近ブランド解説書というものを良く見かけます。特に電子商店の場合は、商品とブランド解説書を同封し発送します。この解説書では、商品のこだわりを書込み、よりブランドの価値を高める工夫をします。
 私が、電子商店の中で良いブランド解説書をつけていると思いますのは、下記2店です。ブランド解説書を検討されている方は、一度商品を購入されて、勉強されても良いと思います。
 ふくきん本店
http://www.fukukin.com/
 とがし園芸養鶏
http://www.inet-shibata.or.jp/~donguri/
6. 電子商店の客動線」           

 実際に商店を経営されている方は、客動線という言葉を使われていると思いますが、他の事業をされている方はこの言葉を耳にすることは少ないと思います。
 客動線とは、お客様が店内に入ってどこの通路をどのように通ったかということです。商店にとっては、この客動線が長いほど、お客様の店内滞在時間が長く、また多くの商品を見ていただけるようになります。
 逆に客動線が店の奥まで伸びずに、入り口で折り返しているようであれば、お客様に自店の良い商品を見ていただくことはできません。
 図(クリックしてください)は、私がいつも行くスーパーの配置ですが、入り口を入って、野菜果物があり、そこから進み干物関連、一番奥にこのスーパー自慢の鮮魚コーナーがあります。さらに回って、冷凍魚、肉、ハム・ソーセージ、惣菜となっています。ようは、最も売れる商品をお店の外周におき、できるだけ客動線を長くとっています。例えば、この客動線の途中に金物関連があったらどうでしょうか。客動線はそこでUターンするようになると思います。その場合、金物関係から先の商品は、お客様の目にとまることがないばかりか、その直前の商品も見ていただけることが少ないと思います。
 講演会などで、電子商店は小売知識を持っているものが圧倒的に有利であると言っているのは、この点であります。
 コンピューターのモニターの表示は、横書き形式(上から下に、左から右に文章を書く)であり、電子商店の客動線を考えるときにこの横書き形式を考慮せざるを得ません。即ち、最上段の左から右に商品を見ていくときに、死に筋商品が途中にあれば、そこから先の(右)商品は消費者はあまり見ません。同時に、画面左側の商品を上から下に見ていくときに、途中に商品以外の画像があれば、その先の商品はお客様の目にとまりません。
 電子商店で客動線を長くとるということは、画面上段の列と、画面左側の列を精一杯使うということになります。(電子商店の客動線図クリックしてください)
7. 電子商店のゾーニング」         

 ゾーニングとは、売場の区分をすることです。前回の客動線と関係が深い言葉です。
 さて、百貨店を考えて見てください。地下食料品売場、1階靴・バッグ、2階婦人服、3階紳士服、4階リビング、5階子供服・おもちゃ、6階催事・レストランという風にゾーニングをしています。中小小売店と異なるところは、顧客の性別・年齢で商品を分類し、フロアーごとにゾーニングをしている点です。
 中小小売店では、入り口付近に安さ感、ボリューム感で勝負する「集客ゾーン」があり、中に入って商品を棚に陳列し品揃えを訴求する「品揃えゾーン」、一番奥が高級品や商品説明が必要なものを販売する「接客ゾーン」となっています。狭いフロアーで如何に商品をPRし、買っていただくかこれが中小小売店のゾーニングのポイントです。

 電子商店ですが、商品ごとに分類し、ページを分けて1つのページに一つの商品の分類を配置するゾーニングを行っているパターンを見かけます。これは、百貨店のフロアーごとのゾーニングに近いといえます。良い点としては、「関連性の薄い商品を別ページにすることにより、ページの統一性を持たせ易い。」「複雑な客動線を考慮する必要がなく、デザインが簡単。」「アクセススピードが向上する。」ということが上げられます。気をつけなければいけないポイントとしては、「品揃えが薄く感じられる」「強い商品でなければ、顧客に購買意欲を起こさせることができない。」「高級品や商品の良さを伝えなければならない商品を販売しにくい。」「お薦め商品のみが売れ、実際売りたい関連商品が売れない。」ということが上げられます。
 これらのことにより、商品分類ごとにページを分けるゾーニングは、電子ショッピングモール、巨大販売サイトのような商品点数が多い大型店では有効ですが、中小の電子商店には不向きであります。但し、強い商品があるところは違いますが。

 参考まで中小小売店のゾーニングについて、詳しく述べます。
1.集客ゾーン
 店頭から1/3ぐらいのスペース。ワゴンセールのように、平台に商品を多数並べ、割安感を出します。POPは、商品名と価格を大きく記載し安さをPRし、ウンチクは入れない。電子商店では、TOPページの最上段がそれに当たり、中小小売店と異なる点としては検索エンジン対策としてウンチクが必要な点です。(検索エンジン対策については後日述べます。)
2.品揃えゾーン
 集客ゾーンから奥に行った1/3のスペース。品揃えの良さを知ってもらい、商品選びをしてもらう。そのため、商品単品別の陳列をし、棚を活用し高さを持たせ、什器の空きスペースを無くし、お薦め商品を目線の位置に合わせたりします。POPは、お薦め商品や商品説明が多くなります。電子商店では、TOPページから1スクロールした位置であり、より多くの商品を並べます。
3.接客ゾーン
 店の一番奥の1/3のスペース。高価な商品を時間をかけて接客し、販売するスペースです。特に、固定客を意識し、固定客に楽しんでいただけるように、くつろいでいただけるようにします。電子商店では、このゾーンの良い使い方がまだ明確ではありません。よく見かけるのは、主の写真、商店名・所在地などの表示や、顧客からのご意見を頂く書込みスペースなどがあります。
8. 電子商店のイベント計画」 

 先週新聞広告が多く入っていたことに、お気づきだと思いますが母の日に関する広告です。同時に、百貨店に行っても、スーパーに行ってもイベントを実施しています。
 さて、電子商店でも全国的には、このようなイベントを多くしていますが、新潟県内の電子商店はそれほどイベントを実施していないようです。
 例えば、5月初旬発売のan・anにイイハナ・ドットコム(株)
http://www.e87.com
の母の日向けの広告が入っています。(女性雑誌にはネット関連の化粧品の広告などが最近多いようです。) また、電子ショッピングモールなどでも、母の日フェアを実施しています。母の日は何も花ばかりではなく、食品、衣料品、化粧品、アクセサリーなど多彩な商品が動いています。
 これらの、社会的行事に合わせて、TOPページの更新や、お薦め商品の掲載、広告の実施を行うことが売上アップにつながります。
 母の日以外に、クリスマス、正月の帰省土産、バレンタインデー、ホワイトデー、入学・卒業祝い、ゴールデンウイークの土産、母の日、父の日、お盆の帰省土産・お供え物などの年間イベントを考えて活動する必要があります。これらの年間行事計画をたて、いつページの変更をするか、いつ何処に広告を入れるかなどを明確にしなければ、イベントを考えた時には既に商機を逸することになります。
 6月17日は父の日です。父の日に向けたイベント計画は大丈夫ですか?お酒屋さん、珍味屋さん、お肉屋さん、洋服屋さん、父の日に商品が動くと思いますよ。
11. パーワーゲーム化されていくネット世界」 

 インターネットの世界は、ニッチの世界でした。それは、昨年の春までの話しで、今は力があるものが征するパワーゲームの世界に入っています。力あるものとは、今までの当事務所ニュースで記載してきた「ベースの部分」と「お金を回すことができる」2つの力があるものということです。
 現在、色々な機関から相談を受けることが増えていますが、私の所に来る前に他のコンサルに相談していたようですが、この2つの力の存在と使い方を理解されていないようです。
 ベースの部分は、本日は述べませんが(今後、今まで通り継続します)、お金を回すことができる力についての概略を解説します。
 例えば、新米WEB店舗では、店舗を開設することがやっとで、検索エンジン対策だけでも存分に力が発揮できないのが現状です。反対に、1996年、97年ごろからWEB販売を行っている店舗は、既に固定客が数十人から数百人おり、新たに顧客を獲得するためのお金を今までの稼ぎの中から投資することができます。彼らは検索エンジン対策が重要であることは認識していますが、それだけでは新規顧客が獲得できないことを知っています。そのため、広告やショッピングサイトへのリンク出店を実施し、効果を測定し効果のある所の広告、ショッピングサイトに絞り込んでいます。そのことにより、固定客を徐々に増やしています。
 また、今まで顧客の囲い込みを行っていました大手サイトは、投資から回収に移りつつあります。例えば、Yahooの検索エンジンの登録は無料ですが、これからは有料でなければ登録できない可能性もあります。(原則的には無料ですが)情報が早い方は、YAHOOのビジネスエクスプレスの存在を耳にしていると思います。その紹介文を下記に記します。
>企業サイト向けの新サービスがスタートしました。
>このビジネスエクスプレスをご利用いただくと、サイトの推薦
>(登録依頼)・ご入金をいただいてから7営業日以内にサイトを
>審査し、登録の可否についての結果を電子メールにて返信します。
>途中略
>料金(1回につき 5万2500円<うち消費税等2,500円>、ただし
>特定カテゴリに関しては15万7500円<うち消費税等7,500円>)
 人それぞれとらえ方が異なりますが、このYAHOOの変化をどうとらえるか、この動きをスピーディに感知して、考え「お金を回す」方向に利用できる店舗が、WEB大競争時代に生き残れると思います。
12. 商店名のつけ方」 

 県内の電子商店でいろいろな名前があります。当事務所のリンク頁をご覧になって頂いても、
http://homepage2.nifty.com/nakamurakimiya/link.htm
英名、和名、様々な名前がついています。この商店名の中に商品名がついていることが多いことをお気づきだと思います。田塚屋さんですと「珍味の田塚屋」、ふくきん本店さんですと「新潟の地酒ふくきん本店」、とがし園芸養鶏さんですと「放し飼い卵のとがし園芸養鶏」などがそれに当たります。
 この店名に商品名を入れることは、検索エンジン対策として有効です。例えば、Yahooで検索すると、入力キーワードに対して店名と紹介文から拾い上げ、検索結果を表示します。また、LYCOSなどのロボット型の検索エンジンにおいても、店名とページ上段に記載されている紹介文からキーワードを拾い上げます。
 それらのことにより、店名にキーワードを入れ込むことは、検索エンジンで拾い上げられやすくなります。ただし、YAHOOに関しては、「珍味の」「新潟の地酒」などは表現の一部であると解釈され、店名から削除されることが一般的です。そのため、日曜大工応援隊さんのように、完全にキーワードを店名に入れ込む事が、検索エンジンには一番有効です。
 ただし、店名はこだわりの部分であるため、検索エンジン対策だけを考えていられませんが..
 さて、店名のつけ方の注意事項を整理しますと
1.検索キーワードを店名に入れ込む
2.ページタイトルに、店名だけではなく検索キーワードを必ず入れる。
 ロボット型の検索エンジンは、このタイトルを店名にします。
3.英数字はなるべく使わない
 例えば阪急系で「O−kini City」というショッピングモールがあります。これをYAHOOで検索するときに「O−KINI」と英大文字、英小文字いずれかを入力すると、登録されていますサイト検索画面が表示されます。しかし、ひらかな・カタカナで入力した時にサイト検索では「該当なし」とされてしまいます。そのため、「おきにシティ」「おおきにしてぃ」「おおきにシティ」と入れればページ検索で引っかかりますが、「おーきにシティ」ではページ検索でも引っかかりません。消費者が検索をするとき、英文字を入力することが少なく、ひらかな若しくは漢字での入力となり、英数字を使用していれば、店名で検索しにくくなります。
13. 電子商店の価格戦略(1)」 
1.楽天出店での価格戦略
 http://www.rakuten.co.jp/
 楽天で、コシヒカリと検索してください。一般購入、共同購入、スーパーオークション、フリマオークションとでてきます。一般購入の隣の検索結果を全部見るをクリックしてください。商品名、価格、店舗名がでてきます。
 まず特筆すべきことは、店舗名が一番最後だということです。ようは、楽天若しくは楽天に来る顧客にとって、どの店から買うかということは、あまり問題でないということです。
 次に、価格の比較ができるということです。新潟産コシヒカリ10kg−6150円と、新潟産コシヒカリ5kg−2225円、消費者はどちらの商品を選びますか。
 共同購入、スーパーオークション、フリマオークション全てが価格の競争です。
 楽天に出店するということは、日本最大のショッピングモールに出店するということよりも、日本最大のディスカウントストアの一画を借りると認識したほうがよいと思います。
 楽天に出店したが、売れなく辞めていく店があると耳にしますが、売れないのが問題ではなく、出店したことが間違いであった可能性があります。
 価格対応力がなければ、楽天に出店すべきではない。また、実店舗をお持ちの個店で、価格を売りにしていないお店が楽天で価格競争をした場合、実店舗のお客様の信頼をなくす覚悟も必要です。
2.個店での価格戦略
 自社ブランドがネット以外の流通経路で出ている場合
 基本的には、価格の整合性を持たせる必要があります。例えば、自社ブランドの商品が、卸を経て小売で販売されている場合、中間マージン分の価格を下げれますが、その場合既存の取引業者である卸、小売業が相当な不信感を持ち、場合によっては販売協力がなくなっていくと思われます。また、今まで小売業者から購入していたお客様が、ネットで安く購入できる場合、最初は喜ぶと思いますが、次第にその製品及び価格に対する信頼を無くします。そのため、基本的には最終小売価格を考慮し、価格付けが必要です。
14. 電子商店の価格戦略2」  
3.コスト志向型価格設定
 ほとんどの電子商店がこのタイプの価格設定を行っている。実店舗で仕入れた商品に対して、若しくは製造原価に対して、販売費・管理費などを積み上げ、価格設定を行います。当然ながら、仕入量、生産量によって、ベースとなる仕入れ価格・製造原価が異なるため、実店舗の仕入量・生産量が売価決定の重要な要因となります。前回の楽天に関して、仕入量が少ない商店が出店しても勝ち残れないと推測できます。
4.知覚価値型価格設定
 デフレ経済と呼ばれる環境でも、ホテルで夕食を食べると5千円はかかります。同じ料理をファミリーレストランで食べると、2千円で食べれます。この3千円の違いは、雰囲気による付加価値の違いです。これをインターネット上で行うため、WEBデザインにより雰囲気を出そうとしている店舗を良く見受けられます。但し、これらの店舗はほとんど全てが失敗しています。
 自宅でコンピュータに向かい、良いデザインの店舗を見てホテルの雰囲気が味わえるでしょうか。広い空間、統一されたデザイン、聴覚、嗅覚への刺激、それらを全て活用できて、知覚価値が活かせます。消費者のコンピューターのモニターのデザインを洗練しても、そのコンピューターが置かれている部屋の雰囲気、消費者の服装などを統制することは不可能です。
5.情報価値型価格設定
(重要につき事務所ニュースのみ記載、ホームページには記載していません。)
6.実勢型価格設定
 自社のコストや需要量にあまり目を向けずに、競合企業の価格にあわせます。若しくは競合企業より僅かに低価格の価格づけを行います。仕入量によって仕入価格が変わらない商品の価格づけに向いています。この場合の競合は、ネットの競合だけではなく実世界の競合も含まれます。
7.オークション方式価格設定
 希少価値のある商品の価格づけに、オークション方式で価格設定を行います。
8.共同購入価格設定
 共同購入者を募集し、購入者の数によって売価が下がって行く方式です。現在、ショッピングモールを中心に流行していますが、自社の商品価格への信頼性を損ねる危険性が高いため、優良な商店にお薦めできません。


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