2001.7.25更新
当ページは、三条市に新しく開設される地域密着型バーチャルモールと、新潟ビジネス専門学校 経営・経営情報系のクラスとの対話をもとに、中小企業診断士中村公哉がオープンな環境で議論を進めるページです。
中小企業診断士が考える地域密着型ショッピングモール
巻頭言
消費者のいないショッピングモールが多い。地域密着型であっても同じである。誰のためのショッピングモールなのか。製造者志向、販売者志向のショッピングモールは淘汰される。ましてや、情報技術者志向のショッピングモールは、多くの人に迷惑をかける。
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1.地域密着型とは
地域密着型という表現を使うことで、対象顧客を地域消費者においていると錯覚しているショッピングモールが全国にあります。地域といっても、色々な人がいます。未就学児、小学生、中高生、大学生、社会人1年生、主婦に、中年男性、シルバー世代、その全ての人が地域消費者です。それらの人全てに密着するつもりのショッピングモールは、残念ながら見たことがございません。小学生の親からみて、わが子に見せたくないコンテンツがあって、地域密着型、若しくは地域名を使われている地域密着サイトがあった場合、良い印象を受けません。そのとき、小学生の親だけではなく、良識のある人は、そのモールに2度と近づかないことでしょう。
まず、地域密着型を名乗る資格があるか、サイト運営者自らが考えなければなりません。
(2001.5)
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2.誰が商品を提供するのか
多くの場合が、地域の商業主です。地域の商業主がわざわざインターネットを利用して、地域の消費者に何を提供するのか疑問を感じます。地域商業主が地域消費者に商品を提供するのであれば、実店舗の方が圧倒的に便利です。注文から3日後に商品が届く、商品を実際に手にとれない、実物と画面の色が異なる、大きさが実感できない、実店舗に比べ商品点数が少ない、このようなインターネットより、実店舗の方が圧倒的に便利です。
また、努力されている個店には申し訳けないですが、実世界でロードサイド型大型店、巨大商業施設に押されている状況から、小さな個店に多くの消費者が魅力をあまり感じていないのが現状です。地域の消費者をターゲットにするのであれば、実世界の地域の大型店も、実世界の自店舗も競合になります。これらの競合と差別化して勝ち抜いて行く、若しくは共存していくこれが、地域密着型電子モールに加入する電子商店の宿命です。
(2001.5)
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3.具体的な消費者像
かといって、地域消費者がインターネットで商品を買っていないとは言えません。ただ、1人当たりの購買量が実店舗に比べて、まだまだ少ないのが現状です。また、インターネットでは商圏が存在しなく、全国の電子商店、電子ショッピングモールが競合になります。実世界の狭い商圏の中で苦しんでいる商店が、全国の優良店舗に勝てる販売技術が身についているかどうかが、重要なポイントとなってきます。
これらのことにより現在のインターネットで購買する地域消費者を顧客とすることが難しく、さらに顧客とすることができても、大きな売上が期待できません。
そのため、地域密着型のショッピングモールの生き残る方向の一つとして、新たな購買層の獲得があげられます。 (2001.6.2)
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4.ポジショニングの考え方
商品によって、地域によって異なりますが、左上図は現在の地域中小商店がおかれている環境のイメージを示したものです。実世界では、この中のニッチな市場をターゲットとして店舗運営していると考えます。特に、空白のセグメントの消費者を対象顧客にしているところが多いと思います。
地域商店街の最大のライバルであるロードサイドショップ、大型店は、地域消費者の最大需要を常に狙っています。そのため品揃えは、日常的に使う商品、消費財でよく買う商品、団塊世代を中心とした人口が多いセグメントの嗜好品、専門品にあります。そのため、お酒のような嗜好品でも、多量生産型の商品はありますが、限定生産で手に入り難いお酒は置いていません。
新潟市のような新幹線・高速道路を使って顧客が来る広域的な商圏では、活動的な20代〜40代の消費者に商品を提供しています。
現在のインターネットで売れている商品は、このロードサイドショップ、大型店の空白を埋める形で、広域的な商圏の商業施設と一部重複する形で商品の提供を行っています。
では、空白のセグメントを誰が埋めるのか。それは、地域密着型の商店街・商店であり、また地域密着型のバーチャルモールであると考えます。
(2001.6.2)
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2001.5.21 専門学校講義より
新潟県内のバーチャルモールをあげてみなさい。
<モール名省略> 合計 11モール
これらのバーチャルモールで何が問題なのですか?一般論で結構です。
儲かっていない商店から金を巻き上げる。
いきなり凄いインパクトがあるのが出てきましたね。一部のモールがそうですね。他には何かないですか?
対象顧客が明確でない。
欲しい商品がない。
競合が明確でない。
なかなかいい意見が出てきましたね。他に補足しますと
核店舗がない。
商店数が少ない。
未熟な商店が多い。
決済機能が備わっていない。
来場者が楽しい場所がない。
季節感がない。
マスコミ対策をしていない。
などがあると思います。
一番重要なのは、欲しい商品がないということであり、その前に対象顧客が明確になっていないという問題があります。先ほどのバーチャルモールで地域密着型でないモールもありますが、地域密着型に対象顧客を設定するのであれば、地域の消費者が欲しい商品を提供するために、全国の有名店を招かなければならないのかもしれません。地域消費者に地域商店が商品を提供することも重要であるかもしれませんが、地域消費者に欲しい商品を提供するために、バーチャルモール内に伊勢丹を誘致しなければならないかもしれませんし、ソフマップを誘致しなければならないかもしれません。
それが、消費者志向です。
(2001.6.02)
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2001.7.19 さんじょう商人塾「小売業のインターネット戦略」の中村講演資料より抜粋
電子商人になるために
その1.休むな!睡眠時間を削ってでもホームページを作るのが電子商人
その2.手を抜くな!笑顔が見せられないのが電子商店。顧客は手抜き商人を見抜く。
その3.迷惑かけるな!商店街と同じで、流通業者が電子商人に迷惑をかける。
その4.親切でいろ!親切な人に情報が集まる。
その5.情報を多く発信しろ!情報を多く発信するところに、多くの情報が集まる
その6.自らが楽しみ、多くの人を楽しませろ!
その7.不愉快にさせるな!高齢者・子供の気持ちになって考えろ。
その8.成功者に頭を下げろ!成功者から物を買え。成功者に教えを請え。
その9.仲間を作れ!メル友は最強のパートーナー
その10.顧客満足を追求しろ!ホームページを見る満足、買った時の満足、商品到着後の満足、入金したときの満足、これらが次に購入する満足・そして常連の満足に変わる。
* 流通業者とは、商人としてのプライドを捨て、情報を得ようとせずに、単なる物販を行う者。
質疑応答より
質問 1
新潟県内のバーチャルモールがどうして失敗しているのか
答え 1
(上記専門学校講義をご参照ください。) 特に、良い管理者の不在が最も失敗につながっている。
質問 2
価格戦略に関して、現在卸が通常より安い価格で販売していると推測される。このように卸売業が店名を替えて分からなくして売ることも可能なのか。
答え 2
(価格戦略は、7月23日からの事務所ニュースで取り上げます。)店名を替えて分からなくすることも可能ですが、どこかで、それが顧客に伝わった時に、既存顧客の信頼を失うことになります。また、通信販売法に基づく記載がされていれば、店名を替えていても直ぐに分かります。通信販売法に基づく記載がなければ、ネットで購入する消費者からの信頼も得られません。
最後に
決して美しいページが売れる訳ではありません。デザイナーに依頼して美しいページを作ったとしても、小売業のノウハウが盛り込まれていなければ、売れるサイトにはなりません。そのため、美しくなくても、手造りのサイトを作っていかれれば、良いサイトになります。中高年主婦が対象の商店であっても、今まで蓄積した販売ノウハウが三条の中高年主婦向けであり、そのノウハウは東京の主婦に活かせません。自分達の対象消費者を明確にして、その消費者に気に入られるようなサイトに手造りで仕上げることがBESTです。○○町内婦人会御用達という看板をかかげるサイトであっても良いのではないでしょうか。
(2001.7.25)
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2001.6.02 中小企業診断士中村公哉事務所
fwiy6062@mb.infoweb.ne.jp