中小企業診断士が指導する特許技術情報の活用

中村公哉事務所TOPページ 技術屋に騙されるな技術者と上手に付き合う方法 製造業ホームページの簡易診断 研究開発ノウハウ 研究開発インフラ整備に関する私見 メール

 1.特許の取得目的
 2.特許に隠れている情報
 3.特許・技術情報の入手の仕方
 4.新しい特許情報
 5.特許マップ一覧
 6.アイデアの組立
 7.最後に

2001.11.17更新

1. 特許の取得目的

 一般的にいわれている特許の所得目的は、「競合の模倣に対する技術の防衛」「自社競争力の向上」「技術の優先権による利益の向上」です。中小企業の社長さん、本当にそうなのですか?「社長の趣味」「世間体」になってないですか?
 でも、正しく利用することにより、「技術者の教育」「企業信用力の向上」、この様なメリットがあります!

1)特許にはお金がかかります。
 参考までに弁理士を通じて特許を取得し、10年程度保有した場合、特許1件にかかる費用は概略120万円です
 下図で示す様に、一つの製品(技術)に関連する特許が多くあり、これら全ての分野で特許を取得すれば、1000万円を越える金額になります。


2)特許の防衛が本当に可能か
 上図で示す分野全てで特許を取得してはじめて防衛が可能となります。 でも将来的な未知な技術も含めた「代替え技術」を取得できますか

3)部分的な防衛に関して
 大手メーカでは、これら分野のうち自社が優位に立てる可能性のある分野に研究を集中させ、その分野に絞り込んで多くの特許を出願しています。 そして、出願していない分野は、他社から買います。(ライセンス契約)相手企業がいくら多くの特許を出願していたとしても、人材と金を集中させ、多くの特許を出願した自社の分野で、相手企業は自社から特許を買わなければなりません。(クロスライセンス)
 競争社会では、幾つかの企業がクロスライセンスをして、その他の会社が入れない仕組みになっています。
    「特許に関する費用は他社と分担し、共同で防衛をする。」

4)もっとお金がかかります。
 特許を有効活用をするためには、自社が取得した特許について必要な物、不要な物に分けて、いらない物を捨てなければなりません。(特許の棚卸し)特許を権利化するためには、出願した特許の状況を把握するとともに、他社の類似特許との違いを分析する必要があります。より有利に事業展開するために、競合の公開特許を常に取り寄せ、自社の事業領域と競合の事業領域を分析しなければなりません。
    「特許を管理するための人材が必要です。」
    「特許の取り寄せのための経費が定期的にかかります。」

5)製品の売上規模が特許にかかる費用に、見合いますか?

6)中小企業にとっての特許取得メリット
 「製品開発・商品開発を行っていくためには、技術を体系立てて見れる技術者が必要」
 「専門バカは必要がない、より多くの知識を持った技術者が必要」
 「会社に対してでななく、自らの技術にプライドを持つ技術者が必要」
 「社内に競争相手を求めずに、外部に競争相手を持つ技術者が必要」
    「この様な中小企業にとって、必要な技術者を育成できます。」
 特許の取得に至っていなくとも、製品パンフレットに特許出願・申請中と記載するだけで製品が高度な物と思われます。
 新規取引先の開拓に際し、取得特許があるということは、企業の技術力のPRとなります。
 企業データベースが増加していますが、必ず取得特許という欄があります。この欄に記入しているのとしていないのでは、企業の信用性がかわります。
    「特許取得は企業の信用を向上させる。」
でも、それ以外に特許は活用できないのか?
2. 特許に隠れている情報

1)先進企業の情報
 一つの技術についての公開特許を多く集め、その出願人別にデータを整理すれば、先進企業が分かります。


2)人材情報
 企業別に整理された特許から、発明者のマップを作ることにより、先進企業がその技術に何人人材を投入しているか、またどの様な技術者が必要であるかが分かります。
 また、出願件数が多い技術者は、その企業の研究開発の中核を担っているため、その人材の出願特許を定期的に入手すれば、その企業が今後力を入れていく製品・技術が分かります。


3)技術課題
 特許の公開がされている技術を、そのまま利用することはできませんが先進企業の技 術課題は、その他の企業にあっても「現在越えなければならない技術課題」もしくは「将来にぶつかる技術課題」であります。
 「目的」又は、「従来の技術及び発明が解決しようとする課題」に技術課題が記されています。


4)市場情報
 技術の応用先(市場)を捜索したい場合、技術名をキーワードとして検索を行うことにより、その技術に関連する特許を入手することができる。その入手した特許の産業上の利用分野を整理することにより、その技術の応用先が分かる。

5)現有技術の公開
 従来の技術には、請求項が新規性のある技術であることを示すため、従来の技術として、現在利用している技術が書かれていることが多い。
 後発参入の場合は、先進メーカーの特許を数多く取り寄せ、その特許を分析することにより、その製品のノウハウがつかめて来る。
 また、権利が切れた特許、審査請求期限が切れた特許の技術は利用可能である。
     特許の存続期間     出願〜20年
     実用新案の存続期間  出願〜 6年
     審査請求         出願〜 7年

6)優秀な技術者の考え方
 一般に技術者は、特許、科学技術論文、科学技術雑誌や技術図書により、新しい技術を常に学んでいます。しかし、技術課題にぶつかった時のブレイクスルーの方法は、間近な先輩以外に学ぶことしかできません。
 外部から技術者を引っ張って来た場合には、ブレイクスルーのための新しい手法が得られますが、日常的に外部技術者の獲得が行われていないために、問題解決の手法がマンネリ化しています。
 公開特許公報には、問題と問題解決の手法が多く記されています。日頃特許公報を分析することにより、優秀な技術者の問題解決の仕方がある程度体得できます。
3. 特許・技術情報の入手の仕方

1)特許情報の検索
 特許庁ホームページ「特許電子図書館」
  http://www.ipdl.jpo.go.jp/homepg.ipdl
 PATOLIS
  新潟県でアドバイスを頂ける機関
  財団法人 信濃川テクノポリス開発機構
  TEL0258−46−9711
 その他
  特許庁での閲覧
 検索結果の比較
検索範囲 検索ヒット率 費用 総合評価
特許電子図書館 ×
(平成5年以降の公開特許)
×
(平成5年以降の洋食器特許=10件)

(電話料金40件の検索で数百円)
PATOLIS
(昭和46年7月以降の公開特許)

(平成5年以降の洋食器の特許=32件)
×
(40件の検索で
約5000円)

2)特許の取得
 特許庁ホームページ「特許電子図書館」 費用=電話料金(平均30円/件)
   http://www.ipdl.jpo.go.jp/homepg.ipdl
 関東アイアール(株)の広報コピー 費用=平均254円/件
   TEL048−866−1553 参考データ7
 多量に特許を扱う時は、関東アイアールからコピーを取り寄せた方が、効率的に行えます。

3)技術情報
 JICST 科学技術振興事業団 科学技術情報事業本部
   http://jois.jst.go.jp/enjoy-jois/jois/nl0s5010.cgi
   所蔵データ:国内、外の科学技術論文(1975年〜約1228万件)
   検索費用:概略130円/件(60件程度の検索)
   取り寄せ費用:論文ページ数により異なる。概略1300円/件(論文9ページ程度)
 図書館 各大学図書館
 国立国会図書館

4)特許マップの公開
 特許庁ホームページ:http://www.jpo.go.jp/indexj.htm

5)特許流通データベース
 特許流通データベースに登録されているライセンス情報の中から、中小・ベンチャー 企業等への技術移転がしやすい情報の提供 http://www.jtm.or.jp/JTMDB/
4. 新しい特許情報
 コンピュータの利用が拡大している中で、コンピュータシステムに関連する様々な特許が出願されています。

 例えば (平成12年1月時点)
顧客×情報×管理
というキーワードで、特許電子図書館を検索した場合、
473件
の特許が検出されます。

 コンピュータシステムに関する特許は、工業だけではなく、商業・サービス業にとっても価値がある情報が含まれている。これが、ビジネスモデル特許というものです。平成12年あたりから、日本国内でもビジネスモデル特許と騒がれていますが、実は平成3年頃から出願が始まっています。例えば、ソフトバンク(株)の孫政義氏の特許で平成3年出願の(特開H05-165781、特開H05−165782)はビジネスモデル特許に属していると考えます。

 さて、ビジネスモデル特許の定義ですが、私も良くわかりません。説明する方によって、定義が異なっているためです。明確に言えるのは、何でもありではなく
 新規性があること
 効果があること(世の中で有用なものであること)
が最低限の条件であります。また、ソフトであってもコンピューターを使用したシステムとして出願すると特許を取得しやすく、アイデアレベルではなく具体的な実施例がなければなりません。
5. 特許マップ一覧

 
 動向を把握
 黎明期・成長期・成熟期・衰退期の分析
 応用:企業ごとの推移
     技術ごとの推移

 
 先進企業の把握
 応用:製品別の出願状況
     技術別出願状況

 
 技術の流れを把握
 技術の流れを把握主流を見極め、また検討余地が残されている技術を捜索する。
 応用:製品フロー

 
 重点技術分野の見極め
 自社強み弱みの分析
 応用:製品−技術マトリクス
     製品−課題マトリクス
     製品−企業マトリクス
 
 特許庁ホームページより
 構成部位表示
 出願漏れの把握

 
 競合分析
 得意技術の把握
 出願領域の絞込み
続きは徐々に記載します。m(_ _)m時間がなく済みません。

中村公哉事務所TOPページ 技術屋に騙されるな技術者と上手に付き合う方法 製造業ホームページの簡易診断 研究開発ノウハウ 研究開発インフラ整備に関する私見 メール

2001.8.26 中小企業診断士中村公哉事務所
fwiy6062@mb.infoweb.ne.jp