トロント日記あれこれ


2000.10.18

またちょっとシリアスに戻ります。

法学部で行われていた
日加自由貿易ラウンドテーブルなる講演会にいってきました。

パネリストはトロント大学経営学部の教授、
カナダビジネス界代表、首相(!)から
指名を受けた貿易交渉のカナダ側代表、
カナダトヨタの社長(この人は日本人)、というメンバーでした。
前駐日カナダ大使やら、マルルーニー政権の時の教育大臣まで
来ていたことを考えると、かなり日本経済への関心の高さを
伺うことができました。

議題は自然に、日加自由貿易協定の
交渉経過報告に集中していました。
私はここに来るまで日加二国間交渉について
知識が薄かったのですが、
結構長いこと交渉しているんですね。
私の聞き間違いでなければ
スピーカーいわく、3decadesにわたると言ってました。

80年代はかなり望みうすだったのが、
最近、日本−シンガポール協定の締結に展望が開けたこと
から最近はかなり期待が高まっているようです。

また去年のシアトル交渉の混乱を見ても
WTO交渉=多国間交渉の先行きが不透明なこと、
また二国間協定の方がより紛争処理の際のビジネス界の
関与が可能なことから、
彼らにとっては今が二国間協定締結の
チャンスに映っているようです。
日本政府のスタンスについて、
通産省は推進、農水省は絶対反対、外務省は中間という
説明がなされていて、何となく笑ってしまいました。
まだまだ先行きは厳しいような気がします。

レセプションでは、日本での留学での経験があるという
若手弁護士と話をしていました。
カナダの防衛大学→日本の大阪大学法学部で博士課程→トロント大学LLBといいう
変わった経歴の持ち主でした。日本の法学部はあまりに勉強不足、一方で
司法試験はクレージー、という鋭い指摘もありました。

日本の弁護士事務所には外資との
契約書締結を自前でまかなえないという事情から、
外国弁護士へのニーズがあるのだが、弁護士法の規制そのものの問題、
それからカナダ弁護士自体が、契約書仕事よりも訴訟活動への志向があること、
また日本にいる期間、彼らのキャリアが無駄になってしまうなどの理由から、
両者の需給のミスマッチがあるという話も面白かったと思います。
彼も結局4年間つちかった日本語の知識を生かすことなく、今は訴訟活動の仕事が
中心なのだそうです。知日家に見えるだけにもったいない限りです。


Canada- Japan Society of Toronto (会合主催者)

日本シンガポール貿易協定の経緯について
通産省サイト
外務省サイト

WTO交渉の現状
 外務省サイト
(全体)

 農水省サイト(農業関連)



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