トロント日記あれこれ


2000.10.23

このHPを見ている人のお一人から、
やはりロースクールの授業でだいぶ苦しんでいらっしゃるという
メールをいただきました。ご心配なく、私も例外にあらずです。

現在、私の授業は以下のようになっています。

火曜日午後 一コマ(国際経済法)
水曜日午前 一コマ(法哲学 大学院必修)
木曜日午後 一コマ(競争法)

*一コマ2時間。

実はこれに加えて知的所有権の授業の2コマを取っていたのですが
10月に入ってから、あっさりあきらめることになりました。

なんだこれだけか、とおっしゃる方もいると思いますが、
これに、それぞれケースブック40頁、教科書50頁、
コメント数頁が毎回、という
おまけがつくと、もう一週間があっという間に過ぎていきます。
(肝心の宿題のコメントも今月に入るまで全く手が出せなかった)

特に、金曜日から日曜日にかけての心理状態はもう悲惨です。
時間があるから何かしなければ、でもページが先に進まない、という
感じです。

法哲学の授業はもっとも苦痛といえるでしょう。小グループに分かれて
法実証主義がどうしたの、法と道徳は分けるべきか、
経済分析の観点をどうやって司法過程に入れるべきか・・・云々。
はじめの一ヶ月は何が起こっているのだろう・・・
とぽかんとして議論を眺めているだけでした。
(今は議論の中身を咀嚼しているうちに次に進む、という
感じですが、とても参加とは呼べませんね。)

先生も色んなタイプがいますね。
特に国際経済法の教授はTrebilcock教授といって、
この業界ではかなり有名な方らしいのですが、
その英語の分からない事といったら・・・でもこんなモゴモゴ先生、
そういえば、日本の母校にもいたっけなあと感心してしまいます。
(書いている教科書の中身は至極もっともなのですが)
よくよく経歴をみると、NZ生まれなのだそうです。

競争法の先生は、大変若い。図書館で偶然、4〜5年前の
論文を見つけたのですが、
何とそのときの肩書きはまだロースクール三年生。卒業後
二年間、最高裁判事の下で調査官のような仕事をした後、
1998年に助教授で迎えられたようです。親父さん自体も
15年前の法学部長、現在の最高裁判事。こりゃすごい一家です。
授業自体も分かりやすいのですが、何せ経済学の知識を駆使していくので、
法律アプローチに慣れきっていた私にはちょっとコンプレックスです。


さて、話を元に戻しましょう。これ以外にも
トロント大学法学部は、昨年、技術革新法政策センターなるものを
設立、毎週のようにNY、ロンドン、カナダ、オーストラリアなど
教育、実務界から最先端の先生を招いて、
知的所有権、電子商取引、遺伝子組み替え動物など
のカレントなテーマについての
講演会を開いています。これに週一回参加するというのが
私のひそやかな楽しみでもあります。
(ところで、このセンターの授業はレジュメも含めて
何とすべてWEBで無料公開されています。
もちろん150kbps以上の接続環境が前提ですが、これは感動しました。)


そして、もっとも私にとっての天敵は・・・
LLMの必修であるThesis、いうなれば100頁の論文です。
これについてはおいおい触れていくことにしましょう。


参考資料


技術革新・法政策センター公開授業一覧
(授業を見るにはRealPlayerが必要です。)

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