foto:初谷 恵美
プロフィール ソロ・マリンバ奏者、名倉誠人の超人的な技巧と知的で詩的な音楽作りは、この楽器の全く新しい地平を切り拓くものとして、聴衆から驚きと賞賛を獲得してきた。また、「我々の時代の音楽」を常に追求する姿勢は、現代の作曲家達の共感を呼び、多くの作品が彼に捧げられている。それらの作品は、彼のレパートリーの中心を成し、名倉独自の世界を築いている。 2001年には、「全委嘱作品によるリサイタル」で、文化庁芸術祭新人賞を受賞した。また、米国BMI財団よりBMI/サリナッチ基金マリンバ委嘱プロジェクト2002を任されるなど、現代の音楽のAdvocate(主張・代弁者)という彼の姿が明らかになってきている。 2007-2008シーズンは、カルロス・サンチェス-グティエレス作曲のマリンバとピアノのための二重協奏曲や、リカルド・ゾーン・モルドゥーン始め多くの才能溢れる作曲家達による作品を数多く世界初演する、恵まれた年となっている。 権威あるヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディション(ニューヨーク)に、マリンバ奏者として史上初めて優勝して以来、全米40州における彼の演奏は、常に熱狂的なスタンディング・オヴェイションで応えられている。ニューヨークのカーネギー・ワイル・ホールや92ndストリートY、ワシントンのケネディー・センターを始め、全米の著名ホールで多くのリサイタルを行ってきている。また、ニューヨーク室内交響楽団、シカゴ・シンフォニエッタ、カリフォルニア交響楽団等、各地のオーケストラとマリンバ協奏曲を演奏、特に、彼のためにケヴィン・プッツが作曲した「マリンバ協奏曲」は、初演以来15のオーケストラと協演を重ねている。 室内楽の分野でも、リンカーン・センター室内楽協会、スポレト音楽祭室内楽シリーズ、ブリッジハンプトン室内音楽祭での演奏をはじめ、様々な楽器のソロイストと頻繁に共演をしている。 彼は、教育活動にも情熱を注ぎ、マスター・クラスを行った大学は全米50校を超える。また、全米の小・中・高等学校を訪れ、これまでに数十万人の子供達のために演奏してきている。 彼の演奏活動は、CBSテレビの「サンデー・モーニング」の中でフィーチャーされ、全米に放送された。彼の演奏は、「マリンバにおける啓示」(ロサンジェルス・タイムズ紙)等、各紙から絶賛されている。 英国では、ロンドンをはじめ各地でリサイタルを行う他、英国王立音楽院から三度招きを受け、マスタークラスやレッスンを行った。同音楽院より、卓抜した音楽活動を行う音楽院出身者にのみに贈られる栄誉、ARAMが名倉に与えられている。香港においても、香港演藝學院から、客員講師として四たび招聘を受け、リサイタルと教育活動を行った。韓国ソウルでのリサイタルは、2003年にKBSによりテレビ放送された。 日本においては、1990年に日本演奏連盟賞を受け、関西フィルとのコンチェルトで、ソロイストとしてデビューした。その後、東京文化会館、大阪イシハラホール等、全国各地で多くのリサイタルを行っている。東京サントリーホールでは、二回の全委嘱作品によるリサイタルを開催。第一回松方ホール音楽賞大賞及び神戸灘ライオンズクラブ音楽賞を受賞。 他分野の芸術との共演も数多い。世界有数のバレー団、アメリカン・バレー・シアターの新作、『Marimba』の独奏マリンバを舞台上でダンサーと共演、ニューヨークのシティー・センターで初演した。東京と神戸で、チリの詩人ネルーダの作品朗読と共演する新作を初演、2003年にNHKテレビによって放映された。2005年には、小泉八雲の「青柳ものがたり」を、イメージ投影と音楽で綴る新企画を上演、2007年7月には、ニューヨークで英語版の初演も行われた。また、2007年9月には、戦後アメリカ絵画に啓発され、名倉のために書かれた音楽を、絵を投影しながら演奏とトークを行う、「美術と音楽の出会う場所」と題する演奏会を、兵庫県立美術館で行った。 名倉は神戸に生まれ、8歳の時からマリンバを始めた。武蔵野音楽大学で、名マリンバ奏者、高橋美智子氏のもとで学んだ。その後、英国王立音楽院に留学し、ニコラス・コール氏のもとで研鑽を積んだ。演奏家養成課程を首席で修了し、帰国。武蔵野音楽大学大学院を修了した。日本で最も優れた打楽器合奏団の一つである'パーカッション・グループ72'のメンバーでもある。 全委嘱・世界初録音作品を収録したCD、「リチュアル・プロトコール」、「トリプル・ジャンプ」(共に米国Kleos Classics)と、「田辺恒弥マリンバ作品集」(ALMレコード)がリリースされ、ライヴ・コンサート・ヴィデオ(毎日放送製作)も発売されている。そして2008年には、再び米国Kelosより、バッハの作品のみをサラウンド・サウンドで収録した、最新SACDがリリースされる予定となっている。 |
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