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パス図の便利さを知る



 前回の説明では共分散構造分析で用いる変数の種類とパス図を描く際の基本的なルールを紹介しましたが、今回はこのパス図を使用するとどのように便利なのかを説明していきます。そのためには回帰分析と比較しながら説明する必要があるので、回帰分析についての説明はこちらのページを参考にするか手元にある参考書を見ながら考えてください。


§はじめに

 共分散構造分析を利用する1番の利点はパス図を用いることによってデータ分析の結果が分かりやすいからです。そもそも統計学というのは「複雑なデータをより簡単に説明する」ことを目的とした学問なワケで、データ分析をする以上、誰が見ても「あぁ、そういうことか」というように納得してくれなければ意味がないのです。


§回帰分析との比較

 以下の表はA店からH店までの売り上げなどを5段階評価で表したものです。このデータを回帰分析と共分散構造分析の2つの手法で分析してみましょう。

店名 売り上げ(y) 品揃え(x1) 価格(x2) 品質(x3)
A 5 3 5 4
B 3 4 2 4
C 2 3 1 5
D 4 4 3 3
E 4 5 4 4
F 3 4 3 3
G 2 3 1 2
H 5 2 4 3

 回帰分析の結果、回帰方程式は以下のように表せました。


 共分散構造分析の結果、パス図に母数を加えたものが以下のようになりました。



 回帰分析を知っている人であれば上で求めたような方程式をみれば「売り上げには価格が大きく関与している」ということが分かりますが、回帰分析を知らないどころか「数式お断り!!」などという人には回帰方程式を見せた所で何も納得してくれません。
 しかしパス図をみれば「矢印は因果関係を表しており、そこに書かれている数値は因果関係の強さを示しています」と説明すれば、統計学を知らないような人でも簡単に納得することができるでしょう。例えば取引先の人にプレゼンするようなときなどには効果的です。
 ところで回帰係数とパス係数(パス図の矢印上に書かれている数値のこと)はピッタリと一致していますが、これは共分散構造分析は回帰分析と同じことができるということを示しているわけです。同じことができるのなら前述したように分かりやすいもの、すなわちパス図を使用したほうが相手に説明しやすいのです。