MIRACLE★TOYS
〜伯爵の財宝〜
ナルカリオリジナルストーリー
Page.1
作 ナルカリ
★印は新しく書きはじめた文章の頭につけてあります。
- ※突然、ストーリーや登場人物が変更されていることがあります。御了承ください。
- 小説を書くなんて初めての事、もちろん文章能力などない。3日坊主になるかもしれないが、このミラクルトイのストーリーをたくさんの人たちに知ってもろうことを夢見て、恥ずかしながらペンを執ってみることにした。何年かかるかわからないが、完成するようにがんばってみたいと思う。
- あくまで、ここに書かれた文章はまだ下書きだということを理解していただくとともに、応援のほどよろしくお願いします。
- ぽかぽかと太陽が暖かい陽気の五月、林田卓郎は長野県松本市で行われている『クラフトフェア松本』に訪れた。『クラフトフェア松本』とは、松本市の『あがたの森公園』で年に一回行われるクラフトの祭典である。今回も五月の最終土日を利用してフェアは行われた。イギリスで骨董商をやっている林田は若い頃からクラフトや雑貨に興味があり、よくこのようなクラフトフェアに訪れ、好きなクラフトを見て歩くのであった。
- たくさんの出展ブースで連なったイベント会場を、右へ左へ興味のあるものには足を止め、話しを聞いてみたりもした。陶芸、ガラス、木工、また鉄工や紙まで様々なジャンルが出店している中、林田は木でできたユニークなからくりおもちゃに目を止めた。
- 「カラクリバー?」林田は箱の上に人形が横たわった奇妙なからくり玩具に興味を持った。
- そこには同じようなその玩具が五個ほど並んでいた。
- その中にゾンビが手を出しているような人形のものに目をやった。
- 「棒を押したり引いたりしてくださいか?」林田は小さくそう言うとその箱の内部を貫通している一本の棒に手をやった。
- 林田はその棒を引いた。
- 「お!!」
- その人形の手足身体ぱたっと動いた。されに林田が棒を押したり引いたりすると、その人形はパタパタと手足身体を動かしながら動いたのであった。それはまるでゾンビ人形が生きているかのような動きに思えるほどであった。後ろで見ていた女性二人組のうちの一人が
- 「気持ち悪ー」と言った。
- 「これはおもしろいなあ」林田はそう呟いてた。
- 今度はその横にある女性の人形に目をやった。その人形には『キャサリン』と表示がしていた。
- 「キャサリン?!なんだ、わたしの娘と同じ名前ではないか。」林田は自分の娘とその人形が同じ名前だったので、少し変な気持ちで、その人形を手に持った。
- 「なんか顔まで似ている気がする。」
- そう思いながら林田は人形の箱から出ている棒を引っ張った。
- やはりその人形もパタパタと動いた。
- 林田はその向こうからこちらを見ている、その人形の制作者かと思われる男に目をやった。その男は林田に軽く会釈をした。
- 「おもしろいねえ」林田はその男に言った。
- 「ありがとうございます。」男は丁寧にそう言い返した。
- 「これはあなたが作ったのですか?」
- 「はい。そうです。」男は軽く笑みを浮かべながら頷いた。
- 林田はその男のブースのテントから吊るされている出展者の名札に目をやった。
- そこには『ナルカリ』と書かれていた。
- 「奇妙な名前だなあ」林田はそう思うと、そのブースを後にした。
-
- 林田はクラフトフェアを堪能した後東京のホテルに帰らなければいけなかったため、JR松本駅に向かったが、途中、少し寄り道をしたくなって、昔行ったことがある骨董品屋に足を向けてみることにした。
- おぼろげな記憶を辿りながら、変わってしまった風景を眺め、もう潰れてしまったのであろうかなどと考えながらぼんやりと歩いた。
- 「あ!!あった、ここだ!!」
- 彼が青春時代を過ごした松本、その頃何度か立ち寄ったその骨董品屋はまだそこにあった。林田の心の中で少し安堵感を覚えた。林田は開いている入り口を覗き込みながら店内に足を踏み入れた。久しぶりに訪れた店内には、まだあの頃の面影が残っていた。入り口の右側にある階段ダンスはあの頃あったものであろうか。懐かしさもあったが新鮮さと入り乱れた不思議な気持ちになった。あのじいさんは生きているのであろうか?林田は店の奥で本を読んでいる店主であろう男に目をやった。男は林田の視線に気付くとゆっくりと顔を上げた。しかし、その店の奥に座っている店主は思い出の中のおじいさんではなかった。
- 「無理も無い、あれから40年も経ったのだから」
- 林田はあきらめ表情を少し見せたが、ふと我に帰ると、何かおもしろいものはないかと店内を見渡し歩きはじめた。骨董商を経営している林田の顔が少しずつ、獲物を狙う動物のように変化してきた。
- 林田は棚の一番上で埃をかぶっている一体の木のおもちゃに目を止めた。
- 「すみません!!」林田は、店の奥で林田を怪訝そうに眺めていた店主に声をかけた。
- 林田と同年令くらいの白い髭をはやした店主はゆっくりと林田のそばにやってきた。
- 「あの上にある、馬のおもちゃを見せてくれませんか。」
- 「はい、いいですよ、少しお待ち下さい。」店主は店の奥に戻り、スツールを手にして戻ってきた。靴を脱ぎ、スツールの上に立ち、木のおもちゃを棚から下ろした。
- 「さあどうぞ」というと、店主は林田にその馬のおもちゃを手渡して、スツールから下りた。
- 「動かしてもいいですか?」
- 「ええ、どうぞ」どうやらそのおもちゃは『からくり玩具』らしい。箱の上に木馬が乗っており、箱の前部から紐が出ている。どうやらその紐を引っ張ることによって、木馬が動くらしい。
- 林田はおもむろにその紐を引っ張った。
- 「おおー!!」林田は歓喜の声を上げた。
- 木馬は突然立ち上がった。まるで馬が雄叫びを上げて立ち上がった様だった。
- 「おもしろいじゃないか!」林田は少し高ぶった声で言った。
- 「おもしろいでしょう」店主も林田の顔を覗き込みながら、少しうれしそうな笑みを浮かべた。
- 「単純な仕掛けだが、こんな動きをするんだね、いやあ、いいなあこれ。」
- 「かなり昔の作品らしいんですよ、うちの親父が昔、イギリスで手に入れてきたらしいんですよ。」
- どうやら、この男は、あのじいさんの息子さんらしい。
- 「どうも、このおもちゃには何か秘密があるとかって言ってましたよ、親父が、、、」
- 「なんか、おもしろそうですね、その秘密って。ところで、わたしは今、イギリスに住んでいるんですよ。奇遇でしょう。それに私は昔この店によく来ていたのですよ。」
- 林田は少しだけ昔話をはじめた。店主もニコニコしながらその話に耳を傾けた。
- 「そうだったんですか、そしたらこのおもちゃを買っていただけたら親父も喜びますよ。でも値段いくらにしようかな。」
- 店主は値段について少し頭を悩ませたが。
- 「20万でどうでしょう?」林田はおもむろに言った。
- 「20万?!え?そんなにいりませんよ!!」店主は少し驚いて、すかさずそう言い返した。
- 「まあ、いいじゃないですか。」林田は財布から現金を取り出して、店主に差し出した。
- 店主は少しためらい、手を横に振り、いらないというジェスチャーをしたが、林田の熱い眼差しが店主を納得させるには、そう時間をとらせなかった。
- 林田は店を後にし松本駅に向かった。