日差しを背に受ける。
肩に感じる温もりに、思わず振り向く。
そこに誰かがいるようで。
知っている誰かの大きな手が、自分の肩に置かれたようで。
その誰もいない空間に、声を掛けそうになる。
何と言おうとしたのかさえ定かではないのに。
いつもそこに誰かがいたような気がして。
父でもなく、母でもなく、遠い記憶の中の誰か。
祖父でもなく、まして上官でも無いはずなのに、
戦いのさなか、その温かい手に救われたような気がする。
思い起こそうとしても、そこにはなんの手がかりもなくて、
ただ、温もりを感じた肩だけが、その誰かを知っている。
掴もうとするとすり抜けていく、霞のようなあやふやな感触。
その余韻を失うのが怖くて、私は自分の肩を抱き締めた――。
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