ご注意! これは、某サイト様のクロノクロス企画「非日常茶飯事」に投稿予定で書きかけていたものですが、そのサイト様がクロクロ活動を休止されてしまったので、こちらに入れることに致しました。 カーシュ=喫茶店「アカシア」のマスター。 |
| 君が欲しい! |
五代儀 奈津(ペンネームさ(笑))
| 「じゃ、オレそろそろ帰るよ。」 喫茶店「アカシア」のカウンターの一番奥でコーヒーをすすっていたグレンが、小さな明かり取りから、薄暗くなり始めた空を見上げて重い腰を上げた。マスターのカーシュが皿を洗う手を止めて顔を上げる。 「あれ?今日はダリオ、出張なんだろ?夕飯食ってけよ。」 「うん、そうしたいんだけどさ、兄貴、マメだろ?シチュー作っといたから、カーシュ兄ぃに迷惑かけんなって、クギ刺されちゃったんだ。」 イスの背に掛けておいたGジャンを羽織りながら、グレンが苦笑する。カーシュがフンと鼻を鳴らす。 「相変わらず水くせぇヤツだなぁ。幼なじみじゃねぇか。こっちは迷惑だなんて思ってねぇのによぉ。」 グレンが残念そうに頷く。 「うん…でも、明日提出のレポートもあるし、今日は残念だけど帰るよ。」 まだ少年の面影を残すグレンだが、一応近くの大学に通っている学生なのだ。その時、奥の、いつものテーブル席で本を読んでいたイシトが、顔も上げずにボソリと言った。 「カーシュの料理よりも、案外そっちのが美味しいんじゃないのか?」 カーシュの友人で、常連客でもあるイシトならではの鋭いツッコミだった。図星を指されたカーシュはジロリとイシトを睨んだ。幼い頃から優等生で、今も優秀な営業マンとして飛び歩いているダリオには、昔から何をやってもかなわない。両親を早くに亡くしたダリオとグレンの兄弟。そのため、ダリオは料理さえも玄人はだしの腕前なのだ。グレンはその場に不穏な気配を感じて、慌てて店の戸口へ向かった。 「あ、とにかく、オレ、帰るね。」 「あ、じゃ、ボクも出よっと!」 グレンの隣のカウンター席に居たセルジュが勢いよく立ち上がって言った。セルジュはカーシュやグレンの高校の後輩に当たる。彼もまた、この店の雰囲気が気に入って入り浸っている常連の一人でもあった。 「日が暮れるのが早くなったねぇ…。」 セルジュは独り言のように呟いて、グレンに並んで戸口へ向かった。 「ああ、じゃあ、気ぃ付けて帰れよ!」 カーシュが、ちょっとふてくされながらも、また皿洗い作業に戻って大きな声を掛けた。セルジュが店の中へ向かって手を振り、グレンが小さく頷いて見せた。二人が外へ出ると、ドアはゆっくりと閉じる。その閉じていくドアの隙間から、グレンがカウンターの中のカーシュを名残惜しげに振り返ったのを、セルジュは目に留めクスッと笑った。セルジュは先になって歩き出したグレンの肩に手を掛けた。 「ねぇねぇ、グレン!『マジカル・ドリーマーズ』の新譜、ゲットしたって言ってたでしょ?貸して貸して!」 グレンは鬱陶しそうにセルジュの手を払った。どうやら不機嫌らしい。 「ダメダメ!オレだって買ったばかりなんだから、これからゆっくり聴きながらレポート書くの!」 だが、セルジュは引き下がらなかった。 「チェーッ!じゃあさ、ちょっとグレンとこ、寄ってっていい?ボクにも聴かせてよ!」 「…いいけど…遅くなったら、お母さんが心配するんじゃないの?」 さりげなく、グレンが年上らしい気遣いを見せる。いつもダリオやカーシュに子ども扱いされている彼は、セルジュに対してはあくまで年上であろうとしていた。セルジュはそんなグレンの気持ちを読んでいたのだろう、彼は、更に無邪気にねだった。 「幸か不幸か、今日は夜勤なの!だから帰ってもどうせ一人だしさ、ちょっと寂しいんだよね。レポートの邪魔はしないから!ね?お願い!」 寂しい、と言われて、グレンはついに溜息混じりに頷いた。元々セルジュが来るのがいやだったわけではない。カーシュたちと夕食を一緒に食べ、「アカシア」でレポートを書いてしまおうと思っていた自分の思惑が外れ、少々拗ねていただけのことである。 「判ったよ…兄貴のことだ、たっぷり3人前くらい、シチュー作っていったみたいだから、ついでにおまえも食って行けよ。」 「わーい!!ありがと!」 セルジュは、無邪気に後ろからグレンの背中に飛びついた。 「うわっ!…おまえ、犬っころみたいだな…。」 「だって、うれしいんだもん!」 セルジュはあくまで無邪気な笑顔を見せた。 ☆ ☆ 「はぁ〜、お腹いっぱい!ダリオのシチュー、美味しいね!いいなぁ、グレン。いっつもこんな美味しい料理食べてるんだぁ。」
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| 言い訳 ああ、本当にこのセルジュ、なんてヤツなんでしょう!(スッキリさっぱりってなんだよぉ!) でも、何となく、この突き抜けた感じが気に入ってます。あっけらかんとしてて、なんか許せちゃう♪ 次のターゲットはいったい誰!? …さりげなくダリオとタイ張るも知れない…。彼に太刀打ちできるのは、この「無邪気」なセルジュだけではないかと(笑)。 この「非日常茶飯事」の設定の中では、私の本来のセルジュのイメージが壊れても、平気なんです。全くの別物と割り切れますから。 そういうわけで、最後の部分は、今後の伏線。(今後!?) やっぱり基本はカーイシですよね(^^)v …なんか、このシリーズ、続きそうでコワイんですけど…(^^ゞ 2000.10.21 |
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