ご注意! これは、某サイト様のクロノクロス企画「非日常茶飯事」の設定を使わせていただいてます。そのサイト様がクロクロ活動を休止されてしまったので、こちらに入れることに致しました。 カーシュ=喫茶店「アカシア」のマスター。 |
| 共犯者 |
「参ったな…。」 ダリオは、傍らで小さな寝息を立てるセルジュの寝顔をチラリと見て、文字通り苦笑した。まだ幼さを残すその寝顔を見ていると、先程のことは夢だったのかとさえ思う。ダリオの動く気配を察して、セルジュがうっすらと眼を開けた。 「…ん?ダリオさん、寒いよ…。」 セルジュが起き上がっているダリオの腕を引いた。外はまだ、昼間の木枯らしが吹きすさんでいる。ダリオが引かれるまま布団に戻ると、セルジュがその腕に擦り寄った。 「…あったかい…。」 ダリオはまた苦笑した。その仕草が、あまりに可愛らしかったのだ。 「犬か猫みたいだな…。」 「にゃおん♪」 セルジュがふざけて、また顔を擦りつけた。ダリオはくすぐったい気分になる。セルジュは更に身体を擦りよせ、ダリオの胸に顔を載せた。ダリオは思わず、その頭を撫でる。セルジュがちょっと顔を上げてうれしそうに笑ったのが見えて、ダリオはその手をセルジュの背中に回した。 どうしてこんな事になったのだろう?そうだ、グレンが大学に泊まり込むことになったのがいけない。グレンが帰ってきていれば、こんな事にはならなかったはずなのだ。シチューを作ったところまでは良かった。セルジュは手際よく作業し、いつも以上に美味しいシチューが出来た。帰りの遅いグレンを心配していると、実験の手伝いのため、今夜は研究室に泊まり込むという電話が入った。それが間違いの元だ。 「ダリオさんはマスターが好きなんでしょ?」 セルジュは全てお見通しという顔で、ダリオの必死の弁明を受け入れなかった。 「心配しなくていいよ。ボクの本命はイシトさんだから。」 あっけらかんと、そんなことを言って笑う。 「ダリオさんがそうしろって言うなら、ボク、もうマスターにちょっかい出したりしないよ。」 ダリオも、その頃にはもう開き直っていた。 「そうしてもらえれば有り難いね。」 セルジュはニッコリと笑った。 「いいよ。その代わり、ダリオさん、ボクに協力してね。」 「協力?」 怪訝そうなダリオに、セルジュはニコニコと続けた。 「イシトさんてマスターと仲良しだし、ちょっと心配じゃない?ボクがイシトさんゲットするのに協力してくれるってことは、ダリオさんのためにもなると思うけど?」 そこで商談成立。いや、不可侵条約と言うべきか。 シチューを食べて、片付けて、そこで帰らせれば良かったのだ。だが、セルジュは今日は帰っても一人だという。グレンも帰らない。無理に帰らせることもないと思っていたら、この始末だ。 「一人って、イヤだよね…。」 寂しそうな顔でそう言われたら、冷たくするのも躊躇われる。 とはいえ、セルジュのしなやかな身体に寄り添われて、いやなわけでは無かった。ダリオの胸に頬を寄せて、セルジュはじっと目を閉じている。 「大きくて、あったかいね…。」 セルジュの父親は、彼が小さいときに行方不明になったと聞く。彼は父親の面影を求めているのだろうか。ダリオは、この生意気な小悪魔を可愛いと思い始めていた。セルジュはダリオの胸の上に顔を上げ、彼を見つめた。 「ボク…ダリオさんがボクに本気になってくれるんなら、ダリオさんでいいんだけどな…。」 「え…。」 冗談とも本気ともつかぬ顔でそんなことを言われ、さすがにダリオも言葉に詰まった。だが、セルジュはすぐにニコッと笑った。 「あ、嘘。冗談だよ。そんなに困らないでよ。」 セルジュは身体を起こし、ダリオに軽く口づけた。ダリオの首に回した腕に、ギュッと力が込められ、セルジュはダリオの頬に自分の頬を押しつけて小さな声で囁いた。 「…寒い…。」 「セルジュ?」 ダリオはセルジュの表情を窺おうとしたが、セルジュはしがみつくようにダリオにくっついていて離れなかった。ダリオは黙ってセルジュの背を、髪を、肩を撫でた。 「…もう一度、抱いて…。」 セルジュの言葉が、魔法のようにダリオをいざなう。ダリオのくちびるがセルジュの頬に、そしてくちびるに触れる。 可愛い共犯者。 ダリオは、優しくセルジュを抱き締めた。
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| 言い訳 ダリオさん、やはり勝てません。 「泣く子と地頭には勝てない」って言うでしょう? しかし、この二人が共同戦線を張って、それぞれカーシュ、イシトに迫るとすれば…コワイですね。 今回のセルジュは、可愛く可愛く迫ってみました。 にゃおん♪
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