横浜市立南高校第25期の1年4組において座・納豆屋の4人の生活が始まった。
筆者の計算によればそれは1978年4月である。

「部活動」
当時、南高は全員部活動が必須であった。これは今考えてもとてもすばらしいことだと思うが、当時サラミは「運動部をやってたら大学に行けない」などという狭い了見を持っていたので、「しぶしぶ」フォークソング部に入部した。でも本当は硬式庭球部に入りたかったけど南高になかっただけである。
部活動の選択に当っては全校を挙げて勧誘活動が行われ、「うちの部はかわいい子が多いよ〜」とか「毎日楽しいよ〜」「先輩はみんなやさしいよ〜」などというアマ〜い言葉が飛び交っていた。『どの部活にしようかな〜』とあれこれ考えるのは楽しいものである。

しかし、マミイは中学時代にまじめな柔道部員だったことが内申書でバレバレだったようで入学前のオリエンテーションの日(たしか3月14日頃だった)にサラミと校門をくぐると、南高マークの池の前で突然先輩らしき2人組に「S田M雄だな?」と声をかけられるやいなや両脇を抱えられて柔道部(南武館)に連行されてしまった。そう、マミイに部活動選択の余地はなかったのである。(本人もあきらめていたが)

リダーは大鳥中時代はテニス部で活躍し、相当強かった。にもかかわらずテニス部に入らず、フォーク部を選んだのはやはりサラミと同じく運動部に入ったら受験勉強が出来ないだろうという読みがあったからだ。とサラミは聞いた覚えがある。「ちょっとスカしたやつだな」というのがサラミのリダーに対する第一印象だった。実はリダーは中学時代から横浜でも名の知れたアマチュア無線家だったのだ。BCLマニアだったサラミからすると大変高貴なお方なのだった。当時、アマチュア無線はとてもお金のかかる趣味であり、自宅の庭にポールを立ててモーターでデカイ八木アンテナをぶん回して世界と交信していたリダーは、まさにあこがれの「上級ハム」そのものであった。「スカした奴」から「高貴なお方」に見方がガラっと様変わりしてしまうのは青春時代の常である。

やまちゃんはブラスバンド(吹奏楽部)に入ってトランペットを担当した。当時南高はスポーツ全般に盛んで、甲子園の予選をはじめブラバンにかかる期待(負担?)も大きかった。サラミは野球の応援によく出かけたが、たいがいは試合を見ているかチアガールを見ているかだったので、山ちゃんの勇姿を覚えていない。でも、「フォーク部よりずっとカッコイイな」と憧れていたことは事実だ。
確かに、音楽関連部活動のなかではブラバンはずば抜けて人気も実力もあり、女にもモテた(はずだ)。

なぜサラミはロックを目一杯できそうな「ハワイアン部」に入らず「フォーク部」を選んだのか?それは仲間がいなかったからだ。フォーク部には同じ1年4組から3人ぐらい入ったのを見て「どうせならクラスの仲間が多い方がイイナ」という発想で決めたのである。このあたりにも、高校生活を充実させるには友達関係を充実させたいという気持ちが強く働いていた。かえってそれが良くない面となって人間関係を歪めてしまうことを、当時のサラミは気づかなかった。20歳の頃にマミイに教えられるまでは。

「ぶっとばされた」
高校1年の4月頃、県内一斉テストが行われた。たしかマミイは学年で14番、サラミが21番ぐらいだったと思う。マミイの結果にぶっ飛ばされたのはリダーであった。「まさか...こっっっこいつが14番なんて...」という思いがモロに伝わってきたのをサラミは覚えている。それぐらい皆とバカやっていたわけやね。マミイは。
サラミはマミイの成績も性格もよく知ってたので、まさに「ぶっとばされた」、という表現がぴったりだったリダーや他の仲間の驚き様を見ておかしくて仕方がなかった。

「ロックって?」
フォークソング部には全然顔を出さず、放課後チョット教室でZeppelinなんかを弾いているサラミを見て、ある日リダーが「ねえサラミ、ロックって聞いたことないんだけどさ。『これがロックだ。』っていうレコード持ってたら貸してくんない?」と声をかけた。「オッケーオッケー。じゃ、明日持ってくるよ。」といって持ってきたのがLed Zeppelin4だった。その理由はこのアルバムの中にRock n' Rollという曲があったからだ。あまりにも単純、というか考えなしであったがリダーはこれを聴いて、「よかったよ。ロックっていいなぁ」という感想を持ってくれた。
音楽的にサラミがリダーと関わりを持つようになったのは、このあたりが最初だった様に思う。
しかし、自分の身内に日本を代表するRockerがいるくせに、友達にロックの代表作を教わるリダーもリダーだが、それに対してZeppelin4を貸す方も貸す方だったかもしれない。今思うととても興味深いエピソードである。

左は高校1年の夏休みに4組の友達8人で奥多摩キャンプに行った時のカレー製作風景。
マミイは柔道の練習で耳が潰れたため洗濯バサミではさんでいた。