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 あちらが立てばこちらが駄目、そんなことがとても多いのが建築です。玄関や門構えなどのように、『いらっしゃいませ!』といいつつも、『やたらと入って来られても困るのよね』という具合に、“歓迎”と“拒否”を同時に満たさなくてはならない場合がありますネ。


(飯盒:ご飯鍋+携帯+腰フィット+手提げバー)

ひとつのことで長所と短所がぶつかることを『相反関係』というそうですが、バリアフリーに関しても、いろいろな問題点にぶつかってしまいます。

ドアの下にある“靴摺り”(下枠)を取り外して躓かないようにしますと、音や風の通過を許す事になります。昔は多少の隙間風や隣室の音は当たり前でしたが、この頃はちょっと問題になりやすいので、ドアが締まった時、建具の下からエアタイト金具が出てきて隙間を塞ぐような製品が発売されています。

 シャッターの下や玄関ドアーなど外部に面するところでは、さらに、雨や虫の侵入を阻止しなければなりません。それで、雨が吹き込んできた時の為に“溝(みぞ)”を設ける事になります。そうそう、その溝の蓋の格子間隔が大きくては、車椅子の輪が嵌って動けなくなった事例もありますので、細か〜い溝蓋にします。さすればハイヒールの踵も大丈夫となります。

 バリアフリーになって良くなった反面、やはり費用が膨らんでくるというつらさが被さってきます。取り付けたエアタイト金具が長く丈夫で故障が無ければ良いのですが、やはり動くものは故障が起きやすいので修繕の個所が増えるというオマケもついてしまいます。
(でもでも、転んで骨折して入院するより良いと思うことですね、入院費も掛かりますし、人生短くなるかも知れないですから。)

 
(便利ナイフ:カッター+栓抜+コルク抜+ヤスリ缶切)

 手摺ももいっぱい付けたけれど位置などが悪い為、余り役立たなかったという事例が多いので、よく研究して下さいと言われていますが、そもそも手摺って、“汎用的な取り付け方”と“身体症状による特別な取り付け方があるんだ”という事が、社会常識になっていれば、使い手と取り付け手とのギャップが無くなる理屈になります。

 「戸は静かに閉めるもの」という感覚で、滑り過ぎるかもしれないが、力無しでも楽に締める為に多くの場合、戸車をつけてきたのですが、ドン!ピシャー、音がする、跳ね返る、(為にいつも柱より離れたところの溝が凹んでしまう)そんな問題が多いのか、最近では、引き戸の“ブレーキ”金具も発売されています。食器戸棚の引き戸もそのような機構になっています。
(これも使う側と造る側との『相反関係』でしょうか?)


(囲炉裏の鍋:暖房+調理+団欒+飾り)

 とにもかくにも、問題があれば、よりよく改善の努力をして行かなければなりません。金具や建築部品が“泣き所”をカバーしてくれれば、試作なんて無しの現場一品生産での建築にとっては、本当にありがたい事です。建築パーツが無くとも工夫で上手くやれればすばらしいのですが、努力と念力では簡単に事は進みませんので、建築部品や設備機器を上手く使いたいです。

 台所用品や家事用品のアイディアグッズと同様に、『相反関係』を癒す“建築金物など”が豊富に出て、いろいろな話題になると良いですね。

 言うは安く、生み出すのはなかなか難しいですが、チョットだけでもやり続ければ、少しは進歩するかもしれません。建築や道具の“泣き所”に関わり、それを進歩させるのが“ユニバーサルデザイン(UD)”だ!、という事でしょうか?。


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