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設計事務所へ委託する
   メリット   

(この頁は“我田引水”かもしれませんが、一応、眼を通してくださると大変嬉しいです。ご多用の方は、太字だけでもよろしいです。)

『専業の設計事務所へ依頼しても、建築主のメリットってあるのかしら?』ということについて触れてみたいと思います。

 専業事務所へ設計の依頼を考える時、“余分な費用が掛かる”と思い勝ちだったり、あるいは、“勝手なデザインに引っ張られるのでは?”と思われる事が有るかもしれません。

 “住まい”って、ず〜と昔からあるわけですが、300年も続いた江戸時代には幕府の都合で、好き勝手な家づくり、門構えは許されていなく、各藩・地方毎、身分毎ににほぼ同じようなデザイン・間取りだったようです。そんな話を、社会化の授業で教わった記憶がありますね。

 で、(今も続いている?)決まりきったやり方の住いであれば、設計なんか要らないということにはなりますが、その場合でも、工事監理の事や工事費の検討などはどうしたら良いですか?の際、査定したり確認してくれる、状況を知っている者が別に居ると安心ですこれは、真摯な施工者にとっても、自分の仕事をしっかり評価してくれるのですから都合が良いのではないでしょうか?

 どなたも最初は、住宅展示場へ出向いたり、マンション購入を考える、土地購入をして一戸建てを思うなどして、第1歩が始まるのですが、建設供給側に多少詳しく話を聞いているうち、こちらへこちらへ…とお誘いを受けて、(営業マンにも気に入ったし)すぐ決めてしまったなどという場合もかなり多いのではないかと思います。

 “どんな敷地の使い方が良いか”とか“どのようなやり方の家造りが最善か”などを考える際、先ず、専業の設計事務所に相談される事が、『もっとも適した出発点』になるのではないかと、“手前味噌”に思います。(^o^)

 設計事務所に声を掛けたら、即、業務委託ではありませんから、相談を掛けたり、設計者との交信が有益になるかと思います。( 業務を委託する相談には、費用は掛かりません。もちろんです。)

建築の費用について  


設計料・監理料

 専業の設計事務所に依頼する場合、もちろん、“設計料と工事監理料”が掛かるのですが、設計施工でも、設計(図)が必要なので設計料が掛かります。見積書に載って無いから掛かっていないのではなく、記載していないだけで、諸経費や各専門工事に含まれていると考えたほうが自然です。

 白紙の状態から、多くの打合せを伴ないながら、行きつ戻りつあれこれ思考しながら、いろいろな制約の狭間で計画を纏め上げる、“設計・計画”にはそれなりの時間と費用が掛かるのは当然です。


 工事監理料は、一般的に、設計施工の場合には掛かりません。検査課や監理課のような人が、しばしば現場に立ち会って検査や確認等を行えば、当然、同じように工事監理料が掛かります。

 ホームビルダー等の設計施工の場合には、基本設計が纏まった早い段階で、設計施工の契約をし契約金を支払うようになっている会社も多いようです。それなりの期間が掛かりますから、設計施工の場合には、<設計契約>と<工事契約>を分離なさるほうが、建築主にとって有利かもしれません。工事会社も経費倒れやトラブルっぽくにもなりませんから良策とも思えます。

【工事費】

 工事費の公定価格があるわけではありません。「会社で決定している単価です」と言う事が多いかもしれませんが、清算の時、追加や変更の価格について、“査定をする部門がほしい”と思う場合があるかも知れません。契約前に、清算する時のやり方を決めておく必要があります
契約の双方にとって、ルール決めをしておく事が慣用です。

 
設計と施工を分離して建築する場合には、詳細打ち合わせの後、実施設計が全て完結してから、見積りを“複数の工務店に依頼”し、内容の過不足のチェックや、諸所の費用を再検討してから、設計者が立会いの場で工事契約をする事が出来ます。

 
何処の工務店も、同じような工事価格の場合も有りますが、1割以上の差額が出る場合も多いです。メーカーからの仕入れの価格差や、専門施工者(下請け)の工事費、請負工務店の仕入れの仕方などから、施工会社によって価格が異なるのです。

 
建築場所でこと細かく指図する現場監督員の給与や、住宅展示場の人件費・モデルハウス・運営費・CM、営業マンのサラリーは、誰が支払っているかを考える人も余りいません。在来工法・注文建築での見積書にも、それらの費用の項目である“諸経費”が8%や10%にはなっていて、“出精値引き”が11%っていう場合もあります。

 “諸経費”の実態を見積書に反映させていない事にも、それなりの理由・事由があるように思います。“諸経費”は、当然、目標利益を考慮してはいますが、現場監督の給与や工事(労災)保険・リース費用・設計費・通信費・警備費・施工会社の運営費など多くの、専門工事費以外の費用が計上されるべく項目です。計算された額は20数%余にもなってしまい、正直に記入しますと、これらの費用の大半が≪儲け≫と見なされてしまう恐れがあようです。

 上記の事では、別の観方もありますので、(私の推測ですが、)付け加えておきます。木造がほとんどの昔の時代には、職種も少なく、部落の人々が手伝って皆の村の家をお互いに手伝って建てていましたから、経費もさして掛からなかったかと思います。慣習的なやり方が多い建築では、費用の構成も受け継がれてきてしまっていてこのようになっているとも思えます。



 
責任問題について   

 設計と施工を一つの建築会社へ発注すれば、不具合の場合などは請負会社に全ての責任がありますが、設計と施工を分離すると、“責任の所在の問題”があるという危惧を持たれる場合があるかもしれません。

 分離であれ一体であれ、設計の責任は設計者、施工の責任は施工者、これが原則ですが、要は責任の問題云々に至らないようにする方法が最善ですから、専業事務所は、“設計と工事監理”にもっぱら専念し、施工側は“各専門工事の施工に対しての管理”を充分に行う事によって、不具合の無い建築を竣功させるのが、“設計と施工の分離”のねらいなのです。

 で、施工側が、“有る部分が不具合の設計”だと思う場合には、その旨を指摘することが出来る、あるいは改善の要請が必要になる、又、宜しくない施工であれば、現場監督が良いと言っても、契約内容や設計図書から、監理側が是正を要求する、そうすることによって、より良い建築と街造りをさせようとしているのが、建築基準法や建築士法の規定であり、法の主旨になっています。

 設計側と施工側が相互に誠実に職務へ邁進するならば、不具合のずっと少ない建築が出来る事になります。

 建築は、多くの分野、複雑な世界に関わりますし、設計側が超能力?を注いでも、落とし穴に落ちる可能性は有ります。万一の有事の際に備えて、“建築賠償責任保険”(掛金は少額で済む)に加入して、ご迷惑を掛けないよう配慮をしています。(加入している設計事務所も相当数になっていると思います。)

建築主の為のデザイン   

 何処の建築主も、多くの希望や不明点への心配をお持ちの上で、建築に出発するわけです。こんな住まい造りを狙っているのだが、ちゃんと、実現できるだろうかという心配も多いはずです。

 設計事務所に依頼すると勝手なデザインや設計側が独走した建築にされるのではという心配が有るかもしれません。強烈な個性をもった建築家などは、自分の様式にそぐわない注文には応じない、という事も考えられますが、一般的には、建築主の考え方や住まい方を、尊重する設計家が多いはずです。

 計画やデザインというかなり繊細な情報のコミュニケーションでは、ダイレクトに、建築主と設計者が話し合いを行って、それこそ協働することで、快適な空間を計画したいものです。

 
どんな家が良いか、希望が固まっていない段階で設計者を選定しなければならない場合も多いと思います。話を聞いたり自分の希望を伝えようとしていく段階で、次第に要望が纏まって行く場合が多いのも事実です。設計事務所に相談を掛けて、“住まい造り”の様々な情報を得ておいたり、その設計者の考え方等を聞いて、委託するに相応しいかを判断します。

 どんな建築に射程を合わせているかとか、今までどのような建築をしてきたかなどを、率直に聞いたり、パンフレットやカタログ、実施例(写真等)などを見せてもらって検討されるのが良い方法です。

  設計やデザイン技術が高度でも、設計料が手頃でも、希望の建築・住まいができなければ意味がありません。施工も同じです。

 設計側は、建築を使う方に喜んでいただけるような計画を、予算内で出来る様に提案を致します。提案の検討や打合せのこの“基本設計の時間・プロセス”が、最も重要なステージです。

 設計者は、工事費や予算の使い方に関してルーズではないかという意見が雑誌に出ていたりしますが、そのように観測されるケースも稀にはありましょうが、一般的に、そんな潤沢な予算設定のプロジェクトはほとんどありません。提示された予算に合うように考えながらも、出きるだけ立派な建築にしたいと考えるケースのほうがずっと多いと思います。

 専業の設計者は、工事のビジネスには直接関係致しませんから、利幅がなくてやりにくい事でも建築にプラスであれば採用しようと試みます。その試みへの幾つかのリスクにご理解戴けるならば、かなりなローコスト建築だって、喜んで挑戦します!。


設計図だけでは、分かりにくいです!

 設計図は、計画の意図を紙に表現して、施工者や行政側に伝達する為の手段の為、建築主に分かってもらうにはバリアーが高いかも知れません。

 建築主へのコミュニケーション手段としては、設計図のみではあまり上手くありません。

 江戸や室町時代の大昔の茶室には、“起こし絵図”がありました。部屋の平面図の廻りに、なかの壁の絵を貼り付けてそれらを起こして見下ろせば、様子がわかるものです。今でもこれは利用できますから、設計図のなかの展開図(室内の壁を書いた図)をコピーしてハサミで切り刻んでやればどなたでも出来ます。

 外観も部屋内部の様子もCG画・透視図・パースで確かめれば、かなりハッキリするのではないかと思います。いろんな角度から眺められたり、色や柄を変えたり、夜と昼の様子がやれたりする点では、模型より優れていると言えます。

 模型を作成してもらう事も出来ます。外壁や屋根の図面をスチレンボード(スーパーの食品トレーみたいな材料)に貼って、それぞれを組み立てれば、概略の姿が眼の前に現れます。市役所のロビーに展示されているようなリアルな“精密模型”ですと、費用も時間も相当掛かりますが、概略模型であっても、突貫っぽいスケジュールでは、時間的に提供側の負荷は少なくありません。

 基本計画・間取りや外観が纏まりましたら、“起こし絵図・鳥瞰パース”や“模型”を用意してもらえば、平面図(間取り図)や立面図(外観平面図)と照らし合わせる事で、充分に理解できるのではないかと思います。


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