印璽紋様

知恵者


 多分、劣等感から生じた傾向だろう。私が目標としたいと考えるような人物像はマーリンとかスポックだ。マーリンはイギリスを統一するアーサーを扶け、スポックは有名な「5年間の探査飛行」の間カークを補佐した。2人とも偉大な知恵者である。そしてどちらも架空の人物だ。
 偶々、2人とも普通の意味での「人間」ではない。マーリンは悪鬼がウェールズの修道女を騙して産まれたといわれているし、スポックの父親も異星人である。つまりこの2人に共通する知恵者としての能力は、普通の人間が到達し得ないものと設定されているのである。いくら希求してもそれは手に入れられない力(ちから)なのだろう。
 偉大な2人の知恵者はしかし物語の主人公ではない。強い意思を持つ指導者に与えられた優秀な補佐官が彼らの地位である。未読なのだが諸葛孔明も補佐官である。非の打ち所のない知恵者が主人公では物語が成り立たないのかも知れない。主人公となり、歴史を動かすほどの地位に登った知恵者は妬まれる。人が、知恵者を尊重できないのは悲しいことだ。多分、人は理解できないものを恐れるからだろう。

 

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Written by やまぐちまさ和
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