印璽紋様

街路樹


 ナポレオンは軍隊の移動時の消耗を小さくするため、主要な街道沿いに街路樹を植えることを命じた。これに対して部下が「木陰を作るほどの木になるには何十年もかかる」と指摘すると、「だから今すぐ始めなければならない」と応えた。
 上は西暦で1800年頃の逸話である。当時、陸路で移動するには徒歩が主体であったので、木陰を作るための街路樹は国家的に重要であった。
 現代ではどうか?
 徒歩の時代の速度は最大6〜7km/h程度である。一部には馬を使った強行軍もあったにしてもそれは少数派であり、これも馬の体力の問題から、30km/hを超えるような走らせかたは滅多に行われない。しかし自動車の時代、最低速度は20km/hである。技量と自動車の性能が許せばカーブや交差点でもっと速い速度で移動する時代に、街路樹は邪魔なのだ。歩行者や対向車を隠してしまう。これからの時代がどう変わってゆくかはわからないが、少なくとも21世紀初頭の時点で、街路樹は不要である。

 

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Written by やまぐちまさ和
Last update at 2006