更新日 '11.02.19
ニールの俳句(3)
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'10年10月NEW! 俳誌白魚火へリンク
「第4回奥山方広寺観月の夕べ」で有馬朗人の特選 
'10年9月
'10年8月
'10年7月
'10年6月
'10年5月 
'10年4月 
(社)俳人協会 会員となる
'10年3月 
「朝日俳壇」金子兜太選 入選
'10年2月 
'10年1月 
'09年12月
'09年11月 
'09年10月
'09年9月
「円坐」第19集の俳句とエッセイ 
'09年8月
'09年7月
'09年6月
'09年5月
白魚火誌俳句コンテスト応募作品
'09年4月
'09年3月
'09年2月
'09年1月
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'10年10月

<ヤマハ吟行句>
 ヤマハ俳句クラブの10月吟行会は31日、磐田市豊田地区。樹齢800年の熊野(ゆや)の長藤の秋の風情と能舞台を見学し、続いて「池田の渡し」跡を散策した。天竜川は折からのかなりの増水であり、人力による渡し(輦台か肩車)での、渡し人夫の過酷な労働が偲ばれ、また、秋燕多数が水面すれすれに飛ぶ中、男女参加者ともに水切り(平たい小石を水平に投げ水面を何回ジャンプするかを競う遊び)に興じ、S酒宰の回数が頭抜けていた。

紅葉せし南京黄櫨のロータリー
秋深き熊野(ゆや)の在所の能舞台
柳散る木道辿り渡し場へ
天竜の中洲彩る草紅葉
おなもみを意中の人の背に投ず
雨上り狗尾(えのころ)草の堤行く
出水の大河の(おも)を秋燕
秋霖(しゅうりん)()れて間近き都心ビル


熊野の長藤と行興寺

熊野記念公園の能舞台

池田の渡し場跡

句会風景

<雑詠>       (白魚火)12月号掲載句
(白魚火集)

とんばうは往来自在海の関

震災忌朝はいつもの目玉焼

パソコンに朝から向ふ獺祭(だっさい)

野良帰り道辺(みちべ)(すだ)(くつわ)


(白光集)

石階のしりへは大河野紺(のこん)

職人の顎鬚豊か松手入れ

秋霖や野面(のづら)積みなる出世城

汽水湖の波高くして獺祭忌


'10年10月
「第4回奥山方広寺観月の夕べ」で有馬朗人の特選を頂いた。
 10月23日に臨済宗 方広寺派の本山、奥山方広寺で催された上記句会で、主選者有馬朗人(天為主宰)の特選を頂いた。

  「茶箪笥に月影届く良夜かな」


'10年9月
<ヤマハ吟行句>
 今月は9月25日、遠鉄バスの乗合観光バス"バンビツアー"を利用して、当クラブでは稀な遠征を試み、木曽と南信を訪れた。先ずは女城主で有名な岐阜県恵那市の岩村の町を散策、名物であるカステラと地酒を買い求める。昼食は中津川市でボリュームたっぷりの鍋物を食べ、お持ち帰りに松茸二本を貰う。そして、主目的地である妻籠宿へ。置き石の屋根や格子戸の町屋の並ぶ宿場通りを歩く。彼岸花が花瓶に飾ってある土産物屋や、外敵を攻撃・撃退するためのクランク状に曲った道"枡形"などが興味深い。更にR256で清内路峠を超えて、伊那谷の「ヘブンスそのはら」に着き、ロープウエーで初秋の南アルプスを遠望した。帰りは中央高速、東海環状、東名高速を経て8時前に浜松に戻った。

木曽川と()かず離れず秋の行
丸太椅子に座して見上ぐる木曽の秋
ロープウエー降りて花野の人となる
恵那山は藤村(とうそん)の山秋澄めり
家苞(いえづと)は松茸二本木曽の旅
曼珠沙華を活けある茶店妻籠宿


木曽の入口に聳える恵那山

岩村のカステラ屋


妻籠宿散策

ヘブンスそのはらのロープウエーより南アルプスを遠望


<雑詠>       (白魚火)11月号掲載句
(白魚火集)

黒髪を南風(みなみ)に預け通ひ船

清流やにいにいみんみんつくつくし

サングラス越しの青空峰の雲

的場への小径辿れば(つゆ)(むぐら)


(白光集)

神鏡(しんきょう)に映る境内つくつくし

鳩の音の遠く聞ゆる新学期

みんみんの声こだまする谷で釣る

震災忌妻と並んで皿洗ふ


'10年8月

<ヤマハ吟行句>
 ヤマハ俳句クラブの8月例会は浜松市天竜区の下阿多古地域を吟行した。ここは私の育ったところに近い。先ず清流で名高い阿多古川とその支流の沢の「男滝」と「女滝」を廻る。そして小堀谷の小さな鍾乳洞を潜り、浜北森林公園内のレストラン「まつぼっくり」で昼食を取り、同じ敷地内の「県立森林公園"森の家"」の会議室で句会を持った。

森深く村一番の滝ありて
杣山を女滝男滝と廻りけり
川岸の葦の茂りを嘆きけり
蝙蝠の影に怯えて洞廻り
巌窟を抜けて残暑の森に出づ
故郷の山くつきりと秋に入る


阿多古川

小堀谷鍾乳洞

レストラン「まつぼっくり」の昼食。

「森の家」で句会。

<雑詠>       (白魚火)10月号掲載句
(白魚火集)

例祭や土用の海に垢離(こり)を取る

星逢ふ夜赤葡萄酒を一人酌む

黒百合や主峰を仰ぐ原に出づ

月見草開くを潮に別れけり



(白光集)

河童忌や素足を浸す梓川

宵祭「乙女の舞」の緋の袴

海神(わたつみ)を祀る郷社の荒神輿

蛇行して灘へと注ぐ夏の河


'10年7月
<ヤマハ吟行句>
 今月の18日、北区細江町細江神社の祇園祭を吟行。立派なお神輿を拝み、引佐細江湾を望む海辺の広場で、昼花火の響き渡る中、竹笹に飾った鬼灯提灯を使っての神事"渡御(とぎょ)祭にも遭遇した。残念ながら、船で渡る渡御のメインイベントは見逃したが… また、広域農道”オレンジロード”をドライブし浜名湖を眼下に見つつ、姫街道の峠を暫し散策した。

姫街道縺れて進む夏の蝶
通り抜け自在の駅舎青田風
愛想よき露天の亭主夏祭
海神(わたつみ)を祀る社の小さき絵馬
諸神(もろがみ)(やしろ)居並ぶ木下(こした)(やみ)
浜名湖を囲む山並夏の雲
老鶯(ろうおう)海苔(のり)(ひび)望む九十九(つづら)(おり)


細江神社の幟

細江神社の荒神輿

オレンジロードより浜名湖を望む。

湖縁での渡御の神事を終えて神社に戻る。


<雑詠>       (白魚火)9月号掲載句
(白魚火集)

植田澄む新影流の始祖の郷

鮎の瀬へ小径の草を刈りにけり

夏草や信楽焼の登り窯

尻尾なき蜥蜴の居着く長屋門

遠雷や泉の端に鎌を研ぐ


(白光集 副巻頭)

子規庵は根岸糸瓜の花咲けり

鰻取る子等あかときの田圃道

夕映えの段々畑ほととぎす

氏神の夏越の祓禰宜若し


'10年6月

<ヤマハ吟行句>
 ヤマハ俳句クラブの6月例会は天竜川河口の右岸周辺吟行であったが、私は所用で出られず、その時の写真(ヤマハ俳句クラブ吟行写真サイト)を見て詠んだ。

下草の芒は青し砂防林
新松子(しんちぢり)潮騒に沿ふ遊歩道
睡蓮に埋め尽されて浜の池
松が枝を潜りて夏の浜に出づ
幾千のテトラポッドや卯波寄す
アカシアの茂りの中を吟行す
(うび)(たい)の馬のまなざし夏燕

< 「伊賀上野・白魚火主宰を囲む吟行会」に参加>
5月31日~6月1日に伊賀上野で開かれた標記の吟行会に参加した。浜松勢は仁尾主宰を始め8名である。初日早朝、ワンボックスのレンタカーで浜松を発ち、先ず奈良県柳生の里を訪れる。新陰流発祥の地だ。そして、伊賀上野に入り、柳生流の剣客荒木又衛門の仇討で名高い「鍵屋の辻」の「数馬茶屋」で昼食として力蕎麦を食べた。更に、芭蕉ゆかりの蓑虫庵、芭蕉生家を見学。そして寺町通を車で流して会場のホテルに入る。句会には全国から30余名が参集。私の句は代表選者の選にからは洩れた。その後の懇親会では旧知の各地の句友たちとしゃべり、かつ飲んだ。

翌朝二日目は、他地域の人たちとの別れを惜しみつつ、信楽に向けて出発。登り窯跡などを見学、そして「瀬田の唐橋」経由で石山寺へ。折から開催されていた紫式部展で式部の書と伝えられる本を眺めた。そして本日が忌日として小さなイベントが催されている信長の安土城跡へと廻り、健脚の有志5名で天守閣跡までハイキング。立派な石垣が左右に並ぶ広い天守への道を辿る。頂上の天守跡では麦の秋の近江平野を眼下に、そして遠くには琵琶湖を望むことが出来た。

名神・東名高速を通って、夕刻浜松に着いた。
 (出発)
朝凪の遠つ淡海を後にして
伊勢湾のコンビナートや青葉潮
 (柳生の里)
凛として柳生の里の青き稲
 (伊賀上野)
緑陰や鍵屋の辻で力蕎麦
再会は沙羅散り初むる芭蕉堂
(信楽)
信楽の窯元巡り立葵
 (石山寺)
若楓奇岩に座する多宝塔
経蔵は校倉造夏燕
 (安土城跡)
山頂の信長廟や苔の花


柳生の里 家老屋敷の石垣

鍵屋の辻の「数馬茶屋」

蓑虫庵

句会


石山寺

安土城跡の石段

<雑詠>       (白魚火)8月号掲載句
逃げ水やバックミラーに剣岳

故郷を一望にせる製茶場

弁当は麦飯なりし少年期

(さら)へ小雨を突いて決行す

出世城に向けて草矢を放ちけり


'10年5月
<ヤマハ吟行句>
 今月は28日、浜松城公園を吟行した。会社OBの人たちの浜松城でのボランティア活動を垣間見て、池に遊ぶカルガモの親子に目を細め、市営の茶室"松韻亭"で水琴窟の音に耳を澄ます。ランチ兼句会は「あさくま鹿谷ガーデン」にて。

葉桜の(あい)より仰ぐ出世城
万緑の中に燦然出世城
夏雲や三方ヶ原を望む城
家康の潰走せし野立葵
ご城下の欅並木や風薫る
殿(しんがり)は母鳥池の軽鳧(かる)一家
若葉影(すい)琴窟(きんくつ)を訪ね来て


浜松城(出世城)

カルガモの親子

遠くに浜松城。

「あさくま鹿谷ガーデン」でランチと句会。


<雑詠>       (白魚火)7月号掲載句
(白魚火集)

蒲公英(たんぽぽ)(わた)を放ちて風を読む

(すみれ)(ぐさ)肩に食ひ込む背負子(しょいこ)

行く春の近江の海を周航す

古里の朴葉で包む柏餅



(白光集 副巻頭)

紫雲(げん)()()に花摘む娘飛鳥川

雲雀(ひばり)より高く揚げたり五帖凧

老桜幾多の画架に囲まれて

筍を糠で茹でをり(にわ)(かまど)

はたた神(むら)を一喝して()ぬる


'10年4月

<ヤマハ吟行句>
 ヤマハ俳句クラブの4月例会は5月にずれ込み5月2日に行われた。JR東海道線で島田駅まで行き木の橋では世界最長と言われる大井川に掛かる蓬莱橋を訪れた。川風のかなり強い日で、橋を渡る時には夏帽子を飛ばされないようにしっかり抑えて橋を渡る。上には雲雀が2、3羽空高く囀っている。そして、対岸(右岸)に渡り、牧野原台地まで上る。明治維新に江戸の幕臣が入植して苦労をして開拓した茶園が広がっている。先の三月の寒波で霜の害に遭い新芽は赤茶け、無残な姿だった。
昼は橋守のおばさんに教えてもらった居酒屋チェーン店でビールを飲みながら楽しく、美味しく昼食を頂いた。句会は一駅戻った金谷駅の近くの公民館を借りて行われた。

葉桜や蓬莱橋を人の列
夏浅し島田の路地を幾曲り
木橋より覗く川瀬や鮎の影
川風の強き木橋を日傘かな
大川の橋の番小屋風薫る
旗本の入植地とふ大茶園


蓬莱橋の袂の橋守小屋

ギネスブックに載る大井川を跨ぐ
世界最長の木橋"蓬莱橋"

牧の原台地を見下す公園。

霜の害で赤茶けた牧の原の茶園。

本陣に展示されている立派な雛御殿

同左

<雑詠>       (白魚火)6月号掲載句
一双(いっそう)の遠州灘の白子船

清貧に生くるにあらず目刺焼く

菜の花や椰子の実を売る道の駅

(こし)(なた)を帯びて(もとお)る春の山

花吹雪突いて駅行き路線バス

蝶二つ小川に沿うてもつれつつ

東風(ごち)夜つぴて窓を叩きけり

若鮎をじつと目で追ふ郵便夫


'10年3月
社団法人 俳人協会員に推薦され入会
「白魚火」の仁尾正文主宰の推薦を得て、俳人協会の会員入会手続きを行い、会員となった


'10年3月
<ヤマハ吟行句>
 今月は28日、浜名湖に程近い浜松市西区和地町を訪れた。五分咲きの桜を見、紫雲英田(げんげだ)を抜けて蜷(にな)の住む水溜りを覗き、週末農業に勤しむご夫婦の農談義を聞いたあと、デンマーク風の建物が数棟建つ、メルヘンチックな施設、ぬくもりの森を訪れた。この施設は、クラシックカーの展示や手芸木工品の売店、洋風レストランなどを擁する、当地の中年の女性に人気のスポットだとか。吟行句会はその中庭のカフェで行われた。

朝凪の(とお)(おう)()(あし)(つの)
畦道に影して覗く(にな)の道
春の野良俄か農夫の農談義
花冷えや煉瓦作りのレストラン
五分咲きの花の中行く路線バス
浜名湖の小さき入江や初燕


参加者

げんげ田

枝垂桜

"ぬくもりの森"


<雑詠>       (白魚火)5月号掲載句
海苔(ひび)や弁天島の()の鳥居

湖の岬の小径犬ふぐり

(あら)東風(ごち)背負子(しょいこ)で負へる(なら)(ほだ)

剪定や十戸に足りぬ(あざ)住まひ

禅寺の屋根は唐様(からよう)枝垂梅

盆梅や書棚には未だ工学書

禁裏(きんり)様少し脇見をしてござる

ドライブや花菜の道を岬まで   

朝日新聞「朝日俳壇」平成22年3月1日版に私の俳句が掲載された
上記新聞の金子兜太選に下記の句が採られた。
日本の高度成長期をバイクのエンジン設計者として奮闘して来たが、定年後の今は、その分野での仕事を失い、趣味の畑作業に打ち込んではいるものの、エンジン設計の仕事がしたいとの思いは断ちがたい。
作者の弟の論評
春耕や未だ手放せぬ工学書


'10年2月

<ヤマハ吟行句>
 2月20日、ヤマハ俳句クラブの例会はJR東海道線で三河の二川宿を訪れ吟行。二川本陣は立派な資料館を隣に持つ、保存の良い建物で、折から数十セットの雛御殿や地元の婦人会の手になる創作吊し雛が数部屋に展示され、庭園の梅の花々と相俟って華やいだ雰囲気であった。それ故、私の句の殆どは雛に関するものとなった。
旧東海道沿のどの商家の玄関にも「二川宿」の紺の暖簾を掲げ、町興しに力を入れていることが印象付けられた。

雛壇や祖父に空似の右大臣
創作は婦人会員吊し雛
中庭の光眩しき雛御殿
冠を外して御座す女夫雛
雛の間や蛍光灯の手引紐
本陣の枯山水や梅日和


本陣の紅梅が盛り

本陣の縁側で暫し日向ぼこ猿回し

地元婦人会の創作吊し雛

本陣で三度笠を被って侠客気分

本陣に展示されている立派な雛御殿

同左

<雑詠>       (白魚火)4月号掲載句
新春や分水嶺に朝日差す
繭玉や門前町の人の波
職安の草臥れ椅子に冬日影
小雪舞ふ山畑なにもなかりけり
中海を発つ白鳥の息白し
寒雲はひたすら遠州灘目指す
大寒の檜山の果ての草廬かな
粥柱朝日の当たるダイニング

<俳句教室"円坐A"吟行に参加>
 2月23日。俳句教室の有志14名は遠州鉄道に鹿島線と天竜浜名湖鉄道を使って、北区引佐町金指にある、宝林寺を訪れた。ここも梅がまさに満開で、中国風の杮(こけら)葺き本堂を眺めたり、金鳴石を叩いたりした後に、方丈にて句会を持った。
(俳句や写真は 円坐A「浜名湖北の宝林寺吟行」に掲載してある。)

'10年1月

<ヤマハ吟行句>
1月23日、JR東海道線と飯田線を乗り継いで豊川稲荷に詣でた。稲荷と言っても曹洞宗妙嚴寺という歴としたお寺で、名古屋の熱田神宮に比肩しうる参詣客を誇る当地屈指の名刹である。JR豊川駅から山門までは約500mの門前街で、繭玉が道沿いに飾られていて、まだ新春気分である。その山門の両脇には二人の托鉢僧が左右に並び、一人は白人であった。境内に入ると人だかりがあり、何かと思いきや昔懐かしい猿回しである。句友たちは面白がり、かぶりつきでいつまでも見ていた。境内の露天では宝船・お多福面・などを飾り付けた縁起物の熊手や福達磨が売られていた。正月三が日ならば本堂までたどり着くのに長蛇の列に従い30分は掛かるところ、今日23日ともなれば、並ぶ必要もなくスムーズにお参りができた。帰る間際に、「俳句上達祈願」と自書した旗を割り勘で寄進。今年は皆、俳句がめきめき上達すること請け合いである。昼は門前の和食堂に入り名物稲荷鮨の入った和定食に舌鼓を打ち、ビールをやや多めに頂いた。句会は稲荷の西側の地区公民館にて、5句出句7句選で行われ、わが俳句は評価に精彩を欠いていた

初句会祈願幟を奉納す
境内に人垣のあり猿回し
福達磨露天の棚を溢れゐて
大寺の枯山水や寒雀
お稲荷の水屋のほとり実万両
広縁に伸びたる日差し寒椿
冬雲や下枝(しずえ)の高き大檜


門前通り

お稲荷様

縁起物の熊手

猿回し

本堂

「俳句上達」の旗を寄進。

<雑詠>       (白魚火)3月号掲載句
枕辺に空母の戦記十二月
ゆく河の流れは絶えずして師走
新日記インターネットにて買ひし
飛び石のあを際やかに初時雨
梅探る火伏せの神を訪ね来て
凍て雲やヘッドライトを灯す頃


'09年12月
<ヤマハ吟行句>
 今月も吟行(忘年会を兼ねる)を欠席したので、その時の写真を見て作句した。
<平成21年12月13日のヤマハ俳句クラブ 浜松市浜北区染地台 野鳥公園吟行>

寂れたる秋葉往還年つまる
三椏の花見付けたり新開地
貯水池の鴨三方に散りにけり
落葉道黒きコートの佳人が()
壁に貼る句の短冊も年忘れ
里山の沢も小川も涸れて居し

<雑詠>       (白魚火)2月号掲載句
大河の龍神淵の初紅葉

紅葉狩麓の茶屋の丸太椅子

飛石の苔際やかや初時雨

小春日に歩く(とぎ)町紺屋町

トラックの荷台に座せる狩の犬

掘りたての芋の子洗ふ大バケツ

神無月往還脇の精米機

落葉踏むフォークダンスの衣裳着て

肩揉んで妻を労ふ冬の宵


'09年11月 

<ヤマハ吟行句>
今回は吟行を欠席したので、その写真を見て作句した。
<平成21年11月28日のヤマハ俳句クラブ 磐田鶴ヶ池、西光寺 吟行>
(たかむら)の堀切の道小六月
仰向けば散るを惜しめる(なら)もみぢ
冬雲や(くす)の樹齢は五百年
名刹の鐘の(やぐら)や一位の実
白壁の剥げたる蔵も冬に入る
ユーカリの樹下に(ひと)(むら)実千両

<雑詠>       (白魚火)1月号掲載句
秋色の富良野盆地のワイナリー

十勝岳望む暮色の葡萄(ぶどう)

秋風や修道院の野菜畑

網走の場末の酒場ほつけ食ふ

鮭を買ふ国後島を眺めつつ

一服を終へて牛蒡(ごぼう)を引き始む

錦木や奥の院への七曲り

神燈の並ぶ参道冬桜


'09年10月
<<白魚火全国大会イン函館と北海道旅行>>
 本年の白魚火全国大会は10月3~5日、北海道函館"花びしホテル"で開かれ、全国より約160名が参じた。我々浜松勢は、前日の2日に名古屋空港から函館空港へ飛び、同日午後は函館市内および周辺を吟行した。トラピスチヌ修道院、立待岬、カレーライスの老舗"五島軒"、外人墓地、元町カトリック教会他2院、旧函館区公会堂などを回る。途中から雨が降り出したが、少数の仲間と函館山へ夜景を見にも出掛けた。

明くる4日は、トラピスト修道院、五稜郭などを見学、午後、全国大会会場のホテルに到着。大会第一日目は、先ず結社の活動報告などがあり、第一回目の3句投句を各自済ませた。夜は、第一回目の懇親会。誌友との交流を大いに深めた。

第二日目の午前中は自由吟行で、我々数名は函館市内へ市電で繰り出し、名のある坂をいくつか歩く。午後からは白魚火各賞の表彰式のあと、第一句会が開かれた。20名を超える選者が特選3句、入選7句の10句づつを選ぶのだが、私の3句は一度も選ばれなかった。中秋の名月の夜は懇親会もそこそこに、殆どの人が函館山へ観月と夜景を見に出掛けた。酒好きは残ってカラオケに興じたが、私もその一人。

第三日目の5日は先日の自由吟行で出句した3句での第二句会があり、昨日と同じ要領で会は進行。やっと私の「街角の小さいコスモス市電来る」が一人の選者の入選句に入った。やれやれ。
昼食の後、誌友達は名残を惜しみつつ、夫々全国各地へ帰って行った。

私はその後、空路を札幌へと移動し、合流した妻とそこに住む私の兄弟達合計5名で蟹に舌鼓を打つた。翌日からは妻と、小樽、富良野、網走、斜里、知床五湖、羅臼、摩周湖、釧路とレンタカーでドライブして回り、11日、釧路空港より帰途についた。斜里町では台風18号に見舞われて、一日足止めを食ったのは予定外であった。


トラピスチヌ修道院

立待岬

雨の函館夜景

トラピスト修道院

表彰式

函館の市電を待つ。

大会の後の北海道旅行写真

札幌市街。藻岩山より。

小樽

美瑛

羅臼岳

摩周湖

釧路湿原

<< 天竜区中心部吟行 >>
 今月のヤマハ俳句クラブ例会は10月24日、浜松市天竜区の中心部である鹿島、二俣、山東地区を吟行した。鹿島地区では竜宮伝説伝わるの椎ヶ脇神社、天竜美林育ての親である金原明善の碑、筏問屋で栄えたの田代家を訪問。二俣地区では、県のイベントのために仮設中の二俣城の建前工事に偶然遭遇した。山東地区では本田宗一郎の育った集落を見、縁日と冬桜で華やぐ光明寺を散策し、その奥の院にも登った。
食事は天竜浜松鉄道天竜二俣駅の駅舎内のレストランで摂り、句会は二俣公民館の一室を借りて行われた。


石階の後方(しりえ)は大河()の実落つ
秋深む路傍に金原(きんぱら)明善(めいぜん)
山茶花や(いかだ)問屋の梁の艶
帰り花本田宗一郎の里
禅寺の僧親しかり(はぜ)もみぢ

椎ヶ脇神社の石段より天竜川を望む。

天竜美林育ての親金原明善翁の碑

筏問屋で栄えた田代家。

二俣城仮天守の工事現場。

本田宗一郎の育った地。

光明寺の参道。

<雑詠>       (白魚火)12月号掲載句
笛方(ふえかた)は二人の古老里祭

木曾谷の()蕎麦の老舗(われ)()(こう)

山栗を神楽の里の(つと)として

旅枕富良野盆地の居待(いまち)(づき)

澪標(みおつくし)橋」の袂に(はぜ)を釣る

早稲実る北の大地の棚田かな

遠つ淡海外道(げどう)(ぼら)を釣り逃す

祭壇の淡路結びや秋の声


'09年9月
<<袋井市同笠(どうり)海岸地曳網吟行>>
 今月のヤマハ俳句クラブ例会は9月26日、袋井市浅羽の同笠(どうり)海岸の地曳網(永昌丸)見学であった。クラブ員の一人が所属する或る会社のイベントに加えてもらったのである。しかし、地曳網を載せた小舟を老漁師8名ほどで沖へと漕ぎ出そうとするが、折からの高波に押し戻されて3回トライするも果たせず、断念。残念ながら網を引くまでには至らなかった。その後、バーベキューのお相伴に預かり、皆はその後更に句会を持ったが、私は所用で早退した。

某社の朝のイベント開始のミーティング

地曳網を小舟に積込む

ヤマハの参加者

飲み物やバーベキューをお相伴

地曳網を積んだ船を沖に漕ぎ出そうとするが波が高くて失敗。
動画です。開始するには画面中央のボタンをクリックしてください。



秋麗や灘へ漕ぎ出す地網(じあみ)
大灘へ漕ぎ出す秋の地網舟
秋浜に船旗を立てて地網引く
鯖雲や遠州灘を油槽船
岸近く白子(しらす)(いさ)る舟二艘
新松子(しんちじり)株価の話などもして
焼肉の煙に巻かれて秋の浜

<雑詠>       (白魚火)11月号掲載句
雲の峰三遠信の国境

油蝉檜は樹齢百余年

八千草の峠木曽まであと三里

()(がま)にて無造作に刈る女郎花

輸送船行き交ふ灘や雲の峰

鷹匠(たかじょう)碧眼(へきがん)夏の野鳥園

つくつくし三遍鳴いてあとは黙

秋燕入江の空をほしいまま


円坐」第19集の俳句とエッセイ

静岡社会保険センター浜松で3講座に分れて俳句教室で学んでいる仲間達58名の過去一年の俳句とエッセイを収録した「円坐」第19集が発刊されました。その中の私の句とエッセイを紹介します。当ページに既に載せてある句が殆どですが・・・。

寧日(ねいじつ)
歓楽街の小さき稲荷や初詣   
仏壇の(かね)の音高く春迎ふ  
チェーンソーの切れ味や良し山笑ふ 
春の月微醺(びくん)を帯びて仰ぎけり
(かど)に出て人を見送る(おぼろ)かな
(さか)(はやし)飛騨高山は五月晴
水玉を戴く露地のパセリかな
潮の香や薩埵(さった)峠の山桜
寧日(ねいじつ)薄荷(はっか)若葉の香る園
唐松の新緑縫うてツーリング 
鳴き砂や石見(いわみ)の浦の大西日 
好漢(こうかん)の腕の刺青(いれずみ)夏の川
麦藁の(きょ)()の行列虫送り 
山脈を見晴らす軒の唐辛子
土瓶蒸し()(こう)を祝ふカウンターコスモスや民話の里の道の駅   
秋深しワルツで()つる舞踏会  
雑踏を抜けて躑躅(つつじ)の返り花
遠吠えや冬満月は天心(てんしん)
自転車で届けられたり新日記   
(浜松 有楽街)

(小生は木こり作業もする)



(我が週末農業の畑にて)

(磐田岡田の荘 ハーブガーデン)
(南信 しらびそ高原)
(島根 琴ヶ浜)
(天竜川支流 阿多古川)
(浜松市金折町 津島神社)
(赤石山系を望む里にて)
(浜松の料理店 紅すずめ)
(南信 新野郷)
(ダンスを習い始めた)
(東京 池袋付近)

(我が家近くの渡辺書店の配達)

円坐第19集のエッセイ

渡り蝶
 「来ている!」。小春日の昼下り、我が狭庭で中型の蝶が羽根を緩やかに開閉させながら藤袴の花蜜を一心に吸っている。殆ど触れるほどにカメラを近付けても動じない。一年前居合せた空調工事屋に教わった“渡り蝶”である。これからの長旅を前に訪れてくれたのだ。喜びの余り、初対面の見目麗しき妻の友人にまで「遠く旅する蝶ですよ。綺麗でしょう」と話し掛ける。正式にはアサギマダラ(浅葱斑)と呼ばれるこの蝶、黒と焦げ茶色の翅脈に薄青(浅葱色よりは薄い青)の基本色をあしらった羽根を、ゆっくり羽撃たかせて優美に宙を舞う。派手な色取りは「毒を持っているぞ」と、鳥に警告を発するためなのだそうだ。藤袴を好む訳は蜜にアルカロイドなる毒素を含むので、これを体内に取り込み蓄積するためである。観察している間中、他の花には見向きもしなかった。渡りは秋から冬に掛けて、北風に乗って本州から南西諸島伝いに台湾まで。そして、春には南東風に乗って再び本州へ飛来する。ただし、往復の個体は異なるという。大海原を片道二千キの遠征をするロマンに満ちた渡り蝶だが、歳時記にはまだ載っていない。是非とも、季語にしたいものだ。皆さん!庭に藤袴を咲かせるときっとこの美しい蝶が訪れますよ。


'09年8月
<磐田市旧見付学校および森町山間部吟行 >>
 今月のヤマハ俳句クラブ例会は8月30日。磐田駅の大楠木の下で待ち合わせて。送迎バスに乗る。先ずは明治に立てられた木造五層の磐田市旧見付学校(小学校)を見学。それから森の石松で有名な周智郡森町へ。この町は平成の大合併に乗じなかった。バスはその山間地にある"神楽坂峠の茶屋"の送迎用で、サービスとして北辺の山間地を一巡りしてくれた。徳川家康や武田信玄の戦場となったという急傾斜の遊歩道"戦国夢街道"を見ながら山道をバスは喘ぎながら登った。そして、最近完成した太田川ダムも見学。会社の先輩で鮎の先輩でもある山本寛氏(本年逝去)が建設の反対運動をしていたダムだ。晴れた良い日で、本日の最高地点の峠では秋葉山を始めとした南アルプス前衛の山並みが良く見える。"神楽坂峠の茶屋"では、昼食を摂り、句会をし、名物の木の浴槽の風呂に入って汗を流がした。

磐田市旧見付学校。

旧見付学校にて、マネキンの明治の学童と机を並べ
講義風の施設の説明を聞く。石版も用意されていた。

太田川ダム。

参加者全員
神楽坂峠の茶屋にて。


バスを待つ大楠の下秋暑し
マネキンは明治の児童夏の果て
茶畑の丘を下りれば稲の秋
つくつくし戦国偲ぶ遊歩道
遠望の南アルプス赤蜻蛉
臭木咲く沢を眼下にバスは行く

<雑詠>       (白魚火)10月号掲載句
手回しの鉛筆削り男梅雨

七月の雨降り(しき)る大樹海

遠蝉や使ひ()りたる古語辞典

居ながらに花火鎮守の夏祭り

盆踊り小町娘も輪に入りて

長梅雨に降り籠められて農具研ぐ

仙人掌(さぼてん)の花置く西の小窓かな

初蝉を遠くに朝の読書かな

初盆の施主の真珠のネックレス


'09年7月
<< 掛川花鳥園吟行 >>
 今月のヤマハ俳句クラブ例会は7月25日、掛川市の花鳥園を訪問し吟行。私は小2の孫を連れて参加。梟のバードショーが楽しかった。


蝉時雨掛川駅の南口
梧桐(あおぎり)の葉裏のそよぎ池の端
羽繕ひせるフラミンゴラムネ抜く
梟の芸が売物花鳥園
花鳥園真夏の花の咲き満ちて
吟行に学童も居る大暑かな
青田波蹴立てて西へのぞみ号

参加者全員。

ここに多い梟。

梟のバードショウ。

フラミンゴなど。

<雑詠>       (白魚火)9月号掲載句
(さか)(ばやし)飛騨高山は五月晴

行幸(ぎょうこう)の福井平野は麦の秋

この谷は海まで八里鮎を釣る

スナックの片隅にゐて桜桃(おうとう)

梅雨晴や婦唱夫随の庭手入れ

孟宗(もうそう)の花器に挿したる杜若(かきつばた)

軽鳧(かる)の子の縦一列やささ濁り

ラムネ抜き仰ぐ萌黄(もえぎ)の伊吹山

合歓(ねむ)の花子山羊(やぎ)の角は一寸余


'09年6月
<< 浜松市北区伊平 あじさい祭吟行 >>
 今月のヤマハ俳句クラブ例会はそぼ降る雨の中、北区伊平(いだいら)のアジサイ祭会場吟行であった。そして龍澤寺の麓の井伊谷食堂で昼食を食べ、句会が行われた。参加者は9名。

アジサイに沿って歩く。

あじさい祭の幟。

撮影者を除く参加メンバー。

植田とアジサイ。


寡黙なる紫陽花(あじさい)(もり)のシャツ白し
沢蟹の(のが)るる葦の茂みかな
葭覆ふ小川の堤額の花
(にんにく)の花を(ひさ)げる農婦かな
小糠雨盛り過ぎたる手毬花
山門を潜る三つの白日傘

<雑詠>       (白魚火)8月号掲載句
小糠雨字の真中の桐の花 

逆上がりすれば故郷は新樹光

水玉を戴く露地のパセリかな

梅雨の馬場ポニーテールの調教師

渡御(とぎょ)祭や一糸乱れぬ櫂(さば)

半日に一本のバス朴の花

丘陵の(ちゃ)(うね)の波やえごの花

幾度も河鹿(かじか)の笛に目覚めけり


'09年5月 NEW!
<< 磐田市見付近辺吟行 >>
 今月のヤマハ俳句クラブ例会は5月17日、磐田市の見付近辺吟行。乗馬クラブ、サッカー公園「ゆめりあ」、府八幡宮、国分寺跡などを小雨を突いて巡る。見付大名行列祭の日であったが、スケジュール上この見物は断念。


五月句会参集は九時磐田駅
混み合へる茶所の庵初鰹
ハンサムな()(てい)三人(みたり)(おうち)
国分寺跡の真中の()大黄(だいおう)
老鶯や草サッカーは白熱す
大名行列祭りに緑雨
句仲間に問へば答ふる「えごの花」
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クラブが指導戴いている句会"水鳥"の句碑除幕式(5月17日 浜松市北区三ケ日大崎)
句碑除幕散華の花筥(けこ)(こう)牡丹
同時開催の句会応募句
曽祖父の植ゑし霧島(つつ)()燃ゆ
人妻よ心して折れ鬼(あざみ)
裏山の老鶯(ろうおう)語尾を上げて鳴く
句碑にある小生の句
漕艇のオールの軌跡夏初め

乗馬クラブの厩舎。

国分寺跡の野大黄。

スポーツ公園「ユメリア」の"えごの花"。

5月17日"水鳥"の句碑序幕。

<雑詠>       (白魚火)7月号掲載句他
潮の香や薩埵峠の山桜

白壁の廻船問屋芝青む

県道に沿ひコスモスの種を撒く

一斉に揚がる大凧百有余


心字池亀に引かるる(いかだ)

山藤や伊勢湾望む登り窯

独り身の長子は三十路武具飾る

アカシアの花の向かうは能登の海

薫風や蚕飼の家の煤光

をとめ子よ真紅の芥子をな手折りそ

遠足は学舎遥けき山の上


'09年度 「白魚火」誌 俳句コンテスト応募作品

 俳誌「白魚火」では毎年、一篇が二十五句の誌友による俳句コンテストがある。昨年十一月に応募したものの選考結果が平成二十一年六月号白魚火に発表となった。昨年度は予選を通過し、佳作を頂いたが、本年は予選落ちであった。その応募句を掲載する。
(選考に携わった一先生の評価を参考に記す。◎は特に良い。○は良い。)

     ()(もり)の柚子
 あらたふと()(もり)の柚子に初旭
 啓蟄や校歌奏づるオルゴール
○天竜の洪積(こうせき)台地麦芽吹く
 白蝶と(じゃ)れつつ歩む草の道
○桜狩ディーゼルカーに乗り換へて
○朧夜や油切れせしペダル踏む
 凧祭り装束の子の胸豊か
 薫風や漕艇場の水碧く
 (からす)(ちょう)敦盛草に懸想(けそう)して
○木造の階段教室窓若葉
 渡船場はダムの水底額の花
 大甕の雨水孑孒(ぼうふら)共和国
◎父の日や茶園手入れは合羽(かっぱ)着て
 ざつくりとメロンを(すく)ふ銀の匙
○味噌汁は大和蜆や星祭
 西瓜畑に臨む西洋料理店
 送り火を終へたる夜の静寂(しじま)かな
◎登校の列は降順(こうじゅん)防災日
 護摩の火は安産祈願山紅葉
 金柑の活けある在の美術館
○澄める秋下仁田(しもにた)(ねぎ)を植ゑゐたり
 里神楽(すみ)前髪(まえがみ)は大学生
 石片のガンダーラ仏返り花
 冬の航遠ざかり行く観覧車
○白菜の漬物石は(じゃ)紋岩(もんがん)

'09年4月
<< 袋井市原野谷川親水公園と愛野公園写真吟行 >>
 今月のヤマハ俳句クラブ例会は袋井市袋井市原野谷川親水公園と愛野公園吟行であったが、私は所用で欠席した。幸い佐々木薫代表が沢山の写真を撮ってネット上に掲載して呉れたのでその写真を見て詠んだ。


楠若葉乳房あらはに母子の像
庭石菖撫でて乙女の顔となる
銀色と朱色のオブジェ初夏の丘
ゆつくりと山道を行く白日傘
すかんぽや東北東に遠見富士
ヘルメットの下校児童や()(はな)咲く
蒼天やにせアカシアの花の房
初夏の階(きざはし)を持つ木橋かな
せせらぎを仄かに染めて山躑躅

<雑詠>       (白魚火)6月号掲載句
チェーンソーの切れ味や良し山笑ふ
春じやがを植うる女は町育ち
門に出て人を見送る朧かな
Yの字にジーンズ干して里は春

水温む沢を跨ぎて太鼓橋
川音の聞ゆる山家春子採る
チューリップ全校児童二十名
糸桜赤き煉瓦の蔵の家


'09年3月
<< 浜松市西区大人見町 吟行 >>
 今月のヤマハ俳句クラブ3月例会は花冷えのする28日、浜名湖東岸の瞳ヶ丘団地周辺のお花見吟行である。会社を早期退職しこの団地で喫茶店"ダック"を開いている方を訪ねた。先ずホットコーヒーで体を温めてから、桜が三分先の海を見下ろす丘まで散策。途中通草の花の可憐さを皆で愛でる。桜と椎の混在した公園では鶯が正調で鳴いている。桜に囲まれてゲートボールに興じる地元の老人たちも見かけた。件の喫茶店に戻り、二階の狭い私室を借りて、仕出弁当を食べてから句会。選句、各自による披講、全員による講評といつもの通り進めて3時過ぎ、お開きとなった。

駅前の送迎レーンチューリップ
紋黄蝶湖望む峠道
つくしんぼ朽ちて崩れし瓦窯

歩を止めて(あけ)()の花を仰ぎけり
大戦の勇士の墓標花の丘
花冷えや団地の隅の喫茶店


三分咲きの桜の丘で。

通草の花。

浜名湖を見おろす松の芯。

お世話になった茶房"ダック"の前で
店主ご夫妻を交えて。

<雑詠>     (白魚火)5月号掲載句
山畑の帰りに一枝藪椿

鉱毒で名を馳せし川野を焼ける

天窓の中に納まり春北斗

村出し人と会ひたり梅の園

初音聞く桧林の只中に

春の月微醺(びくん)を帯びて仰ぎけり

 俳句教室の遠州森町吟行

水温む沢を跨ぎて太鼓橋

山桜遠州弁のバスガイド

森町の侠客の墓馬酔木咲く


'09年2月
<< 掛川市横須賀城址吟行 >>
2月21日。掛川市大須賀地区の平山城(ひらやまじろ)、横須賀城址を訪問した。その前に、名物の「愛宕下羊羹」を買う。遠州地方では名の知られた物で、このお店はその羊羹だけしか製造・販売していない。上品な味である。
続けて、横須賀城址へ行く。この城は東へ10Kmほどにある高天神城を奪還するために徳川家康によって築城されたと伝えられる。小さな町並を見下ろす小高い丘にあり、最も高い本丸跡には末裔の西尾子爵の手なる「横須賀城址」の石碑がある。城の石垣の周囲には梅園、そして北側の広場には河津桜の小木が30本ほど植えられ、丁度満開だった。西風が強かったが、北西側の花粉を目いっぱい蓄えた杉の木が防風林になっている。
城跡からは小さな町並みを歩く。昨秋の吟行で町を挙げての文化祭を催していたところだ。

羊羹屋さんの推薦で、昼食は満員の大衆食堂で食べた。ここで食べていて、歳時記を見ていたら拷問死した小林多喜二の名があった。昨日が忌日だった。


愛宕下羊羹店の前で。

横須賀城址。

城の下の梅園は盛りが過ぎていた。

句会。

早咲きの花に包まれ天守跡
城跡の鬼門に潜む龍の玉
この辺り昔は海ぞ二月の田
混み合へる食堂に居て多喜二の忌
羊羹の名は愛宕下梅香る
城址碑は子爵の手なり草萌ゆる

<雑詠>       (白魚火)4月号掲載句
冬の蜂歩むことすらおぼつかな 

真清水に浸す股鍬日脚伸ぶ

凍て雲の縁彩りて旭出づ

産土の石段険し冬苺

鬼瓦の上の浮雲寒明くる

仏壇の鉦の音高く寒明くる

上等のワインを開くる節分会

節分やワインの栓がポンと抜け

節分や酒場の隅で夜は更くる

金縷梅や隣家の稚が顔を見せ


'09年1月
<< 浜松市西区弁天島 吟行 >>
 今月のヤマハ俳句クラブ例会は浜名湖に浮かぶ弁天島吟行。強い西風の吹く天気晴朗の日、昔は別荘地だったと言う地区を中心に歩き、途中余りの寒さに全員で日向ぼこをする。埋め立てで出来たこの島の東向き法面に一同座って暫し冬の日を浴びる。法面が風を遮り、太陽が暖かくい。無数の海鳥が干潟遊んでいるところアンパンなどを与えながら眺める。昼飯はこの島にある浜菜坊(はまなぼう)。私は名物の大海老天丼をオーダー。
その後句会はこの地の製造業者の保養所。その新しく西洋風の瀟洒な建物の会議室を借りて行われた。

初売りやマクドナルドの人の列
日向ぼこ干潟の千鳥一千余
浜名湖の堤防を背に日向ぼこ
牡蠣を剥く道具一式日脚伸ぶ
海の橋冬帽押さへ渡りけり
大寒や海へと急ぐ千切れ雲
のぞみ号行き交うほとり(もや)ひ舟


全員で日向ぼこ。

日向ぼこの我々の眼前には鳥たちが。

新幹線脇の舫い舟。

食事処"浜菜坊"で昼食。

参加者全員。

<雑詠>
 伊勢南勢町
枯れ菊や入り江の奥の分教場

遠吠えや冬満月は天心に

自動車のオイルを換へて十二月

自転車で届けられたり新日記
 芭蕉記念館
夕暮れの隅田の河畔返り花

霜置いて糸杉の苗真直ぐに
 法灯行脚を出勤金途上に目撃
枇杷の花妙心寺派の行脚隊
 浜松肴町
歓楽街の小さき稲荷や初詣