團菊祭五月大歌舞伎

 

昼の部 5月17日
げんじものがたり
源氏物語
 

明石の姫をだっこした光の君
  光の君:     市川新之助
頭中将:     尾上辰之助
紫の上:     尾上菊之助
明石の君:    中村福助
明石の入道の妻: 中村東蔵
朧月夜の君:   中村芝雀
蛍兵部卿宮:   坂東三津五郎
朱雀帝:     尾上菊五郎
桐壺帝の霊
明石の入道:   市川團十郎
 
≪ストーリー≫
 朧月夜との密通がばれた光の君は須磨に身をひそめる。桐壺帝の霊のお告げにより、光の君は明石に移り、明石の
君と恋に落ちる。光の君は明石の君とのあいだに女の子を授かるが、やがて光の君は赦免され京に戻る。光の君は
明石の姫(明石の君との子ども)の将来のため、明石の姫を京に引き取り紫の上に育ててもらう決意をする。
 
≪感想≫
 ―――運は、自分の若さと力で切り開くものだ。私は絶望しない・・・!   (2000年團菊祭「源氏物語」より)
 そう言って、花道を去っていった光の君。その光の君をまた見れるなんて・・・。去年、たまたま貰った券で「源氏物語」
を見にいって、歌舞伎にはまり今に至る・・・って感じなので、「源氏物語」の再演を聞いたときはめちゃめちゃうれしかっ
た。だから、いっつも貧乏で3階席からしか歌舞伎を見たことなかったんだけど、どーーーしても今回は1階で見たいっ!
って思って1等席を買っちゃった。上手側の6列目。1階席は3階と違って椅子がふかふか〜。前の席との余裕もあるし
4倍近いお値段だけありますわな・・・。私が見に行った日はちょうど、どこかの女子大の団体さんがいて、2階の桟敷が
女子大生で埋まってるし、若い子がやたら多くて、会場の雰囲気がいつもと違ってた。

 須磨の巻
 今年は琴の演奏から始まる。琴の音を聞き入っていると、音もなく光の君が馬に乗って花道から登場。あまりに静か
に花道から出てくるので、気がつかない・・・と聞いていたので、横目で花道の方を見てたので新ちゃんが登場したとこ
バッチリ見れたワ。(^^:
 須磨に流され、意気消沈の光の君・・・。「あのお二人(藤壺と東宮)をお守りするため・・・もっと・・・もっと苦しみを受け
ねばならぬ・・・」とか言ってるし・・・。めちゃめちゃ弱気じゃない。去年、須磨に行く前は「私は絶望しない!」とか言って
たのに・・・。
 辰之助@三位中将(頭中将)が京から遊びに来る。辰之助くんのメイク・・・眉が太くて去年の頭中将より子どもっぽく
見えちゃったよ〜。眉といえば、新ちゃんの眉もえらい長くて、タレ眉だしちょっと変だなーって思った。舞台写真を見た
ら、眉の書きかたが違ってたから、毎日書きかたかえてるのかな〜??
 三位中将が紫の上と藤壺からのお手紙を持ってくるんだけど、藤壺・・・三位中将なんかに手紙を託したらマズイんじ
ゃ・・・。あれじゃぁ、藤壺と光の君の仲・・・三位中将にバレたよ・・・。絶対。(笑)
 紫の上が送ってきたピンク色の直衣に着替える光の君。三位中将が「いつか紫の上と一緒に踊った春鶯囀を思いだ
しますなぁ・・・」とか言って、春鶯囀の回想シーンに突入!盆が回って菊ちゃん@紫の上が登場して、光の君と一緒に
春鶯囀を踊っちゃうのだ! 菊ちゃん、めちゃめちゃ綺麗!!!見入ってしまいましたよ。6列目だっつーのに、双眼鏡
で菊ちゃんを見ちゃったよ・・・。紫の上の髪型、前髪が去年とちょっと変わってました。雰囲気が全体的に大人っぽくな
りましたな・・・。
 嵐の晩に桐壺帝の霊が登場!團パパがワイヤーに吊るさって宙乗り(?)で登場。ぶらーんって揺れててちょっと妙。
でも、桐壺帝の貫禄ありました。さすが團パパ。

 明石の巻
 明石の巻では團パパ@明石の入道が笑いをとりまくり。頑固一徹の明石の入道・・・出来れば左團次さんの入道も見
て見たかったな〜。あってると思うの。左團次さん。
 福助さん@明石の君はとってもキレイ・・・。うっとりです。光の君とのラブシーン、どきどきしちゃいました☆
 菊五郎さん@朱雀帝、麗しい・・・。光の君のお兄さんだもんねっ!去年は右大臣だった菊五郎さん。今年は孫にあた
る朱雀帝をやっちゃうんだからスゴイわ・・・。
 光の君から「明石の君っていう恋人が出来ちゃったよ〜。噂で伝わって心配するといけないから、先に伝えます」って
手紙をもらって怒る紫の上をなだめる三位中将・・・。この2人、兄妹のよう・・・。3月の「仮名手本忠臣蔵」のお軽と寺岡
平右衛門みたいだったよ〜〜。三位中将が光の君の赦免のことを伝えると、「なんでそれを先に言ってくださらなかった
の?」と三位中将にすがりつく紫の上・・・。仮にも三位中将なんだから、そんなに近づいちゃヤバイんじゃ・・・。去年の
「源氏物語」でも、最後で紫の上のことを頭中将(三位中将)に頼んで光の君は須磨に去って行ったけど、親友とはい
え、1番キケンな人物なんじゃ・・・。だって女タラシだよ。光の君と同じくらい・・・。(^^;;

 京の巻
 京の巻っつーぐらいだから菊ちゃんの出番が多いのかなーって期待してたら、そうでもなかった・・・。むむ・・・。
 光の君の帰還を祝って、舞をまってくれちゃう三位中将と蛍兵部卿宮。さすがに上手いです。この二人の踊り。特に三
津五郎さん。足の運びとか見入ってしまいました。
 で、光の君と紫の上の再会。やっと二人のツーショット。最後の最後にならなきゃ、ラブラブな光と紫を見れない。明
石・須磨だから仕方ないけどさー。
 明石の君が生んだ、明石の姫の袴着の帯を結ぶ役をやってほしい、そして明石の姫を引き取りたいと紫の上に言う
光の君・・・。菊ちゃん、すっごい辛そうな顔をしていて、見ててすごく辛かった。だって、紫の上、今回ほとんど辛そうな
顔してるじゃない。嬉しそうな顔してるのなんか、光の君が赦免されたって聞いたときと、光の君に再会したときぐらいだ
よ・・・。目をうるませながら、「分かりました」って明石の姫を引き取ることを承諾するとこなんか、こっちが泣きそうになっ
ちゃったよー。
 で、明石の姫を迎えに行くんだけど、明石の姫に「おとうちゃま」と呼ばれちゃう新ちゃん。(笑)どーでもいいけど、3歳
のはずなのに、やたら大きくないか?明石の姫。可愛いけど・・・。
 雪が降りしきるなかでの明石の姫と明石の君の別れ・・・福助さんが涙ぼろぼろこぼしていて、もらい泣きしそうになっ
た。3階だと分からないけど、1階席だと、涙ながしてるの分かるのね・・・。新ちゃんも泣いてました。
 盆が回り、下手後方に明石の姫を抱えて去っていく新ちゃん・・・。花道にひっこむ最後じゃないのって初めてみたか
も・・・。

 来年も続きそうな感じの終わり方ですな・・・。でも、あんまり光の君が歳とっちゃうと、新ちゃんでは出来なくなっちゃう
よー。あ、そうしたら、今度は團パパが光の君?(笑)
 夕霧と雲井の雁ちゃんの恋を新ちゃんと菊ちゃんで見てみたいナーなんて思ってるのはワタシだけでしょうかね?夕
霧と雲井の雁ちゃんの恋ってとっても純粋でカワイイと思うんですが・・・。

 「源氏物語」って読んだり、見たりすると光の君は誰が1番好きだったのかなって毎回思う。今回、紫の上@菊ちゃん
が「あの人は女人を愛すときはいつも本気です」って言っていたのを聞いて、葵、夕顔、六条御息所、花散里、朧月夜、
明石、藤壺そして紫の上・・・すべての女性を全力で愛したのかもしれないって思いました。でも、根本にあるものは、母
親である桐壺更衣への面影を探していた・・・って感じもするんだけれど・・・。マ、マザコン・・・?(笑)

 

 

昼の部 5月24日
げんじものがたり
源氏物語
 
≪感想≫
 二度目の「源氏物語」。今度は3階席からの鑑賞。3階から見るほうが絵巻物みたいだし、全体が見渡せて見やすい
かも・・・と思った。(庶民のワタシ・・・笑)

 「須磨での生活は辛かったが、明石では貴方に恋をしていました。今は愛しています」
 この意味不明なサム〜イ台詞。何度聞いても笑えます。(笑うところじゃないけど。)明石の姫君を迎えにいったとき、
明石の君に光君が言う台詞なんだけど・・・。
 「私の愛にくもりがありますか?」
 「私の愛を信じてください」
 この台詞も同じく明石の君に光君がいう台詞。(明石から京に帰るときかな?) ・・・・・・光源氏ってこんなことを言う人
じゃないと思うんだけど・・・。(^^;; 去年より、くさい台詞が多かったように感じた。
 何度か見に行くと、細部がみえてくる。あらさがししてるわけじゃないけど、気になるところが多くなる。いいんだか、悪
いんだか・・・。

 

 

夜の部 5月24日
せっしゅうがっぽうつじ
摂州合邦辻
 
玉手御前: 尾上菊五郎
浅香姫:  尾上菊之助
俊徳丸:  市川新之助
奴 入平: 市川左團次
おとく:  澤村田之助
合邦道心: 市川團十郎
 
≪ストーリー≫
 玉手御前は先妻の子供である、俊徳丸に言い寄っている。俊徳丸は業病におかされていて、顔の半分がただれ失明
をしている。そんな身で、継母(玉手御前)の邪恋から逃れるため、許婚である浅香姫と家をでて、玉手御前の父親の
合邦の庵に身を寄せている。そこへ玉手御前が親のもとに帰ってくる。俊徳丸への恋心を募らせている、玉手御前は俊
徳丸の行方を探し、夫婦にしてほしいと両親に懇願する。玉手御前は俊徳丸の姿を見つけ、言い寄る。そして、浅香姫
に愛想をつかせるために、俊徳丸に毒酒を飲ませ業病を患わせたと言う。それを聞いた合邦は玉手御前の腹に刀を突
き刺す。息絶え絶えに、玉手御前は真相を語り出す。俊徳丸の兄である、次郎丸の一味が俊徳丸を殺して、お家を乗
っ取ろうとしているのを知った玉手御前は、俊徳丸が家督を継げないようになれば殺されずにすみ、また次郎丸も弟を
殺さずにすむ。2人の義理の息子を助けるために、俊徳丸に毒酒を飲ませたのであった。そして、寅年、寅の月、寅の
日、寅の刻に生まれた自分の肝臓の生き血を、毒を盛った鮑の杯で飲ませれば、業病はなおるということを知ってい
て、俊徳丸を探し歩いていた・・・というのである。
 玉手御前の血を鮑の杯で俊徳丸が飲むと、もとの美しい姿に戻った。
 
≪感想≫
 二人の息子のため・・・と言いながら、やはり玉手御前は俊徳丸が好きだったのだと思う。じゃなかったら、自分の命を
捨ててまで、俊徳丸を助けたりしないでしょう・・・。玉手御前は自分の考えた筋書通りに行動し、死んでいく・・・。そんな
ところがとても悲しい。
 新ちゃんの俊徳丸は業病におかされ、顔がただれていても美しい・・・。そして横に寄り添う菊ちゃんの浅香姫もまた可
愛らしい。目の見えない俊徳丸にそっと手を添えている浅香姫・・・絵になります。俊徳丸が浅香姫を好きかどーかはよ
く分からなかったけど、浅香姫が俊徳丸を思う気持ちはよく伝わってきました。業病におかされても愛想をつかさなかっ
たところだけは、玉手御前の計算違い。
 團パパの合邦は元武士らしく、無骨な感じがいい。昼の部の「源氏物語」の入道とは違い、無骨な坊さんでした。でも
心の中では娘の玉手御前を心配している、無骨だけど優しい人って感じがしました。
 昼の部が歌舞伎らしくなかったから、夜の部はまさに歌舞伎って感じでよかった。歌舞伎はやっぱり“義理と人情”で
すな。

 

はなぶさしゅうちゃくじし
英執着獅子
 
傾城後に獅子の精:  中村雀右衛門
 
≪ストーリー≫
 傾城が飛び交う蝶と戯れる。そして一人踊り出す。文や団扇を手に舞う。扇獅子を手に舞っていた傾城は扇獅子に宿

る魂に引かれて、どこかに姿を消す。
 やがて獅子の精があらわれ、力者と立ち廻るのであった。
 
≪感想≫
 雀右衛門さん、めちゃめちゃキレイ!!!とても八十のお歳には見えない・・・。この踊りからは気迫みたいなものを感
じました。
 前に歌舞伎座で英執着獅子を見たときは傾城じゃなくて姫バージョンの方だったんだけど、傾城バージョンも華やか
ですな。でも、傾城の格好で踊るのってすっごく大変そう・・・。
 あ、後見で京蔵さんがいました!友達と「あっ、勘定奉行だっ!!」って言ってました。(笑)

 

いせおんどこいのねたば
伊勢音頭恋寝刃  
油屋 奥庭
 
福岡貢:   市川團十郎
お紺:    中村時蔵
料理人喜助: 坂東三津五郎
今田万次郎: 市村萬次郎
徳島岩次
実は北六:  市川團蔵
藍玉屋北六
実は岩次:  市村家橘
藍玉屋次郎助:片岡亀蔵
千野:    市川右之助
お岸:    尾上菊之助
お鹿:    澤村田之助
万野:    尾上菊五郎
 
≪ストーリー≫
 遊郭の油屋で満席の中、福岡貢は仲居の万野に散々毒づかれた挙句、馴染みのお紺には愛想づかしをされる。福
岡貢は名刀青江下坂を手に次々に人を殺めていく・・・。
 
≪感想≫
 菊五郎さんの万野がよかった。あー、こういう人いるよ・・・ってな感じで。お局様的存在。(笑)
 菊ちゃんのお岸は着物の色が爽やか。恋人(今田万次郎)のことを隠そうと「蛍は大覚寺(?)のほうに飛んでいった
わいなぁ・・・」というとこが可愛い。あとは黙って座っているだけってとこが多いんだけど、ついつい菊ちゃんに目がいっ
てしまう・・・。(^^;
 時蔵さんのお紺はとっても美人!黒の衣装が涼しい。
 團パパの貢はかっこよかった。最後血だらけでの立ち廻りがすごかった・・・。團パパの浴衣姿も涼しくっていいです
ね!貢ってすごくいい人なのに、ある拍子でブチ切れてしまう・・・、人間の危うさ・・・みたいなのを感じました。
 田之助さんのお岸はいい味だしてました。しかし、この人哀れですね。だって、貢を純粋に好きだっただけなのに、最
後は何の罪もないのに殺されちゃう・・・。殺されたあと、ついたての後ろに倒れるんだけど・・・三階席からだと、その後
のっそり起きあがって引っ込む姿が見えてしまった・・・。(^^;; ちょっとかなしかった・・・。

 

せきさんやっこ
関三奴
 
奴 三津平: 坂東三津五郎
奴 辰平:  尾上辰之助
 
≪ストーリー≫
 日本橋に毛槍を振り振りやってきたのは、さる家人の奴二人。奴あ毛槍を持ちながら踊る。
 
≪感想≫
 三津五郎さんと辰之助くんの踊り。昼の部の「源氏物語」にひきつづき、今月は縁があるのね。この二人。(笑) 踊り
って詳しくわからないけど、やっぱり三津五郎さんの踊りって何度みても上手い!と思う。安定感があるんだよね。
 毛槍を双方から投げてキャッチ!とかすごいって思った。

 

 


モドル