《外法帖異伝・ボサツ様がみてる》
其之壱(陽之壱)
甲州街道の茶屋で初めて会った時、運命を感じたの。
私とあの人を繋ぐ糸が見えた気がしたわ。
少し顔色が悪かったから丁度持っていたお薬を渡してあげた。でもあの人には断られてしまったの。なんて遠慮深い人なのかしら。
それからいろいろなお話をしたわ。名前とか、出身地とか、お誕生日とか。本当はもっと聞き出したかったんだけど、どこかから現れた赤毛の無礼な男に邪魔をされてしまったの。
幸せな暮らしの第一歩は相互理解から始まるというのに。
でも行き先が同じ内藤新宿だったのは、やっぱり運命のなせる業。
大丈夫、この先どんな困難が待ち受けていても私は諦めません。
きっと悪太郎さんと二人、運命の導くままに幸せになってみせます!
あァ、あのお薬を飲んでもらえたなら、運命ももっと早く回転を始めたのに。
◆◇◆
「…藍…一体何を考えて…」
「小鈴殿、いくら幼馴染みとはいえ他人の日記を盗み読みするのは…」
「ボクが弓を仕舞ってる場所に、この帳面を開いて置いたのは藍なんだよ!それはボクに読め、読んだら協力しろって意味なんだ」
「そこまで判っていて何故愚僧に…まさか小鈴殿!」
「一蓮托生、ってイイ言葉だよね」
ボサツ様、周囲を巻き込んで暴走開始。
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