平成11年4月8日(木)、先日受診した人間ドックの結果表が届きました。
子供の頃、成績表をもらった時にドキドキしながら見た、そんな感じで開封しました。
ところが、いつもと違って、余分な紙が入っている。「何だろう」と思って開いてみると、
「至急、精密検査要」という文字と、「腫瘍」という文字が、目に飛び込んで来ました。
もう一度、一字一字ゆっくり読み返しました。
間違いなく、「前立腺腫瘍の疑いがあるので、至急、精密検査をするように」とのことでした。
頭の中が真っ白になって、体が少し震えている私に、妻が何か言っている。
その言葉を、はっきり聞き取れるようになるまでには、少々時間がかかりました。
「なんて書いてあるの」と妻。
「腫瘍の疑いで精密検査だって」と、平静を装って答えた私。
「そういう話は、よくあることらしいよ」と、妻は驚いた様子も見せず、
近所の誰それさんも、ドックで引っかかったけれど、元気にしているとか、私には、単なる
気休めとしか受け取れない話を、淡々と話す。
しばらく沈黙が続いた後、
「いい病院がないかなあ」と、ワラをもつかむ思いの私でした。
偶然にも、この時期、ガンの宣告を受けて早期に亡くなった人の話が、毎週と言っていいほど、
いろんなテレビ局から放送されていました。
「去年の夏、一緒に花火を見たお父さんは、もういない」とか、
「半年前は、あんなに元気に、子供達とテニスをしていたのに」とか。
無意識の内にも、ガンに対する死の不安というものが、体に叩き込まれていました。
その夜は、眠れないまま、寝床で、これから先のことを考えていました。
隣で、何度も寝返りを打つ妻も、おそらく、私以上に心配しているでしょう。
長い、長い、夜でした。

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