30/06/2002
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16/06/2002
緑色人 1試合 水原 晴れ いま、思うと今日はとても素敵なフットボール日和だったのかもしれない。緑色人の素晴らしい応援に、感動的なスタジアム。真剣勝負の緊張感と充実感にあふれた敗北。少々困ったこともあったが、フットボールのエッセンスが凝縮していたと云っては、云いすぎだろうか。 昼過ぎに起きて、キムパッを買ってきてお茶と一緒に朝食に。何気においしいのが困ったものだ。少々仕事をしてから午後5時半に宿を出る。今日は水原でのエスパーニャ対エールだ。いつものように鐘閣駅から1号線に乗ってそのまま水原まで。駅の構内から緑色人が目につく。エール代表のいるところ、彼らアイルランドサポーターがいない場所はない。
が、不思議なことがあった。僕の斜め右後ろにいたエスパーニャのラウール7のレプリカを着た東洋人3人組である。日本のパチスロの777を気取っているのか、その滑稽な存在は壮観でもある。そして、彼らはスペイン語で「そして、それです(または「彼です」)」(いー、えす)「わたし、はい」(よ、し)。と、わけわからない声を出す。そして、たぶんブラジウ語で生ビールのことを云っているのか「しょぶ、しょぶ」(本当は「ショッピ」)と繰り返し叫んでいる。いくらエスパーニャの応援だからといって、「そして、それです」、「わたし、はい」と叫ぶのは、応援どころか試合を見ての独り言にさえ思えないのだが、いかがなものか。そうか。いま、思うと、あれは英語と日本語だったのだろうか。「イエス」と「よし」。マジ?。エスパーニャの応援でそりゃないだろう。もしも彼らが日本人なのだとしたら、あまりに恥ずかしくて穴を掘って入りたいほどだ。
時間も遅くなったのでそそくさとスタジアムを後にして、止まっていたバスに乗車。ところがこのバス、どうやらいわゆる市営のスケジュールバスだったようで、なかなか発車しない。どのバスがどれでどこからどのバスに乗れるかといった情報がよくわからない水原のいいかげんさにはまる。書いてある行き先も他の直行市営バスと一緒で、運転手が言うことも「すうぉんよ」のみ。見分けがつかない。が、ケンチャナヨだ。このいいかげんさが大韓精神。バスはたっぷり15分ほど待機してからゆっくりと発車。その間10台は水原駅行きの直行バスが走りさっていった。途中バスは停留所に律儀に停車して、20分後水原駅に到着。 来ていた電車は九老(くーろ)行き。座れたのでとにかく乗っていってしまうことに。すると次の駅で大量の緑色人が乗り込んで来た。敗戦がショックだったのか無口で表情は固いけれど、思ったほどではない。ただただじっとつり革や手すりにつかまっている。フットボールが大好きな子供のような大の大人。緑色人たちは非常に好感が持てる人々ではあった。 九老で乗り換えて、旅館の最寄駅である鐘閣駅のひとつ先、鐘路三街で降りる。夜遅いけれどお腹がすいていたので、あたりをぶらぶらして24時間営業の食堂へ。プデ(部隊)チゲを食べる。スパム、ソーセージ、トック、豆腐などを唐辛子で煮たはっきり云ってジャンクフードに近い代物だが、アメリカ軍の供出品である缶詰を使って作られた現代史が生んだ食べ物のひとつ。韓国の軍隊でも食べられ、軍隊仲間同士で懐かしく食べていたものが一般化したらしい。沖縄のポークたまごと似たような出自かもしれない。 この店では79歳のご老人が日本語で話し掛けてきた。生まれや戦争時の話など。このパターンは過去の経験から、こちらにとってきつい結果になる場合が多いので、ニコニコしながら話を聞き、急いで食べ尽くし、さっさと店を後にする。 一日が終わった。水原は近いわりにとっても疲れる。電車に乗っている時間と駅からのバスがめんどくさいからだろう。もっと遠い大田や全州の方が楽に感じてしまう。とにかくも、今日はフットボールを堪能した。 |