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29/06/2002
トゥルキエ

1試合
東京

トゥルキエ 3-2 韓国。試合としては見ていられた。トゥルキエの鮮やかな得点が3つ。しかし、韓国はかなり疲労していたのだろう。動きは鈍かった。応援の方も、ポルトガル戦からはじまる3試合のそれとはまったく違う。どこか引いたようなところがあった。トゥルキエが友好国であるという事実がメディアを通じてこれでもか、と喧伝されていた結果かもしれない。

韓国は良くも悪くもメディアの国である。メディアで繰り返される言葉や映像が一般大衆が知的に語る言葉と行動に大きな影響を与える。ラテン3国を葬り去った試合もそれまでのメディアの盛り上げ方は目に余るほどだった。考えてみれば日本もその点ではまったく同じなのだけれど。しかし、これほど、大衆煽動がうまく運ぶと、マスメディアも快感なのではないだろうか?。いや、マスメディア自身も自分達に酔っているところがあるので、そこまで客観的に考えてはいないのかもしれない。


今回の大会で、韓国および日本では確固たる個が存在するには改めて多大なエネルギーが必要とされるという事実を目の当たりにしたように思う。ただ救いはインターネットというメディアだったかもしれない。キーボードを介してディスプレイに投影される文字のみによってコミュニケートされる掲示板などでは、マスメディアや大韓に対する盲目的な反対意見もみれられたが、文章を書くというバイアスがかかる分、そこには自分という個と対峙する時間が生まれるため、非常に論理的な思考にも出会うこともできた。

大韓精神と“何か”によって韓国は4位というポジションを得た。2試合現場で見たが、僕は韓国が強いとはぜんぜん思えなかった。宋鍾国など何人かとてもいい選手は確かにいる。確かに速い。スタミナも素晴らしい。が、それだけなのだ。なんといっていいか、試合の膨らみというか余白というかゆとりというか駆け引きというか。そんなものがまったく感じられなかった。言ってみれば、今回の大韓民国国家代表は、“これまでのアジアのやり方を究極にまで持っていったチーム”といえまいか?。その点で大いに評価はしたい。フィジカルと速さとそれらを生かしきる組織を選んだヒディングはさすがだ。

が、これは好みの問題なのかもしれないけれど、それだけなのだ。韓国代表から受けるものは。ここから先が見えない。これからどうするのだろうか?。今のやり方を踏襲していくのだろうか?。実際はポルトガルにも、イタリアにも、エスパーニャにもホームなのに追い詰められたあのやり方で。

大韓民国に先が見えない。いや、見えなくてもいいのかもしれない。この一瞬にかける。今にかける。今がよければいい。大韓精神からすればまったく正しいのだが。


一方でトゥルキエは素晴らしかった。準決勝のブラジウ戦は惜しかったが、この試合は自力の差が出たと言ってしまえばそれまでだが、それだけトゥルキエが良かった。この良さは日本戦以外のすべての試合で見えていた。グループCの初戦。最初のブラジウとの試合。あれは最悪でも引き分けの試合だ。上手くいけば勝てた。コスタリカ戦は仁川で見たが、本当のフットボールチームであるトゥルキエはフットボールの文法に則り過ぎたのでは?。交代などで守りに入ったところをやられた。中国戦も見たが、これは完勝だ。しかももう一試合の状況を見ながらのフットボールだった。日本戦は巧かった。優秀な開催国との戦い方を行った。セネガル戦は興奮した。いい試合だった。ベスト8の試合の中では個人的に一番だったように思う。長居で見られて幸せである。

そして今日はついにオカンが後半から登場した。インテルでやっているような何気ないのにきちんと意図のあるパスと驚異的なキープ力。これまでの試合で見られなかったそのオカンが見られたというだけでも今日は良かったと思う。もちろんイルハンはナス農家の後継青年のようでとても素敵だった。ハカン・シュクルも調子は良かったのもあるのだろうが、今日の韓国ぐらいのチームなら問題なく働いたということか。ウミト・ダバラ、ハサン・シャシュ。ルスチュ。バシュトゥルク。いい選手が多い。相手チームの攻撃の芽を摘むトゥガイは好みだった。

トゥルキエは日本人好みのチームだと思う。メヒコとともに日本代表がとりあえず目指していいチームかもしれない。定期戦をやってもいいのではと思うほどだ。この大会トゥルキエを3試合現場で見られたというのは眼福だった。