<シンポジウム>
 テ ー マ 「がん〜あなたは何処で看取られたいですか〜」
 ●挨拶   川井敏久氏(千葉県松戸市長)
 ●シンポジスト
 藤田敦子氏   市民の立場より(NPOピュア代表)     
 苛原実氏     医師の立場より(いらはら診療所院長)
 松戸市担当者(大光房枝氏)  市の立場より(松戸市健康福祉本部)     
 野村隆司氏 県の立場より (千葉県健康福祉政策課政策室長) 
 ●司会      和田忠志 (あおぞら診療所)
 ●コメンテーター  池田徹氏(生活クラブ生協理事長)

和田忠志 日本人の三分の一が癌で亡くなる。どのように痛みを取るかが課題。しかも自宅でなくなる方は減少の
       一途、欧米よりなお低い。

藤田敦子 病気・障害のときに人生を選択できるか、・・。施設には制約が多い。出たかったが、在宅とはならなか
       った。外泊はできたが。服部義博医師、・・。志をもった方だったが亡くなった。
       在宅ケアを市民側から、・・。地域の中で最期まで自分らしく生きることを支援するために。「悲嘆ケア」
       のVT講座を実施。電話相談を火・金に実施。感謝の電話をいただいた。千葉県在宅がん患者緩和ケ
       アネットワーク指針を策定するにあたり、緩和ケアの質の保障、窓口の設置などを要望した。
       在宅ケアとは、いつもと同じ、普通の生活をかなえること。

大光房枝 基幹型在宅介護支援センター長。職員8名。4つの基本事業。何処で看取られたいか、自分の場合、
       男性は自宅、女性は施設が多かった。家族でも同程度。65歳以上では、在宅サービスは充実している
       と言ってよい。
       ターミナルケアでは、65才未満、また、介護保険対象外であっても、訪問介護などを受けることができ
       る。地域の助け合いという点で、五香六実で、相談協力員のモデル事業。独居、日中独居などに対応。
       困ったときに助け合いができる街作り。

野村隆司 健康福祉千葉方式。過去、がんに関する仕事の中で、思い出したこと。国にいたとき、壮年期にがんで
       死亡した人の家族にアンケートを送った。自由記載欄を作ったところ、心痛むような、医療機関や行政
       への不満がかかれていた。本にしようとし、出版した。
       在宅での死亡状況、13.7%という数字。昭和30年代から比べると・・。県立がんセンターに25床の緩和
       医療病棟を建設。健康福祉千葉方式の議論の中で、「横断的」が大切との結論。どうしても効率性が
       よくない。

苛原実  開業10年。最初は整形外科医。初めての往診依頼で、骨折のおばあちゃん、入院拒否。それがきっ
      かけで在宅を始めた。ずいぶん考え方も変わった。在宅医療は誰でも受けることができる。緩和ケア
      には神経難病なども含むと思う。緩和ケアで、24時間体制を作ることは難しい。退院の準備不足。
      がんの患者で夜呼ばれることが多い。
      77才の女性、食道癌。在宅は難しいと思われた。家族は知的障害がある。81才の夫は脳梗塞で入院。
      娘が心配で入院できない。最期まで診られた。在宅での緩和ケアが難しい理由として、家族介護力
      の不足、在宅しに対する不安、医療機関の情報不足にあろう。家を診療所の隣にすれば?アパート
      8戸を建設、訪問看護師を置いた。
      転居したケース、夫は末期癌、妻は痴呆がある。6条一間で同居。すると、車椅子に乗り食堂へ出る
      など元気に。癌は、3人に1人が亡くなる病気、当たり前の病気であると認識すること。自宅で難しけ
      ればグループホームなどで。

和田   とうかつホスピス研究会宮坂様、発言を。

宮坂   5年前にこの会を作った。柏にがんセンターがあるのに、国立故地元優先とは行かず、入れなかった
      叔父。柏にホスピスを作りたいと思った。ホスピスを標榜して建てるのは難しいと言われた。ターミナル
      ケアはするがホスピスとは言いたくない診療所の医師。期待と落胆が募る中で、マザーテレサの言
      葉を思い出した。「死を待つ人の家」
      行政がしないこと、行政を変えてやらせればいいのにどうして?との問いに対して「私は、一人の人に
      手をさしのべます。もう一人、助けが必要ならもう一人に手をさしのべます。」との答え。できることをと
      この活動となった。無資格でやれることをやっている。介護保険外の人への活動に興味があれば声
      を・・。
      またボランテイアという縛りには?

和田   いま、無資格者の関わり、ボランテイアの無償性について2点の質問がありました。次に県の和田様の
      ご発言さん。

和田(県) 緩和ケア関係、3つの事業を計画している。1番目は、ネットワーク運営事業、これは県内16保健所の
      うち14保健所(2保健所、千葉市・船橋市は担当外。)に事業拠点を置きたい。2番目は、一人暮らしがん
      患者への個室形態の集合住宅において緩和ケアを受けられるかどうか。3番目は在宅緩和ケアに関す
      る社会的人的資源の調査。県内の医療機関等にアンケートを実施する予定。

藤田   無資格の件では、心をわかるというところがとても大切だと思う。体位変換などの行為になれば、専門
      性?目の前のその人を助けたいが原点。わずかなお金でも有償の方が負い目にならないのでは・・。

野村   今の話では、介護保険・支援費の制度外のことを考えていると思う。パーソナルアシスタンスとして考え
      られている例があるが、有償で行われている。助け合い社会という視点から、(行政依存でなく)行う
      ことが肝要か。

苛原   ケアの本質から見て有償がよいと思う。長続きさせたい。

和田   病院で亡くなる方が多いという点、自宅で見るのはたいへんという心理的障壁があるのではないか。

苛原   かつては病院の医者だった。自宅で見るのはたいへんだろうとは思っていた。病院に預けていれば
      死ぬまで面倒を見てくれるという時代が長く続いてしまった。ちょっとした意識改革で緩和ケアが改善
      されるということはあると思う。

藤田   人が死んで行くということを見ることが少なくなっている。元気な人しか見たことがない。わからないから
      こそ不安になる。少しずつ在宅で大丈夫なんだを広めたい。逆に私達が何にも知らないということを
      専門家は知って欲しい。

古田(フロア) 夫が癌、自宅で見ている。どんどん体が衰えて行くところを見ている。私の環境はあおぞら診療所
     の近く、恵まれており自宅で見たいと思うが、私の思いだけでやってよいのか迷っている。散歩したいと
     言って200メートル歩けない、車椅子に乗せていいのか等と悩んでいる。リスクも聞いている。自分で担う
     べきか

藤田   迷っていいと思ってください。家族が次の瞬間具合が悪くなったりということを経験する。和田先生にぶ
      つけていただいてよいと思う。

和田   有償であることが重要という話をいただいた。必ずしも恵まれた方ばかりでない。一人暮らしの場合、
      なかなか最期まで自宅でとは行きにくい。若年者の癌患者の場合の不利については支援費を利用
      できる可能性など。そのあたりの問題いかが?

大光   介護保険でも支援費でもなく、その他(表現はよくないが)というところで対応している。36才の女性、
      56才の男性、64才の男性の3例があった。低所得という点では住民税基準で対応。グループホーム、
      在宅扱いになる。病気の方も支える制度になれば。

苛原   独居の方を介護保険だけで見るのは確かに難しい。「家」という考え方から「地域」と、少し広げて考え
      ていただければ。いま、生まれながらの家に住む人はほとんどいない。事前の解決策かと思う。

藤田   独居である人が癌になったというより、その前から手を添えられるような地域であれば。地域の中の
      いろんな人を地域で見て行くことができれば。

野村   ホスピスといえども病院。ユニットケアが集団ケア型の特養に対して出てきている。それも施設。前進
      だが、・・。グループホームなどは、高齢者・障害等、共通の部分とできるのでは。

和田   ホスピスへの期待もある。日本では病院だがイギリスではケアハウス。

苛原   ホスピスというより緩和ケア病棟。県の建設では数が足りない。ホスピスには抵抗があり、医療機関
      なら安心する。30万分の6千人というのがホスピスの利用率。

吉原   私の住まいは41年前に松戸市が戸建ての住宅を建てたところ。33.7%の高齢化率。独居の高齢者
      が多い。癌だという方が顕在化してきている。全部老夫婦世帯。市立病院で診察を受けながら自宅
      で暮らす方の話、いざというときの生活の不安を訴える。24時間の診療所ができたといえば大喜び
      した。私も癌を宣告されるかと覚悟したところ。
      病院でいいのかという問いは持ち続けてきた。在宅ケアを是非充実させて欲しい。

水島(学生) 夜中に肉親を看取ったとしたら、すぐお医者様に来ていただきたい。ヨーロッパでは朝まで待って
      いるのが当たり前という話もあったが・・。

藤田   大きな不安だと思う。医師がいないということもあり得る。医師会というくらいの規模でシステムができ
      ないと不安も消えないと思う。

大光   ヨーロッパでは長年培った伝統もあろう。

野村   自分の肉親を考えると、主治医に来てもらいたいと思う。もし不在なら、朝まで待つ方がいい。

苛原   現状でも、ほとんど1時間以内では往診している。

藤田   亡くなったときナースが立ち会ったという例もある。警察が入ってしまうという不安もあるが、・・。

苛原   心配はない。

和田   風の村理事長の池田様、最後に。

池田   1時から話を聞かせていただいた。私自身は脊髄の先天的な障害があり、10回くらい入退院している。
      退院は本当にうれしい。入院は、・・。点滴に疑問を持ちとにかくはずしてくれと言ったこともある。
      病院か自宅か、施設か在宅かではない、第3の道があるのではということを考えている。そうした
      新たな形態を、介護保険の次期改定で新たな制度を作ろうと厚生労働省で考えているよう。自宅の近く
      にもう少し安心できる集合住宅を考えて、そこが安心できる場所であるというもう一つの選択肢があって
      もよいか。
      介護保険の制度として考えられているが、そうではない、自宅より安心できる集合住宅として、高齢
      者だけでなく、混在できるようにしては、・・。これは、健康福祉千葉方式そのもの。縦割りではなく、
      地域の中で自宅に住むことができなくなった人が混住できる場所を。私は、この方式を民間人として
      推進する立場。
      施策の作り方から大きく変わった。タウンミーティングで骨子案が議論される。我々はただ意見を
      言う人ではなく、主体者、県職員は制度作りの職人として関わる。

和田   長時間にわたりありがとうございました。