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神代恭介警視正:二谷英明 (全回出演、ただし'79年1月〜4月は一部を除きオープニングのみ) 往年のビッグスターは白髪になったが、この番組を最後まで引っ張った。「太陽にほえろ!」が陽とすれば「特捜」は陰であった。「太陽」石原裕次郎に比べ地味な二谷もまた、陰のイメージをもっていた。しかしそれがあってこその「特捜」であったといえよう。 神代は特命課課長。神代のイメージは番組当初から最終回まで変わることはなく、エリート中のエリートであり、責任感が強い。冷徹だが、捜査には真摯に取り組み、家庭、そして自らも顧みない公の下僕たる刑事を演じつづけた。不在の時期をのぞき、常に特命課を仕切り、時には自ら捜査に当たった。 家庭を顧みない結果、妻と死別。娘も事件に巻き込まれ銃殺される。冷淡さの中に押し殺した血気や狂気をときに見せる神代の生き方はまさに、「刑事魂」にあふれていた。 最終回では政界や暴力団などの癒着を、西岡刑事(蟹江敬三)の協力を得ながら、自らの生命をかけて暴きだそうとした。瀕死の重傷を負うが、課員の尽力のおかげで一命をとりとめ、神代は特命部長となって番組は終わる。 ※二谷は、往年の映画スター。石原裕次郎と肩を並べていた。「太陽」の石原とは常に対照的な二谷だったが、その重厚さには誰もが酔った。現在はODAなど、ボランティア活動に力を注いでいる。妻の白川由美も、冷泉監査医役でたびたび出演した。 津上明巡査長:荒木しげる (1回〜'80年1月、147回) 番組初期はエリート意識とプライドに満ちたイヤミなキャラだったが、徐々に優男になり、熱血ぶりを示すように(最初強烈だったキャラ設定があいまいになるのは「特捜」の宿命か)。 神代の娘、夏子に好意を寄せていた節がある(「惜別」「凶弾」「凶弾U」)。 初期は自らの正義意識が強すぎ、神代と対立。仲間われを起こすこともしばしば。神代と泥だらけのとっくみあいを演じるシーンは印象的だ。'80年、細菌風船とともに爆死し最期を迎えた。老いを見せることなく最後まで美しさを保ちつづけたキャラクターでもあった。 ※彼も子供向けアクションで知られる。元はGSでドラムを叩いていた。現在は2時間ドラマなどで見かける。 吉野竜次巡査部長:誠直也 ('77年4月、1回〜'85年10月、435回) 特捜を語るときにははずすことのできない、重要なキャラクターが吉野だった。番組初期はタートルネックを着こなすオシャレ青年だった吉野は、徐々に「お調子ものだがやるときはやる」中堅熱血キャラとして番組をひっぱった。特命課の中では異色の豪快さをもつ刑事であった。 しかし、被害者の心を思いやる繊細さもまた、誰よりも強かった。他の俳優がもちえない「若さ」「芯の太さ」がある、華のあるキャラクターを誠は演じた。 吉野は番組第1回からほぼ毎回出演。なぜか海外ロケ編ではお留守番になることが多かった。'85年、立てこもり犯の説得中、不慮の事故で殉職した。(番組リニューアルの犠牲だとしたら、悲しい…) ※子供向け戦隊もので有名になる。おもに時代劇や2時間ドラマなどに出演。 高杉陽三巡査部長:西田敏行 (1回〜'79年4月、105回、ただし後半はほとんど出演せず) 特命課随一の人情派。番組初期に早々と降板してしまったが、青森生まれという利点を生かし、なまり混じりの言葉で人情味あふれる、貴重なキャラクターであった。 番組初期の特命課は、仲間とは思えない異様な敵対意識に満ちていた。冷たい会話が交わされる中を、独特の東北なまりで打ち破るムードメーカーならぬムードブレイカー、それが高杉であった。 特命課から緊張感が薄れた2年目、コメディリリーフを吉野に譲り、西田敏行は多忙のため徐々に出番を減らし、3年目に降板した。あるいは、強烈すぎる個性をもつ高杉を、番組は必要としなくなったのであろう。 高杉が去った後、姪の高杉幹子婦警(カンコ・関谷ますみ)が加入。彼女は5年以上にわたって特捜を彩った。 船村一平警部補:大滝秀治 (1回〜'79年9月、128回/'80年7月、170回〜'85年8月、430回) 「特捜」を語るときにこの人もまた、はずせない。大滝は頑強な刑事の雰囲気をただよわせており、彼の放つ、舞台仕込みのねちっこい芝居と、独特の高音の声は、番組のスパイスとなり、ときとして核となった。 「おやっさん」のあだ名で親しまれたベテラン刑事。昔気質の江戸っ子。それゆえ、事件以上に当事者の事情に首をつっこみ、神代をはじめ他の刑事と対立することがしょっちゅう。 船村は暴走しがちな若い刑事たちを諌め、自分の身を呈してまで捜査に没頭。拳銃を手に身構えるシーンは、初期に多く見られたものの、実際に発砲したシーンはほとんどない。アクションより頭と足で勝負するタイプの刑事でもあった。 3年目途中で妻ががんに冒され、その介護のため刑事を退職、ビーフシチュー店を経営するが、妻の死後、定年年齢が延びたことと、神代の後押しもあって特命課に復職。娘はハワイへ嫁いだが、その夫が事件に巻き込まれ死去。以降二人暮らしを続けていた。5年間勤めたが、心臓の病が悪化し、85年、定年を前に体力の限界を感じ現役のまま退職。 ※劇団民芸の中心メンバー。「北の国から」などでも活躍。独特の搾り出すような高音の肉声は一度聞いたら忘れられない。一歩間違ったらセクハラのような、相手と肌をこすり合わせる迫真の演技も彼の味である。 桜井哲夫警部補(警部):藤岡弘 (1回〜'78年3月、52回/'79年3月、103回〜最終回(508回)) 国際派、かつ武闘派の刑事。もっとも発砲率の多い刑事が桜井であった。 番組初期は、年齢のわりに警部の肩書きを持つ、寡黙なエリートを演じた。ヘリコプターへの搭乗も桜井の独壇場だった。2年目で一旦番組を去る。アメリカに行っていたが、友人を殺された恨みで事件を起こし、大暴れして日本に帰され、3年目に復帰。警部補に格下げされるほどの「荒いキャラ」に転身。ヘリコプターは紅林にまかせ、桜井は肉体で捜査する、若手のまとめ役に徹した。 また彼の家庭も重要なファクターであった。父も兄も弁護士で、哲夫も弁護士になるはずだったが、結局それと対峙する立場の刑事になった。 ※「仮面ライダー」で子供たちのヒーローとなった藤岡は、「特捜」でステップアップ。その後アメリカ進出を果たす。独特の存在感を持つ俳優として、ドラマにCMに、現在も第一線で活躍中である。居合いの技は芸能界随一と言われる。 紅林甚一警部補:横光克彦 ('78年3月、52回〜最終回) 外事課あがりで、英語も堪能な刑事。「羽田発」で鮮烈デビュー。特捜2年目から参加。 桜井の穴を埋めるため2年目に加入し最終回まで「特捜」を支えた紅林。過剰に無骨でもなく、かといって極端にスマートでもない。中途半端と言ってしまえばそれまでだ。しかし地味ながら、アクションも頭脳プレーも、そしてロマンスもこなすオールラウンドプレイヤー、それが紅林であった。 あだ名は「くれさん」。英語が堪能。ヘリコプターの操縦免許を持っており、桜井からヘリ要員の座を受け継いだ。桜井復帰後もヘリといえば紅林、空からの捜査は彼なしには始まらない、というくらいヘリが似あう男だった。 ※脇役俳優として、時代劇などに出演。1年目には「特捜」にゲスト出演している。現在は語学力を生かし、衆議院議員として活躍。 橘剛警部:本郷功次郎 ('78年4月、53回〜'87年3月、最終回) 2年目に加入、紅林同様最終回まで在籍し、特命課ナンバー2として数々の名捜査を繰り広げてきた。当初は長崎からやってきた流れ者刑事という設定で、髪は長くヒゲは延ばし放題という小汚いオッサンだった。しかし徐々に隠れた能力を発揮、神代不在時には課長代理としても活躍、特命課を裏から支える存在でもあった。 神代ですら婦警をあだ名で呼んだが、彼は名字で、しかも呼び捨てで呼んでいた。婦警を「(男社会の中の)女」としてではなく、「同僚」として認めていた証左か。 ときどき彼の家庭のエピソードが登場していた。妻と別居し、息子を残して上京していた。しかし息子は父を頼って進学のため父の元で勉強していた。 ※彼もまた往年の映画スター。本格的なテレビ出演はこの「特捜」が最後となった。 滝二郎巡査:桜木健一 ('79年4月、108回〜'80年7月、169回) 3年目に加入。一介のおまわりさんだったが、本人の強い希望と神代の配慮で特命課入りしたという異例の経歴を持つ。コメディリリーフとして活躍、カンコとのロマンスも生まれかけたが、事件がらみで知り合った女性と結ばれ、ラーメン屋になるため退職。加入、降板ともにほとんどフィーチャーされなかった上、第1回にも最終回にも出演していない唯一のキャラクターということで印象は希薄だが、特命課の若返りと活性化に寄与した人物といえよう。 ※「柔道一直線」の主役として有名。現在は舞台俳優。 叶旬一警部補:夏夕介 ('80年2月、148回〜最終回) 3年目終わり頃に加入。年齢の割に警部補の地位を持つ。エリート意識の塊で、手のつけられない暴れん坊という設定でスタート。親の顔を見たことのない子供という設定で、動物にしか心を開かない孤独な役回りだったが、ご多分にもれず設定は薄れていき、クールでまじめ刑事に。 そんな刑事をみごとに演じた夏は、叶刑事役に就く前に4回ほど「特捜」に出演した。悪役もこなしている。 夏の加入、大滝の復帰で「特捜」は充実したメンバー構成となり、その後約5年間にわたってメンバーの入れ替わりがない時期が続いた(あまりにも変化がなかったためか、渡辺裕之や五代高之が臨時に準レギュラー入りしたことがあったが、正レギュラーにはならなかった)。 ※「愛と誠」などヒット作で知られる俳優。 時田伝吉警部補:渡辺篤史 ('85年10月スペシャル・436回〜最終回) 「特捜」にマンネリが出てきた85年、船村の退職、吉野の殉職に伴い新しい刑事を二人迎えた。その一人が時田であった。エリート・まじめぞろい・家庭に恵まれないという特命課にあって、「家庭を重んじ」、仕事にのめりこまない中年刑事という設定であった。それゆえエリートに対しての拒絶心も見受けられた(やはり後半は熱血刑事になっていったが)。時田の参加は、おやっさんが去った後の高年齢層を充実させる意味合いもあったのであろう。 ※現在は俳優よりナレーターを中心に活動。テレ朝「建もの探訪」も有名。 犬養清志郎巡査部長:三ツ木清隆 ('85年10月スペシャル・436回〜最終回) 時田とともに特命課に加入。最初から熱血刑事という設定であった(最初の設定を無視して熱血化していく特命課にあっては特殊な存在かもしれない)。 おしゃべりで煙たがられるところもあるが、熱血漢。そんな設定のため、どちらかというと狂言回しのような存在になることが多かったが、若々しさを武器に特命課に新風を与えた。 ※三ツ木も、犯人役で1度出演経験がある。 杉敏夫巡査:阿部祐二 ('85年11月、440回〜最終回) 85年に時田・犬養におくれて加入。巡査としての特命加入は滝刑事以来。背も高く、キリッとした刑事。実直でそつがない。80年代を象徴する「新人類」「新世代」を感じさせる刑事を演じた。 オープニングシークエンスではアイちゃんといっしょにされた上、阿部のつたない演技力もあり、いまいち地味な印象はぬぐいされなかった。 ※阿部は俳優を廃業、現在は日テレ「ルックルック」リポーター。 児玉雅子巡査:槇葉子 (1回〜'77年7月、14回) ほんとの初期、特命課セットが近未来風だったころに登場していた婦警。ほとんどエピソードナシ? 玉井光子巡査:日夏紗斗子 ('77年7月、16回〜'79年4月、108回) 初期に登場した婦警。神代からも「みっちゃん」からと呼ばれ、皆から愛された存在。 高杉幹子巡査:関谷ますみ ('79年5月、109回〜'85年11月、440回) 高杉刑事の姪として登場、オールドミスになるまで、実に5年以上特命課に在籍し、数々のエピソードを彩ってきた、特命課名物婦警。滝刑事とのロマンスも生まれかけた。夏の怪奇シリーズでは主役も張った。幼なじみと結婚し退職。 江崎愛子巡査:愛田夏希 ('85年11月、441回〜最終回) 後期に登場、あだ名は「アイちゃん」。元気の良さがウリだった。 E-Mail: new-new@nifty.com
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