野生種とヒメダカ
ヒメダカは今から150年以上前の江戸時代、江戸の金魚屋さんが扱ったのがはじまり

野生種・黒メダカ ヒメダカ
野生種・黒メダカ

ヒメダカ

野生種・黒メダカ と ヒメダカ について
 
 私たちがふだん目にすることができるメダカには、黒っぽいメダカとオレンジ色っぽいメダカの2種類がいると思います。他にも白いメダカなどもいるのですが、こちらは、なかなか出会うことはないでしょう。ちなみに写真で紹介している黒メダカは「小田原メダカ」です。
 
 さて、それではどうして色のちがいが出てくるのでしょうか。
 それは、メダカの体の表面に、色素(しきそ)という色の点々がついているのですが、その色素を持っている種類がちがうので、色が変わって見えるのです。
例えば、雑誌(ざっし)などの印刷物を虫めがねで見てみると、赤・青・黄色の3種類のインクで印刷されているのがわかります。そのインクのがどのように集まっているかで、いろいろな色に見えるのです。メダカも、どんな色素を持っているかで、体の色が決まってくるのです。

 さて、メダカにはインクではないのですが、黒メダカの体には黒と黄色と白の色素がならんでいます。そのために、真っ黒というよりは、少し茶色っぽい色をしています。 その一方でヒメダカの体には、黒メダカにあった黒の色素がありません。そのため、オレンジ色のような体をしているのです。
 このような色素は、メダカのうろこを1枚もらって(ちょっとかわいそうですが)、顕微鏡(けんびきょう)でのぞいてみると見つけることができます。

 なお、これらの色素は、明るさによって伸びたりちぢんだりするので、色の濃さが変化し、どちらのメダカも暗いところにおいておくと白っぽいメダカになってしまいます。また、同じように外でメダカを飼っていても、白いプランターで飼われているメダカの方が色がうすくなってしまいます。

 ちなみにヒメダカは、黒メダカの中でたまたま黒い色素がなかったものから作られたようです。ずいぶんとその歴史は古いようで、ヒメダカはペットとして飼いつづけられてきたのでしょう。今では熱帯魚屋さんで、大きな魚のえさとして売られていることが多くなってしまいました。たまにネオンテトラのとなりでりっぱな水そうに入れられて売られているのを見るとうれしくなってしまいます。


  
野生種と黒メダカについて

 「黒メダカは野生のメダカだから、どの川に放してあげてもよい。」というのは間違いです。
メダカは日本各地に住んでいますが、地域によって、あるいは川によって、それぞれちがいが見られます。
 図鑑・あるいは専門家の話では、メダカは日本の本州・四国・九州・沖縄に分布しているとされています。
   つまり、北海道にはいないことになっています。
   しかし、先日2000.8.2、小樽水族館の絶滅危惧種
(ぜつめつきぐしゅ)のコーナーで
   黒メダカが展示されているのを見つけました。
   説明によると、函館・湯の川温泉のメダカで、30年以上前には生息が確認されていたそうです。

 具体的な話はむずかしくなってしまうのですが、神奈川県の話ですと、藤沢のメダカと小田原のメダカは見た目で区別することはなかなかできませんが、遺伝子(いでんし)を比べると、ちがいがあるのだそうです。
 また、富山のメダカのように北日本型と呼ばれるメダカとでは、先ほどの色素の配置の仕方のちがいがあるようです。

 アユやワカサギのような、昔から他の川や湖に放して人が積極的に増やしたりしてきた魚とはちがい、メダカはそれぞれの川で生まれ育ってきたものが多いのでしょう。そのために、それぞれの地域や川のメダカが交わることなく、ほんの少しですがちがいが生まれてきたと考えられています。

 くわしく調べていけば、食べ物のちがいなどから、性格にもちがいが見られるかもしれません。
わが家にも小田原のメダカがいますが、他の地域のメダカに比べるとどうもはずかしがり屋のようで、人影を見るとすぐにかくれてしまいます。

 野生のメダカには、それぞれちがいが見られることを今まで書いてきましたが、中にはそれらのメダカが交じり合って、雑種(ざっしゅ)となっている場合もあります。ペットショップで黒メダカを売っていることがありますが、どこの地域のものかはっきりしていません。
 
 黒メダカだからといって、かならずしも野生のものとは限らないし、身近に売っていても他の地域のメダカであることがよくあります。

 メダカが最近少なくなってしまったので、川に放してあげたいと考える人もいますが、以上のようなわけで、かんたんにはメダカを放したりしない方がよいです。特にその地域に、ほんの少しでもメダカが残っているのならなおさらです。
 
 メダカは1日に20個くらい卵を産めるほど、繁殖力の強い(はんしょくりょく:子どもを増やす力)魚です。まわりの環境がよくなっていけば、自然と増えていくことができるのです。数が少ないというのは環境がよくないからで、新しくメダカを放してやればいいというものではありません。むしろ遺伝子(いでんし)が少しちがっていたり、性格のちがうメダカを混ぜてしまう危険性(きけんせい)があり、今まで住んでいたメダカに、悪い影響(えいきょう)をあたえてしまうかもしれないからです。

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