〔独立行政法人福祉医療機構(高齢者・障害者福祉基金)事業〕(平成16年度地方分)
事業名 地域で生きる障害者のためのIT支援事業 |
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| 本事業により形成された、派遣のための継続的なシステム |
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| 本事業の特色は、単なるIT講習ではなく、IT支援を求めている障害当事者に対して、実習も兼ねてその自宅や家庭を訪問して支援ボランティアをおこなう点にあった。各講習の基礎が終わった段階から、受講生や講師による訪問派遣がおこなわれたが、実際に定期的に、ニーズにできるだけ答えることができるように支援しようとすると、その過程で以下のような課題が存在することがわかってきた。 |
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| (1)派遣側の課題 |
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支援依頼の情報を収集、整理し、当事者の情報、家庭の情報、求められているニーズを全体的に把握する必要性 |
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その情報を受けて、ボランティアの中でできるだけ的確な人を選び出し、そのボランティアに情報を伝える必要性 |
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ボランティアが訪問した内容を持ち帰って来てもらい、その問題点などをチェックする必要性 |
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そういった情報を他のボランティアとも共有し、今後の支援に生かしてもらったり、緊急時にボランティアを変わってもらえるようにする必要性 |
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| (2)家庭側の課題 |
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第三者であるボランティアがスムーズに家庭に入っていくことができるようにする必要性 |
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家庭側の細かな事情や、急な日程・内容の変更にその場で迅速に対応する必要性 |
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その障害当事者のケアプランや医療処置などと連携したIT支援を目指す必要性 |
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その家庭に入っている他の福祉サービスとの連携をとる必要性 |
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| (3)機材、資源面での課題 |
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どの入力装置がその人に適合しているのか、意思伝達装置助成や私費などで準備する前に、本人も納得の上できちんと決定する必要性 |
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ボランティアでインターネットを教えても、その後インターネットで見るサイト、得たい情報がなければ、インターネットを使い続けることなく支援が無駄に終わってしまう。そのための受け皿になるような、身近な福祉向きの情報やコミュニケーションのきっかけとなるものの必要性。 |
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ボランティアが定期的に訪問できるための交通費 |
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| 以上の課題をクリアするため、本事業では試行錯誤を繰り返し、最終的に以下のような派遣システムを考案、実施した。その成果は「事業総括会議」でも議論され、評価された。 |
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| (1)派遣元の統合的システム |
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区役所、福祉事業所、各家庭から寄せられる支援依頼の情報の窓口となる、パソボラマネージャを選任する。マネージャは訪問派遣前に、保健師やケアマネとミーティングを持ち、障害の程度や家庭状況、本人のニーズについて事前情報を集める。 |
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ボランティアのスキル、移動手段、訪問できる曜日時間帯を整理したデータベースを作成しておき、マネージャはそれを元にもっとも的確なボランティアを選任する。 |
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実際に訪問支援をしたあと、ボランティアが支援内容、そのときの様子を報告できるメーリングリスト(ML)を作成しておく。そのML上での報告に対して、マネージャや講習会講師が適時アドバイスをおこなう。 |
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そのMLは、他のボランティアにも受信し共有できるように設定しておく。それにより直接支援していないボランティアも内容がわかり、勉強なるとともに、訪問している人ができなくなった場合の代わりとして、スムーズに入っていけるようになる。共有のため、氏名以外の個人情報などにできるだけ配慮した報告とする。 |
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| (2)支援先家庭での臨機応変な対応システム |
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ボランティアは都合がつく限り2名でチームを作って行く。一人で単独に行くのではなく、できるだけ2名で行って話しやすい、質問しやすい空間をつくりだす。複数で行くと事故やトラブルも避けることができる。 |
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2名のうち1名は、入れ替えずできる限り毎回参加する。その人は、その支援ケースにおけるチームリーダ=「ケースを回す人」という役回りにする。リーダーが家庭との窓口になって日程や求められている支援内容を決定する。特に日程に関しては、事務局やマネージャが統一的に決定するよりも、リーダーが現場で決めたほうがスムーズに決まる。 |
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リーダーは家庭のニーズを把握し、MLを通じて、マネージャに細かく報告する。リーダの判断で講師の指導も適時受ける。 |
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リーダーは各自、そのケースのケアマネージャやソーシャルワーカーにも連絡を取り、時にはケース会議やメディカル・カンファレンスにも参加する。それによってホームヘルパーや在宅介護ボランティアなど、他の支援者との連携を図ることができる。 |
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| (3)障害当事者にとって本当に役立つための機材、資源の準備枠組み |
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試用できる入力補助装置を1セットずつ準備し、訪問の際に持ち込んで利用者に体験してもらえるようにする。それによって、意思伝達装置助成や私費で購入する前に、利用者にとって最適な装置を、支援者だけではなく実際に利用する障害当事者の方が納得して、選択することができる。 |
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支援の結果、インターネットを使えるようになった人も、自分の見たい情報を見ることができず、使わなくなってしまった例もあった。そのため、本事業でインターネットを覚えた障害当事者が、今後もインターネットを便利に使い続けるWebサイトが必要となったため、日本筋ジストロフィー協会がこれまで小規模にもっていたWebサイトを大幅にリニューアルし、そういった受け皿になりうるようにした。まず、所有している入力装置や、パソボラの実態を理解してもらえるようなサイト「サポペジ」を作成した。 |
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在宅で暮らしている障害者・患者がもっとも欲しがっている情報のひとつは、どこで何をやっているかという、自分の地域の福祉イベント情報であった。そこでそういった情報を集め、「西多賀福祉カレンダー」を作成した。こういった絶え間なく日常的に必要な、皆さんが見てきたWebサイトの作成、変更、管理更新は大変なので、運営している業者に、情報収集と定期的な更新(最低2週間ごと)もお願いした。また、日本筋ジス協会のレンタル掲示板をリニューアルし、訪問先の人が、ゲーム感覚で部屋を選び、ネットを利用して会話できるようなきっかけとなる「バーチャル憩の家」も作成し、管理者の24時間体制の管理を依頼している。 |
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経済的に恵まれていない家庭にとっては、ボランティアの交通費が負担となって、パソボラ支援をあきらめる人が意外と多い。これは訪問支援ならではの問題となっていた。経済的に恵まれていない家庭にとって、交通費がはじめてのバリアであったということもある。貴助成のおかげで、ボランティアの交通費については全額補助を出すことができた。これにより、経済的につらい方でも、ボランティアの交通費が問題となってIT講習に二の足を踏んでいた人にも、ボランティアを派遣することができた。貴助成終了後に別の助成を検討しているが、せめて交通費だけは補助できる枠組みがあるといいと思われた。 |