信州の住宅シリーズ
第2回 曽根原家住宅(本棟造りの原型、穂高町)
「本棟造り」とは、江戸時代中期から明治時代初期に主として信州の中・南信地方に発生した
民家様式で、地元では「ほんみね」あるいは「破風屋(はふや)」とも呼ばれ、
1) 平面が正方形に近く、二重破風板や「雀おどり」という棟飾りなどで飾られた切妻屋根
2) 屋根の妻方向に玄関があり、2階部分に格子窓がつくファサード構成
3) 松本平に多く、安曇・諏訪・伊那・木曾の各地に分布する
などの特徴がある。
古くは、板葺き石置き屋根であったが、近年は、瓦屋根へと変化した。(下記写真参照)
この曽根原家は、「本棟造り」の一番古い遺構として重要文化財に指定されたもので、勾配の
ゆるい板葺き石置きの大屋根・二重破風や大きな居間中心の間取りに、「本棟造り」のこの地方
の農家の原型を知ることができる。
このような民家は、その建築費・維持費からみても、それほど古い時代から農民の住居として
つかわれていたわけではなく、世の中が平和で豊かになった17世紀末以降にその地方の庄屋
などの豪農が造らせた上級農民の住居形式として成立したと推定されている。
信州でも雪の多い北信地方にはみられない。しかし、中南信地方での人気は現在も根強いもの
があり、また、勾配のゆるい大きな屋根や破風の構成には近代的な感覚さえみられる。信州を代
表する民家の形式のひとつといえよう。
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| 右参考、窪田空穂生家(明治10年築) | ![]() |