設計事務所に仕事を頼むと、デザインを押しつけられて、自分達の希望どうりに進められないと

思い込んでいる方が、意外と多くいらっしゃいます。

しかし、経験から申し上げますと、実際には、工務店や建設会社・住宅メーカーなどでは、

生産ベースを考えた設計が良い設計だと見なされ、むしろ、建て主不在の設計になりがちなのです。

一方、設計事務所も宣伝をしないとなかなか客が見つけてくれませんので、目立とうとしたり

賞などを意識した設計をしたがる傾向があり、こうした俗説がいわれるようになったかと思います。

数年前に亡くなられた村野藤吾という建築家は、関西を中心に民間建築を主体に仕事をされ、

芸術院会員になられた方で、大変個性的な建築を手がけられたかたですが、「99%は施主で、

残り1%が村野である」と問われて答えています。その姿勢がうかがわれる奥の深い言葉です。

 

よい家づくり、建築づくりの第一歩は、施主の希望をじっくり聞きその真意を汲み取った

提案をしてくれる設計事務所を見つけ出すことからはじまります。

有名だったり、規模が大きいことは宣伝がうまいことの証であっても、良い設計者の証とは言えません。

 

私の事務所では、敷地を読み取ると建て主の希望をじっくりと聴き、よく理解したうえで、

幾つかの提案をさせていただき、それらをもとに納得のゆくまで話し合い、

模型やスケッチあるいは材料見本を見ながら検討を重ねてゆきます。

そうした作業は、仕事の依頼を受けたときから設計・監理・竣工引渡し、あるいはアフターケアまで

継続してつづけられます。そのおよその流れをご覧いただければと思います。


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