信州の美術館
5) 日本浮世絵博物館(松本市)
松本平の田園地帯に忽然と現れるこの建物は、1982年のまだ世の中が大阪万博とメタボリズムの
興奮から覚めやらぬ時代に、篠原一男により設計された。
8m×8m×27mの閉鎖的なRCの箱と、1辺8mの正方形を6つ連続させた幾何学的なファサードで外観
が構成されている。RC造の箱の1階は展示室、2階は収蔵庫として機能する。8mの間隔をあけた
ファーサードとの間はロビー。ファーサードには6つの幾何学的な図案が描かれている。
篠原一男はプロフェッサー・アーキテクトらしく、知的でアバンギャルドな建築を発表しつづけてきた。
前回とりあけた妹島和世や、その師匠である伊東豊雄などへ直接・間接の影響を与えた人である。
デビュー作は著名な詩人の山荘で、「傘の家」とよばれていた。土が剥き出しの斜面を唐傘を開いた
ような木構造の屋根が覆っている心象風景のような作品であったと思う。 国際派というべき作風で、
私も独立したての10年ほど前に、建築家協会のセミナーに通った時、講演を聴いたことがあるが、
「日本の建築はエキゾチックだ」といわれていたのを記憶している。
今日、国際コンペに当選し活躍おられる前出の伊東豊雄も妹島和世も信州とはゆかりのある方
だが、その先生格の篠原一男、その後の「アナーキー」といわれる時代へと導くキッカケとなった
建築作品が信州の松本にあり、今もきれいに公開されている。
場所は、中央自動車道松本ICを出て市街地方面に向かって間もなくの信号を左手に入ると直に
みえてくる。
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