平成14年7月2日

  第7回 丹羽経済塾ご報告
        
                                  丹羽経済塾
                                  幹事長 藤本 龍夫


平成14年6月27日木曜日、夕方6時より霞ヶ関の霞山会館で第7回丹羽経済塾を開催した。

今回から6時始まりにして、来た人から順番に食事をして歓談することにした。その方が時間が有効に使えるからである。また木曜日に開催することによって、翌日に東京での活動ができやすくした。その他、開催日時を2ヶ月先まで決めることによって、「正論」の掲示板に掲載して貰えるように配慮した。

今回は、まず小野副塾長が前回の資料で表現し残したものをスライド(OHP)で写しだして説明をした。

従来方式で日銀が量的緩和策を実施したとしても、貨幣の供給が土地の価額に制約されているため、健全な経済をつくることは困難である。また、政府貨幣を発行する自由度を欠いた経済学では、日本経済を復活させる手段が存在しないのである。すなわち丹羽経済政策以外に、救済策はないのである。

そこで、そのことがよく分かるよう、
ユニークなイラストを描いて説明していた。つまり木が企業で、木が土地に根を張り、その下に日銀が貨幣という水を供給するという絵であった。

木は根から貨幣という水を吸収する力を失っているので、水を直接、葉にかけてやらないと成長しないというのである。現在、企業は金を吸収する力を失っているので、地表には失業者という葉っぱが多く落ちている。

小泉政権の政策は、このような弱った木を切り倒せばよいというものであって、木に水を補給しない政策である。このような説明であったと思う。理論的に説明して分からない相手には、このようなイラストを使う説明が有効であると思われた。

その後、質疑応答と今回、初めて参加した、税理士、自営業の方等が自己紹介を行った。多くの意見が出されたが、小泉政権を支える経済学者は経済学と経営学との区別ができていないというのが共通の見解であったと思う。

あっという間に1時間が過ぎ、今度は丹羽教授の講演に移った。

まず、初めに経済学の初歩であるが、有効需要の原理の説明があった。すなわち有効需要とは、民間最終消費支出(ほぼ個人消費支出と同じ)、民間投資支出、政府支出、純輸出である。
この中で、自生的有効需要支出が最も重要である。なぜなら民間最終消費支出は、所得の従属変数、すなわち、個人の意志で左右できないものだからである。つまり所得の関数であるから、所得が減少しているときに、個人の意志で民間最終消費支出を増額することはできないからである。

自生的有効需要支出とは、個人の意志で変えられるものであり、独立変数である。それは意図された民間投資支出(意図しない民間投資支出、つまり在庫投資の増減を除く意味である)、政府支出、純輸出(貿易黒字)である。

そして(意図された民間投資支出+政府支出+純輸出>(貯蓄+租税)
となるとき景気は上昇し、左辺と右辺がイコールのとき景気は停滞し、右辺が左辺より大きいとき景気は下降する。

すなわち、これが景気変動理論なのである。

ここで在庫投資を省くことなく左辺に挿入すると、景気が上昇するときは、意図せざる在庫減少(売れすぎ)が起こり、景気が下降するときは、意図せざる在庫増加(売れ残り)が発生することによって、左辺と右辺は常に均しくなるが、それでは景気変動を簡明に説明できなくなるので、除いているのである。

また有効需要の原理とは、国民所得や民間最終消費支出は、この自生的有効需要支出の経済全体への波及効果(乗数効果)によって形成されることを意味するのである。
従って景気を良くする方法として、消費を増やすことから始めることは不可能なのである。

またベースマネーを印刷して、それを銀行に渡す方法では、マネーサプライが増加することはない。従って、政府紙幣を50兆円発行し、それを銀行に渡しても効果がなく、やはり国民に直接渡すことによってのみ、有効需要の原理によって景気上昇が始まることを詳しく説明された。その他、経済学者の中には、自説を容易に変えるものが多いことや、事実上、日本経済が破滅するような提言をするものがいることを説明され、参加者も多くが苦笑していた。

最後に中央公論7月号で榊原英資氏が丹羽経済政策と同じく、「政府紙幣発行」を提言していることを、取り上げ、いくつかの点で相違はあるものの、その意義を高く評価された。

今回の参加者は16人であったので質疑応答に多くの時間が獲れたことが良かったと思う。今回も全国からご参加いただき有り難うございました。一刻も早く丹羽経済政策が採用され、日本が高度成長を始めるように頑張ろう。おう!

なお、今後は有力財界人の協力を得られることになりそうであり、政治家への働きかけも一層、容易になると思われる。行動しなければ祖国を救うことはできないのである。高校を出た子どもにも大学を出た子どもにも、就職口が見つかるように努力しよう。おう!                       
                                     以上