タイトル : 歴史と政治
平成14年9月10日          丹羽経済塾 広報担当幹事 栗原茂男
                          ( kulihala@sepia.ocn.ne.jp ) 
 
 
  少し時期外れになりましたが、今年も又8月15日の政治家に世間の注目が集まりました。
 
8月15日になると毎年のように混乱が起こり、いつも思うのですが問題の根源は第ニ次大戦の捉え方が歴史と政治を混合して論じられているところにあるではないかと考えます。「歴史」は「歴史科学」の対象であり、科学的に議論されるべきものです。庶民の噂話ならいざ知らず、政治家が語る場合はそうあるべきだと思います。『靖国』の問題はその意味でいくつもの問題を内在していると思います。歴史科学の解明と検証が不充分であるという問題、死生観などの日本人の文化への軽視、日本社会の儀礼上の形式などです。日本での儀礼はどんな形式なら良いのか、方法が見つからないから儀式は何もしないほうが良いという結論になるのでしょうか。
 
  国家の儀礼上の問題は別として、第ニ次大戦の歴史観には米英仏からのもの、中国からのもの、ソ連からのもの等々、様々ですが、私には検証が極めて不充分な気がします。日本には日本人からの 『 東亜戦争肯定論 』 があります。それに対し議論すらさせないような態度は文明社会への挑戦であり、現代の人間として「下品で恥ずかしい」行為です。
 
『東京裁判 』 が歴史の議論で大きな比重を占めますが、米軍の行った裁判をそのままドグマ化しようとする外国政府要人達に対し私は少なからず軽蔑の念を感じます。彼等には「学問の自由」という概念はないのだろうと。
 
幸い日本では憲法第23条で『学問の自由は、これを保証する』となっています。
 
 現代社会において学問は科学的でなければならないし、科学に対立するのはドグマティズムで、今日の国際社会では本来、相手にされない思想のはずです。ならば、『南京大虐殺 』 などはいいかげんな米軍の裁判なんかを金科玉条の如くにしないで科学の光りを当てるべきです。
 
「従軍慰安婦」などインターネットの世界では昔の『ジャパ行きさん』という評価が支配的のように感じますが、三国人問題、同和問題など言論封殺の議論以前に言葉自体が封殺されています。これらにも科学の光りを当てるべきであり、科学が邪魔されないよう政治家が指導力を発揮すべきと考えます。その辺がどうも曖昧なまま.外国の政治家が歴史を語りますが、聞いていれば彼等は歴史問題を外交や国内の政治力学に利用しているように見えます。又、日本の反政府力も歴史科学を政治的に利用しているとしか見えません。
 
 又、しばしば外国の国民感情が内外の政治家の口から出てきますが、国民感情 は大人しい日本人にもあります。インターネットの掲示板で見ていると新聞各誌の世論調査とは大分違う国民感情を感じます。 『靖国』の問題は日本人の文化に根ざした国民感情を逆なでするから揉めるのだと思います。
 
 文化の問題と政治の問題と歴史科学の問題は切り離すべきだという事を日本の政治家は内外のドグマチスト達がわかるまで主張して欲しいし、三国人問題、同和問題等未解明の問題に科学の光りを当てる事に邪魔が入らないよう、政治が保障すべきだと思います。これらの問題が『歴史』を科学から遠避けている原因になっているような気がします。


 
タイトル : 真に必要な日本の構造改革は
          〜 世界中から嫌われない為に 〜
            
平成14年9月12日         丹羽経済塾 広報担当幹事 栗原茂男
                          ( kulihala@sepia.ocn.ne.jp ) 
 
 12日夕刻、テレビのニュースでハバード米国大統領経済諮問委員会委員長と塩川財務大臣との会談が報道されていました。
 
米国の要求は “ @ 政策減税よりも法人減税を!A 法人減税の財源は財政支出の削減によれ。” なのだそうである。対する塩川大臣は難色を示したとか。 塩川大臣が難色を示すのは当たり前ですが、このハバードという男、3月頃にも日本に来て柳沢大臣に “ 空売り規制をやめろ!”と談判している。
 
 @ の「政策減税よりも法人減税を!」であるが政策減税は例えば投資減税なら企業経営者は投資すれば減税であるから、ためらっていた投資を実行する可能性が高くなる。だから政策減税は日本全体として見れば投資が増え、内需拡大に貢献する。しかし法人減税は投資を誘引する積極的理由があまり見つからない。法人減税 ⇒ 税引き前利益が増える。⇒ 一部が内部留保され、配当可能利益が増える。しかし日本の投資家は配当よりも株価の上昇に関心があり、利益に関心があるのは極一部の巨額の資金運用をする投資家でしょう。
 
 日本政府が新古典派的発想で構造改革・不良債権処理推進によって日本企業を次々と「市場から退出させ」、日本の景気を不必要に悪化させ、土地や株が買い取り易くなったところで日本企業の上場株の二割とか三割とかを買い進めた 『 国際金融資本 』 は日本の外に持ち帰れる利益が増えて喜ぶ事でしょう。
 
しかし日本人の最大多数にとっては法人減税はあまり利益は考えにくい。ハバード氏は一体何を考えているのか?想像するのもバカバカしい。
 
 A の「法人減税の財源は財政支出の削減によれ。」はお話にならない。今の日本に必要なのは内需拡大で、国民所得≡民間消費・投資+政府の支出+貿易黒字であるから、財政支出の削減はその分だけ間違いなく内需を減少させる。 彼が言いたい事は凡そ推測できる。「日銀は量的緩和を続ける事で過剰流動性を更に高めろ。内需は抑制して行き場を失った日本の金を米国へ還流させろ。」
 
多分そんなところでしょう。
 
政治家の皆さん、経済界の皆さん、マスコミの皆さんはハバード氏の馬鹿な要求に対し反対の声を上げ、突っ張っている塩川大臣を支援して欲しいと思います。
 
 新聞報道によると、外需が伸びてGDPが増えたと記事が出ています。先の恒等式 『 国民所得≡民間消費・投資+政府の支出+貿易黒字 』 で貿易黒字が増えると国民所得が増えることになっていますが、貿易黒字分は生産した物を海外の人に消費してもらう訳ですから、黒字分だけは日本国内には好況感は出てくるわけありません。
 
報道によると財務省の速報では、経常黒字が58%増で、輸出が四兆円あまりで8.9%伸び、輸入が0.2%減で結局、貿易黒字は対前年比で60.5%増だとなっています。
 
 相も変わらぬ貿易黒字頼みの経済体質がGDPの数字を嵩上げしています。この体質こそ日本が変えなければならないものでそれを変える事こそ日本にとっての真の構造改革であると信じます。
 
 先のハバード氏の甚だしい内政干渉も源を辿ると日本の内需抑制、輸出依存の経済成長路線に行き付くように思えてなりません。
 
 少し飛躍しますが、財政状況の厳しい折り、政治家の皆さんには政府通貨発行政策を是非ご検討願いたいと思います。古くからある理論であり、実行もされた実績のある政策ですので奇策でもなんでもありません。このままでは生活苦からの国民のモラルハザードの進行が心配です。お金を振り込まれた国民は政府の悪口言いながら結構喜んで使ってくれるような気がします。