政府貨幣を発行したとき、消費はどれだけ伸びるかを計算で求める 丹羽経済塾副塾長 小野盛司
政府貨幣を発行しても、消費は伸びないという人がいる。そのような確率は百万分の2しかないことを示そう。次の図は可処分所得と消費の関係を表すグラフでR2=0.9933という極めて高い相関関係を示している。

このとき例えば50兆円の政府貨幣発行を行い、国民に配るなり、減税するなり何らかの方法で所得を伸ばしたとする。このグラフから、消費は約35兆円だけ増えることが予想される。共分散・相関係数を求めることにより、この予想がはずれる確率を求めてみよう。ここでは、久米均著『統計解析への出発』岩波書店(64頁〜79頁)に従って求める。可処分所得をx、消費をyとして2次元正規分布をx軸に垂直にxで斬ったときの切り口における分散は
V=(1−r2)sy2
となる。rは相関係数で0.9933
sy2=?(yi―yav)2/(n−1)=90.462
分散の平方根が標準偏差だから、これらから標準偏差は
?=7.4兆円
であることが分かる。従って消費の増加額が
35±7.4兆円の範囲に入る確率は68.3%
35±14.8兆円の範囲に入る確率は95.4%
35±22.2兆円の範囲に入る確率は99.7%
であることが分かる。ちなみに、全く消費が増えない確率は4.7?なので百万分の2しかないことが分かる。