最近、読んだ本 |
| そんなに読書家では、ありませんが…。 |
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| December 20, 2003 最近ぼちぼちとこんな本を読んだ。 「火刑法廷」 ジョン・ディクスン・カー/小倉多加志訳 ハヤカワ文庫 「世界悪女物語」の中の毒殺魔ブランヴィリエ公爵夫人の章で、この推理小説を紹介していたので、飛び火的に読んでみた。 ああ、久し振りの外国ミステリー。 昔ホントよく読んだ。 アガサ・クリスティ、レイモンド・チャンドラー、ルース・レンデル、パトリシア・ハイスミス、エド・マクベイン…。 ちょっとノスタルジックで、品がよくて、こんな世界大好きだ。 小さい頃読んだおはなしの数々、たとえばピッピとか、やかまし村とか、メアリーポピンズとか、ムーミンとか、ドリトル先生とか、そして思春期以降のミステリー小説とか。 その時期に呼応して、若い頃のちっぽけな私に圧倒的な影響力があったことを今更ながらに思い出した。 一つだけおかしいと思ったのは、最初の方の訳がとてもしゃれているのに、後半は重苦しくなる。 まるで別の人が訳したみたい。 別の弟子が訳したのかな。 「世界悪女物語」 渋澤龍彦 文春文庫 世界にはいろんな悪女がいるんだ。 大陸の悪女はスケールが違う。 とことん恐ろしい。 渋澤龍彦によると、日本人の悪女も入れようと思ったけれど、粒が小さくて該当悪女はいなかったそうだ。 「いまのボクがこうなわけ」 三宅祐司 講談社 家庭環境がお笑いタレントを作ったと言ってもいい。 30分くらいで読んじゃった。 October 5, 2003 「心臓を貫かれて」(Shot in the Heart) 著・マイケル・ギルモア 訳・村上春樹 死刑囚の話を、その弟が書いたノンフィクション。 買ったものの「どうしよう、なんか重いものを背負っちゃうかな」と読むのをためらったが、1ページ読み終えたらもう止まらない。 この本に、ぐいっと首根っこを押さえられたみたいに、どんどん読み進んだ。 激しい愛情があり、その愛を望むような形で返してもらえない人たち。 求めた愛情は大体いつも、激しい暴力という形で戻ってくる。 この本が書かれたのは、事件がおきてからすでに20年近く経ってからだ。 本として吐き出されるまで、大変な時間がかかるのもうなずける、壮絶な話だった。 お勧めの一冊。 September 24, 2003 「夢渦巻」 田辺聖子 集英社文庫 ちょっと一休み、というかんじで、本棚からひさしぶりに田辺聖子の本を取ってみる。 幸福の材料は、自分のごく身近にあることに改めて気づかされる。それに気づくか気づかないかで、人生の豊かさが変わってくる。 田辺聖子の服の趣味(登場人物の服装も含めて)はちょっと違和感を感じるけど、生き方にはとても共感する。 肩に変な力が入っていないのが、いい。 田辺聖子の短編小説は、糖衣をつけた苦い薬みたい。 ふわふわ甘いと思って読んでいると、ぴりりと苦い結末が待ってたりする。 September 21, 2003 「夜中に犬に起こった奇妙な事件」 マーク・ハッドン著 小尾芙佐訳 早川書房 ハリネズミの本箱 送られてきた本だったので、何の予備知識もなく読んだ。 (本の帯には『アルジャーノンに花束をを』をしのぐ衝撃と感動、と書いてあった。 読後の私見としては、二つの本を比べちゃいけないんじゃないかと思う。) ヘンな少年が出てくる。 一体この少年は、何? 読み進むと自閉症の少年だということがわかってくる。 燐家の犬を殺した犯人を見つけ出す、と決心した少年は真相に向かって突き進んでいく。 犯人探しの過程でどんどんと新しい事実が明らかになる。 少年の目を通して、父親の心、母親の心があぶりだされる。 淡々と写実的に描かれている分だけ、その愛情の深さが切なく悲しく、尊い。 決して眉間に皺を寄せながら読む本ではない。 もともと児童書だったのだ。 本の章が、素数になっているところもおかしい。 普通本の章は1,2,3と続いていくのだが、少年が書いているこの本は2、3、5、7、11と続く。 少年が割り切れない数字、素数が好きだからだ。 「素数というのはすべてのパターンを取りのぞいたあとに残ったものである。素数とは人生のようなものだと思う。それはとても論理的なものだが、たとえ一生かけて考えてもその法則を見つけることはできない。」 September 3, 2003 3冊続けて村上春樹を読んだ。 「スプートニクの恋人」 講談社文庫 「村上春樹、河合隼雄に会いに行く」 新潮文庫 「もし僕らのことばがウイスキーであったなら」 新潮文庫 「スプートニク」は出たばかりの頃に読んだが、きれいさっぱり内容を忘れていた。 初めて読むみたいだった。 ライカ犬を乗せたロシアの衛星「スプートニク」は「旅の連れ」という意味だったんだ。 一人ぼっちのライカ犬なのにね。 「河合隼雄に会いに行く」は「ねじまき鳥のクロニクル」の舞台裏を垣間見るようで、おもしろい。 河合さんもとても興味深い。 「ウイスキー」は、シングルモルトを飲みたくなるね。 August 13, 2003 「リア王」 シェイクスピア全集5 訳 松岡和子 筑摩書房 今まで読んだシェークスピアの中でいちばん好きかもしれない。 プロットはとても悲劇的で、救いがない。 しかし、何が起ころうとも揺るぎない忠誠心や愛情を持ち続ける人たちが登場し、闇夜の中、遠くに見える人家の灯のように、物語の中できらめく。 シェークスピアの人間観察力は見事だ。 人間の愚かさ、さもしさが、アイロニーたっぷりに描かれる。 August 8, 2003 「ねじまき鳥のクロニクル」 村上春樹 読み返してみて初めて、影響を受けていた小説だと気づく。 それは本筋とは全然関係ないことなんだけど。 たとえば、この本を読んでからポテトサラダサンドイッチを作るようになった。 ポテトサラダをサンドイッチにするなんて、思いつきもしなかった。 (今では大好物。) 主題がなんだったのかは、さっぱりわからない。 もしかして、綿谷昇は村上春樹なのか。 さっぱりわからないけど、読み心地がいいからもう少し村上の本を読んでいたい。 June 26, 2003 「マクベス」 シェイクスピア全集 訳 松岡和子 筑摩書房 悲劇だ。 魔女にそそのかされて、王をだまし殺し、王座に着くマクベス。 弱気になるマクベスのお尻をたたくマクベス夫人。 しかし、良心の呵責に耐え切れず、夫より先に狂ってしまう夫人。 一人ぼっちで追い詰められていくマクベス。 可哀想なマクベス。 June 19, 2003 「ハムレット」 シェイクスピア全集1 訳 松岡和子 筑摩書房 解説によると、世の男達はハムレットに「まるで自分の事を書かれているみたいだ。」と深く共感するらしい。 なかなか行動をおこさないで、逡巡しながらも、人々に愛され、最後には自分も死んでいく。 女の私にはあまり共感できない。 あらすじを急いで追うあまり、何かを読み落としているのだろうか。 June 9, 2003 「ダンスシューズが死を招く」 メアリ・H・クラーク 新潮文庫 途中から犯人わかちゃったよ。 May 23, 2003 「リチャード3世」 シェイクスピア全集7 訳 松岡和子 筑摩書房 シェイクスピアは、すごい。 ぐいぐい引き込んでいく。 とても面白かった。 自分を死ぬほど憎んでいる人を自分の側に心変わりさせてしまう、天才的話術に感服。 私も仕事で是非取り入れたい。 勢いのあるときは神がかっていて何をやってもうまくいくが、運に見放されると途端にオーラが消え去って、坂を転がるように没落していく。 思い当たる事例が身近にたくさんある。 500年以上前に書かれた話なのに、登場人物が驚くほど人間臭く、生き生きとしている。 A horse! A horse! My kingdom for a horse! May 17, 2003 「世界の終わりとハードボイルドワンダーワンド」 村上春樹 新潮文庫 「海辺のカフカ」を読んだら、この本を読み返してみたくなった。 主人公の作る料理のおいしそうなこと。 May 11, 2003 「海辺のカフカ」 上・下 村上春樹 新潮社 とても大切な人が自分の前から去っていく。 或る日突然に。 一言も理由を告げないで。 それは、いろんな形でやってくる。 昨日まで一緒に笑い転げていた親友の自殺だったり、愛しあっている妻の失踪だったり、幼い子供を置いていけるはずのない母の家出だったりする。 とても大切な人だっただけに、残されたものは、激しく傷つく。 行き場のない怒り、悲しみ、喪失感で心がずたずたになり、現実の世界と折り合いがつかなくなってしまう。 果てしない孤独。 過去への回帰。 村上春樹の長編小説は、そんなはじまりが多い。 傷つけられた者の痛みの表現が、とにかく上手い。 傷つけられた者が登場すると勿論、傷つける者も登場する。 やはりどこかで傷ついたことがあり、これ以上傷つくのを免れるために、人を傷つける。 エゴが繰り返される。 傷つけられた者と傷つけた者の、それぞれの過去との折り合いのつけ方が、いろんな角度から繰り返し語られていく。 このテーマは、まだ納得いくまで突き詰められていない気がする。 村上春樹の文章は、呼吸を一つするのと同時に、一つの文章が終わる。 そのテンポが絶妙で、いつまでも読んでいたい気にさせる。 April 11, 2003 「極み」のホテル 至福の時間に浸る 富田昭次 光文社新書 ホテルが大好きな旅行作家が、お気に入りの宿を抜粋した本。 私もホテルが大好きだ。 私にとってホテルは、「非日常」を意味する。 日常から解き放たれたい時に、私はホテルに出かける。 ホテルに足を踏み入れた途端、ドラマチックめいた香りが漂いはじめる。 せっかく「非日常」をホテルに求めるからには、なにかきらりと光る「質」に出会いたい。 この本はいろいろな角度から秀でたホテルを紹介している。 急に旅に出かけたくなった。 March 29, 2003 「わたしのグランパ」 筒井康隆 文芸春秋 昼休みに本屋でぶらぶらして買った一冊。 高校生の頃「七瀬シリーズ」が大好きだった。 この本もあの部類に属する。 よいテンポで展開する、めちゃめちゃカッコイイおじいさんの話。 こういう話、いいねぇ。 文庫本なのに、異様にでかい字なので、あっという間に読み終えた。 映画では、グランパは菅原文太らしい。 久し振りに七瀬3部作でも、読み直そうかしらん。 March 4, 2003 「消えた少年たち」 オースン・スコット・カード 小尾芙佐訳 早川書房 これは、「家族」のお話。 とてもよい家族の話。 家族は本来かくあるべき、という家族の話。 家庭を持つと必ずセットでついてくる、ごくごく日常的な問題が次々と起こる。 会社の事、子供の学校の事、隣人の事。 この家族はいつも 、とことんまで解決策を話し合い、家族を守るために直球勝負をする。 最後でやっと冒頭の挿話と本筋が一緒になる。 涙ボロボロでした。 ひとつだけ違和感があったのは、あまりにも現実的な日常が続き、その部分が素晴らしいので、最後の部分に入るのが、少々辛かったということ。 February 15, 2003 「目まいのする散歩」 武田泰淳 中公文庫 武田泰淳の本を読んだ事がなかったので、読んでみた。 散歩がモチーフになった小説。 作者の武田泰淳は愛妻の武田百合子といろんなところに散歩に出かける。 思わぬところで元気な頃の武田百合子さんに会えてすごく嬉しい!!、というのが素直な感想だ。 以前にも触れたが、私が食事日記をつけ始めたのは、武田百合子の「富士日記」を読んだからである。 武田百合子の本は全部読んだが、夫の武田泰淳が死んでからの作品は、どうしても寂しさが澱のように漂っていて、読んでいてちょっと辛かった。 武田泰淳の信奉者は全く違う読み方をするのだろうが、私は久し振りにのびのびとした百合子さんに会えただけで、とても幸せです。 百合子さんも武田泰淳と一緒にいて幸せだったが、武田泰淳も百合子さんと一緒にいて幸せだったのだ。 泰淳はものごとをあれこれ考えて思索したが、結局はこういうことなのかもしれない。 「『すべてのことは、たいがい無事にすむものだ』と、いつも通りの結論に達した。」 February 8, 3004 「ロミー・シュナイダー事件」 ミヒャエル・ユルクス 平野卿子 訳 集英社 作者の、ロミーに対する愛情がひしひしと感じられる伝記。 マスコミが作り上げたスキャンダラスなイメージが、いかに彼女の本当の姿からかけ離れていたことか。 丹念な取材で、女優の真の姿をを浮き彫りにしていく。 訳もとてもよかった。 また、ロミーの映画を見たい。 あんなに、強くて、はかなくて、悲しくて、きれいな顔を私は他に知らない。 私の中では、追随を許さないほど、ダントツに好きな女優だ。 伝記を読んでも、それは変わらない。 「わたしたちが長い間見つめてしまう顔というものがある。 うっとりと見入ってしまう顔がある。 その顔には、わたしたちにあまりに近く、またそれでいながら非常に遠いなにかがあって、わたしたちをはるか彼方へとさらっていくからだ。 ロミーはそういう顔をしていた。」 January 27, 2003 「シッダールタ」 ヘルマン・ヘッセ 高橋健二訳 新潮文庫 なんでこの本を注文したのか全然覚えていないのだが、確かに最近ネットで注文していた。 薄い本だしミステリにも飽きたので、読んでみる事にした。 とても壮大な内容にびっくり。 読みながらしょっちゅう考え込んでしまった。 あとがきによると、ヘッセのベスト5にはいる名作だそうです。 真理は一面的ではなく、全てを包括している。 どの目標にも新しい目標が続いて生じる。 文学は思考を豊かにするが、合理性の敵になるんじゃないでしょうか。 その他、メアリ・H・クラークの 「月夜に墓場でベルが鳴る」 「見ないふりして」 も読みました。 面白かったけど、例のごとく読み終えるとすぐ、内容を忘れてしまいました。 January 3, 2003 「殺したのは私」 メアリ・H・クラーク 深町眞理子・安原和見 訳 新潮文庫 知り合いが貸してくれた。 同じ作者の本が後2冊ある。 早く読んで返さなくちゃ。 読み始めると、止まらない。 はらはら、どきどき。 そして、土壇場で意外な結末。 とても面白かったの。 でも、今私が読まなくちゃならないのは、きっと別の類の本なのだろう。 2002年に読んだ本 2004年に読んだ本 |