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新藤兼人
(Kaneto Shindo)
「私は、絶対に笑いませんよ。」開口一発、こうおっしゃる。「芸術家なんて居ない、全てが職人なんだ。」 「技術が全て、技術が何かにあうと芸術になる。」「ミスキャストほど、いいキャスティングなんだ。」 「汗ばんできたけど、ちょっと汗、拭いたほうがいいかね。」撮影の様子を気にしながら「はいはい、ちょっとだけ笑いましょう。」 「じっとしながら笑うって難しいよ。」全てを透徹した目を、ほほえみの瞼が覆った。
明治45年広島県生まれ。昭和9年、新興キネマ美術部に入る。溝口健二に師事。25年松竹を退社、 吉村公三郎・糸屋寿雄らと近代映画協会を創立。26年「愛妻物語」で監督となる。以後、シナリオライターとして、 また映画監督として活躍。代表作品に「裸の島」「鬼婆」「ある映画監督の生涯」「北斎漫画」など。朝日賞、毎日芸術賞、 モスクワ国際グランプリ等の受賞作多数。最新作「午後の遺言状」ではアカデミー賞5部門受賞他、95年度の賞を独占。