「産前と産後1カ月の乳牛には栄養価の高い
飼料を与えることを心掛けています」と喜人さん
「質の良い牛乳をつくってもらうため、乳牛にはできるだけ栄養価の高い牧草やTMR(混合飼料)を与えています」と話すのは那智勝浦町の天満牧場で働く加味根喜人さん(28)。
天満牧場は、父・喜四郎さん(55)と喜人さん、喜四郎さんのきょうだい(3人)で、乳用牛14頭と繁殖牛20頭を管理している。
「就農してすぐに、導入して間もない和牛の担当を任され、父やおじ・おばの指導のもと実践しながら酪農を覚えました。今は年に4回、子牛市に参加していますよ」と笑顔だ。
毎朝4時から餌やりを始め、搾乳、生乳加工、畜舎掃除、牛乳配達を行う。配達後、2度目の餌やりと搾乳を行うため仕事が終わるのは夕方の4時ごろだという。
「搾乳した生乳は、うまみ成分をなるべく残すために長時間の低温殺菌を施し、完成した牛乳とコーヒー牛乳は町内と新宮市に配達するなどしています」と話す喜人さんだが、「台風12号で被災された方もいるので届け先が減ってしまいました」と肩を落とす。
天満牧場でも台風の豪雨で畜舎の一部が冠水し、放牧していた和牛が首のあたりまで水に浸かるなどの被害を受けた。
「浸水によるストレスで体調を崩した牛が餌を食べようとせず大変な思いをしました。一時的ですが、乳量が大幅に減ったので心配しました」と話すが、「今は乳量も元に戻りました」と一安心している。
喜四郎さんは、「幼いころから動物好きで、牛舎でわらを布団にして寝ていました。喜人が手伝うようになってから仕事が楽になったので、これからも頑張ってほしい」とエールを送る。
▽問い合わせ先(天満牧場)
0735・52・0472
平成24年1月4週号
平成24年記事一覧
NOSAI和歌山(和歌山県農業共済組合連合会)
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藏光綾子さん・俊輔さん
和歌山県日高川町
結婚歴2年
経営=温州ミカン7アール、ウメ8アール、
カーネーション3アール
「農家の声や暮らしのことをもっと広めていきたいですね」と話すのは藏光綾子さん(32)。実家を継ぐために帰農した夫の俊輔さん(32)とともに日高川町に移住し、温州ミカン、ウメ、カーネーションを栽培する。
非農家出身の綾子さんは、「企画から生産、販売まで全部できる農業はおもしろい」と話し、就農と同時に開設したブログ「農家の嫁 修行日記@和歌山」を通して、農家や農業のことを知ってもらうための活動を続けている。
「自分たちで現場の声を広めていきたい」と意気込む俊輔さんとともに「藏光農園」の屋号を立て、ブログと並行してインターネット販売も開始。また、2人で東京のデパートで対面販売を行うなど精力的に活動している。
就農して1年。「まだまだ教えてもらうことばかり」と笑う2人だが、俊輔さんは、人数が増えたことで「足し算ではなく、掛け算の作業効率を目指したい」とし、「先々規模拡大したいですね。特にミカン」と意欲的。綾子さんは、「自分が知った田舎暮らしを伝えて、そのイメージや先入観を変えていけたら」と展望を話す。
平成24年1月1週号
試食コーナーには最大30品種の柑橘類が並ぶ
有田川町にある県農林水産総合技術センター果樹試験場(大橋弘和場長)では、毎年10月〜翌3月の間、『ミカンとふれあいデー』を開催している。
今年は毎月6日をふれあいデーとし、温州ミカンや新品種の栽培園の見学、栽培方法や病害虫についての相談コーナー、また温州ミカンや中晩柑類の試食、収穫体験、鳥獣害対策の展示などが行われている。
近隣の生産者はもちろん、県内外の一般の方も大勢来場しており、担当の同試験場環境部の山本浩之さん(46)は「今後も開催していきたい」と話す。
平成24年1月3週号
約40aに育ったコマツナを持つ河西さん。
重量に応じた単価設定で、近隣の農家からは「取り遅れていない」と聞かれるほどだ
国内の野菜需要は現在、食の外部化が進んで家計消費用が減り、加工・業務用が過半を占めている。消費者の安全・安心志向を背景に、加工・業務用でも国産ニーズが高まっており、産地の安定出荷体制整備が重要だ。加工・業務用野菜は、あらかじめ出荷時期や価格、数量などを決める契約取引が基本で、農家には市場相場に左右されない安定経営が見込めるメリットがある。一方で、天候不順でも定時定量出荷の順守を求められ、単価も低めの設定となるなど課題もある。加工・業務用に的を絞り、工夫を凝らして生産に取り組む農家を取材した。
▼ 「出荷時に売り値が分からない野菜を作る気はしない。加工・業務用野菜は効率よく大規模経営できるのも魅力だ」。和歌山県紀の川市粉河の「七色畑ファーム」代表・河西伸哉さん(29)は話す。2009年にUターンで新規就農し、借地で規模拡大を図りながら加工・業務用野菜の生産を軸とした経営確立を目指している。
“露地栽培で無理なく育てコストをかけない”が経営のコンセプトだ。3・5fの圃場で、今年はキャベツ250eとタマネギ120eをメーンとし、作付面積は年間延べ6fになる。 取引先のニーズに合わせ、品種は作付け前に提案する。現在、栽培する寒玉キャベツは重量に応じた単価設定のため、大きく育てるほど利益率は高くなる。株間は40aと広めにとり、1玉2`以上を目標にする。河西さんは「市場出荷の常識や先入観を持っていないのが自分の武器」と強調する。
実需者との取引では、JA紀の里を介している。天候不順などを見越して多めに作付けるものの、個人の契約取引は出荷のリスクが大きいからだ。「JAに手数料を支払ってリスクを背負ってもらうことで安心できる。ビジネスパートナーとして共存共栄したい」と説明する。
現在は量販店向けが中心だが、大ロットで取引可能な加工・業務用を拡大したいという。河西さんは「今は大きな野菜産地ではないが、実需者が将来を期待して先行投資してくれている。安定供給を続けて、期待に応えたい」と話している。
平成24年1月2週号