2003年 第一回父母会 レポート
日時:3月16日 PM2:00〜5:00
於:むさし野ゼミナールゼミナール なべよこ教室
テーマ:学力低下問題と塾と家庭の連携
参加者:父母6名、塾長、講師1名、ゲスト1名 計9名
従来当塾ではご父母の皆様との接触は少人数制塾の性質上、電話、個人面談、学習状況のお知らせなどと個人的なもののみでありましたが、今年度より塾の先生とご父母の皆様の話し合いの場として懇談会的な父母会を開き、教育問題を中心に皆様の塾への要望や塾との連携について話し合い、情報を交換しあう場を設けようということになりました。
当日は6名のお母さん方が出席され、塾側は中村塾長と当塾講師の野杁先生、そしてゲストに伸孝学園(練馬)塾長の土樋先生をお招きしました。以下は当日の内容の抜粋です。(発言は「だ・である調」に変えてあります。)
まずは塾長から今年度の中高入試や絶対評価の状況、そして学力低下の状況の話から始まりました。
塾長:日本語が通じなくなってきている。ボキャブラリーが貧困。例えば中3の生徒に「関係代名詞の直後に動詞か助動詞が来たら主格だよ」と言ったら「直後」の意味がわからずポカーンとしていた。教育評論家の安田理氏の論文(当日資料配付)によると、中の上くらいのレベルの都立の高校の世界史の授業で先生が「1775年アメリカ独立戦争が起き、その翌年独立宣言が出された」と言ったところ「先生、独立宣言は何年に出されたんですか?」「その翌年です。」「翌年って何年ですか?」ノ.また算数の計算力が落ちている。中学受験を目指す生徒なら25×4=100など計算しなくてもすぐ出てくるはずだが筆算している。
土樋:1.04+25.3の計算などを小数点の位置をそろえずにしている。「○○夫人」と言うと男だと思っている。「夫」だから。
塾長:安田氏の話にあったように現在の都立高校は偏差値60以上の学校は重点進学校、進学型の単位制、中高一貫校など色々改革をしつつあるが、中堅校はほとんどない。大学進学を望むなら、旧2学区なら戸山、青山、新宿、駒場、3学区なら西、富士、大泉まで。あとは駄目。大学進学希望ならば、もし事情が許すなら小学生には中学受験を、中学生には(上記以外の都立ならば)私立高校を勧めたい。
塾長:今年の高校入試は絶対評価と新学力観によってインフレ的な内申書をもらった子が得している。ある学校では科目によっては半分の生徒が4か5をもらっている。
土樋:7、8割が4か5の学校もある。
塾長:またある学校では数学の偏差値が38しかない子が5をもらっている。先生が定期試験前にあらかじめ解答付きの試験問題を配っているので答えを覚えておけば90点以上取れるから5をもらえるそうだ。
そのあと、塾長がお母さん全員にこの1年間の学校での総合的学習で何をやったか訊いてみました。社会科的な内容が多かったようですが、ひどい場合もあったようです。3:30に10分中休みを入れましたが、中休みの方がかえって盛り上がっていたようでした。3:40に再開
父母:公立中学に進学した場合、新指導要領で学力低下した部分を塾で補えるものか?
塾長:よく聞かれる質問だが、一部の生徒には可能。学校の内容が十分こなせている生徒にはそれ以上のことを教えている。しかし人間は弱く、楽な方は選ぶもので、大部分の生徒は設定される基準が低くなったらその範囲でいいと思ってしまうし、現実にはその範囲でさえこなせない生徒が多い。また入試には内申書が決定的な役割を果たすので定期試験対策に重点を置かざるを得ない。すなわち主として教科書の範囲で教えざるを得ない。
土樋:一部の生徒には可能だが多くの場合むずかしい。
野杁:読書をすれば国語の成績が上がるかとよく質問されるが。それは小学生まで。中学ですぐ効果が現れることはまずない。読んだとして芽が出るのは高校生になってから。受験や成績を意識すると「勉強の読書」となりほとんどの子供は嫌う。いかに「遊びの読書」の環境を作るかが大切。休日1日を大きな書店で親子で過ごすぐらいで丁度よい。本屋に行ったとき、「早く決めなさい」「もう少し難しいのにしなさい」「こっちの方がいいんじゃない?」などと言ってはいけない。(読み終わってから)「何が書いてあったの?」とテストをしはいけない。
父母:三色ボールペンを使った国語の授業を塾で出来ないものか。
野杁:それぞれ一色ずつについての段階を経れば可能かも知れないが、今すぐは無理。ある程度出来ることが前提になる。
塾長:ゲームは人間の右脳ばかり刺激し言語や論理を司る左脳を刺激することがないという報告がある。我が家では最初からゲームを禁止している。
父母:子供の友達の中には自分の家でゲームを禁じられているからよその家に行ってやっている子がいる。大人達はゲームは良くないと言うが、それで儲けているのも大人達だ。
野杁:塾で小学生を対象に遠足をしたが今年も近いうちにやる予定。
父母:塾が家庭に協力してもらいたいことは何か。
塾長:親が子供に勉強を教える必要があるかどうかよく訊かれるが、その必要はない。ただ最低限宿題はやらせてもらいたい。中学3年くらいになるとあまり親が細かく子供の事を監視するのもよくないが子供が何をやっているか状況を把握してもらいたい。
野杁:点数が悪くても子供を責めないでもらいたい。
以上、終始和やかな雰囲気の中で行われ、なかなか内容のある父母会が出来たと思います。次回は5月頃、3つくらいの塾で合同で近隣の数校の私学の先生方をお招きして私学の特色について説明・質問会を予定しております。