
発行2011年11月28日 文責:染野 恭満
本号のご案内
今月(11月)上旬に、山西省太原市に行ってきた帰り、北京でいつもの食堂に行って、いつもの蓋飯(日本で言うと「どんぶり物」)を食べましたが、一口食べたとたんに、ご飯が美味しくなったと感じました。たまたま炊き方が上手かったかも知れませんし、新米だったのかも知れません。
しかし今までの味気のないボソボソした米とは違い、粘りと腰がありました。米粒は少し小さいものの、日本の米にあと一歩という感じです。果物、野菜等の品種改良はここ2~3年目立っていましたが、それが終に主食に及んできたようです。日本の美味しい米を中国に輸出するなどと言うことは、あと数年で夢物語になるかも知れません。
北京ではもう一つショックな出来事がありました。ここ10年くらい、緑化活動の行き帰りに必ず宿泊し、北京の庶民生活の定点観測する拠点となっていたホテル(安定門賓館)が閉まっていたのです。原因は分かりませんが、どうやら廃業したようです。
安くて交通便利で、ホテルの従業員とも顔なじみになっていただけに残念です。
しかしこの地域の庶民生活を観察して10年以上になりますし、どこに行けば何があるのか、何が出来るのかも分かっている上に、良いランニングルートまであるので、いまさら安定門を離れる分けにもいかないと、付近の別のホテルに行って見ました。すると一泊400元(日本円で約5200円)以上で、安定門賓館の2倍以上しました。値引き交渉も試みましたが、この付近で400元以下のホテルなんかないよと相手にしてもらえませんせした。
ようやく3軒目に、その日は450元だが翌日は250元(約3200円)の部屋が空くかも知れないというホテルを見つけたので、そこに泊まることにしました。
安定門賓館だけに泊まっている内に、周囲のホテルはこんなに高くなっていたんだと驚かされ、浦島太郎の気分を味わいました。北京に限らず中国のホテルは、建物や内装、サービスの質も良くなって来ていますが、それに合わせて価格の上昇も確実に進行していたということです。
1 列車の旅2題(①中国の古き良き習慣、②切符購入)
① 今回数年振りに昼間走る寝台車に乗りました。以前は各地の土地の情況を観察するためによく乗ったのですが、最近は時間の関係もあり飛行機や夜行列車が多くご無沙汰していました。
今回乗った車両は硬臥車と言われ、三段ベッドが向い合わせになっており、6人で1セットとなりますが、それが車両全体で9セットあります。扉はなく通路とはオープンになっています。
私は一番下のベッドでしたが、向かい側の男性(河南省鄭州で建材業を営む(50歳代))の娘さんが、たまたま日本に留学中で、彼自身も二回日本に行ったことがあるとの事で、日本の交通道徳の違いなどで盛り上がっていたら、中段の太原市の女子大生が日本人かと言って話しに加わってきました。その内、中段の女性軍人(30歳位、北京在住だが友人を訪ねる旅行中)が面白い音楽を聴いていたので、それをパソコンにコピーしてもらったりして彼女も話しに加わり、最後は最上段の二人(河南省北部(地名は聞き取れなかった)出身)の会社員も話しに加わって、賑やかになりました。会話の中身は3割位しか聞き取れません。特に会社員の一人(30歳位)の話は訛りがきつく全く聞き取れませんでしたが、それなりに愉快な6時間を過ごしました。
数年前には、同じような情況が何回もあって、農家のおばさんが持参したスイカを食べたり、また乳製品のセールスマンが配ったサンプルを飲みながらおしゃべりをしたこともありました。
今回また以前同様な体験をして、中国のよき伝統は未だ残っているなと感じ安心しました。
この話にはおまけがあって、翌々日は河南省安陽市に行ったのですが、そこでこの内の一人に再びばったり出合ったのです。不思議な偶然でした。
② 中国では列車ごとに切符が販売されるので、途中下車で乗り換える場合には、目的地までの通し切符の購入が困難で、何回も窓口に並んだり、手配をしなくてはなりません。
列車の購入方法は、駅の窓口で買うか、街中の販売所で買うかの大きく2通りあり、街中で買う場合は5元の手数料を支払う必要があります。(春節など繁忙期には更に高くなります)
バスや飛行機で目的地に着いた場合には、その地に友人が居れば、あらかじめ事前に次の目的地までの切符の購入を頼み、ホテルの中や近くに販売所がある場合にはそこで買います。
私は、大体駅の窓口で買います。列車で目的地に着いた場合、到着時間の関係も有りますが、出来るだけ直ぐに販売窓口に並んで、出発日の切符を手に入れます。
最近は中国人もよく列に並ぶようになり、随分と買いやすくなりました。以前のように窓口に団子状態で殺到し、我先に手を出して大声で駅名を叫ぶような光景は見られません。
新幹線の切符の販売は、販売窓口が別になっている駅があるので、駅の案内を一応見てから並ぶのですが、石家庄駅では外国人の窓口が別になっているのを知らずに、一般窓口に並んでしまったため、再度並び返さなければならなくなってしまいました。
また、今回安陽駅では並んでいるうちに、お昼休みの時間が迫ってきてハラハラしました。
お昼休みには、窓口が交代で閉じるので、並んでいた人は並びなおさなくてはなりません。
窓口にお昼休みの時間帯が表示されるので、列の長さを考えて並ぶ列を決めます。
なお、今回新幹線には①太原-石家庄、②石家庄-安陽、③安陽-北京の間乗りましたが、運行速度は各々188km、153km、154kmで、前回6月に乗車した時より50km程度減速しており、乗車中の不安定感は全くありませんでした。
2 街中雑景
暫く前から中国の街中では日本の食品や日本語を見かけるようになり、本瓦版でも時々紹介していますが、今回は北京で「たこ焼き」屋を見かけました。5個10元(130円位)です。今川焼は安陽で食べましたが、こちらは1個1元(13円)でした。
どら焼きはスーパーで袋入りの物を見かけましたが、それには日本語で「一度食べたら忘れられないおいしさ」と書いてありました。
北京のジョギングルートのあちこちの道路上で、冬に備える漬物用の白菜を山と積み上げて売っている光景も見かけました。そして、夕方も7時過ぎになると、中国北方の冬の風物詩である焼き芋屋の中には、投売りを始める人がいます。寒い風の中で1個1元の熱い焼き芋を食べながら、積んである白菜の脇を歩いていると、北京に冬の訪れが近いことを感じます。
3 中国のテレビ番組
例によってテレビ番組中の日中戦争番組の数をチェックしてみました。場所は北京、太原、河南省の安陽で、時間帯は夜8時から10時。この時間帯の戦争番組はそれぞれ、2~4番組、総受信可能番組は50~60だったので、割合(4~7%)としてはいつもの半分程度。内容的に見ると純抗日戦争ものは1本~2本と、6月と同様ここ数年で最少レベルでした。
出張中、テレビニュースで多く報道されていたのは、中国要人の海外視察、外国要人の中国訪問で、欧州の金融危機も報道されていましたが、日本に比べて取扱いは控えめでした。
中国でもコメディ番組や中身のないドラマが多くなってきて、日本と同様、全体的に面白い番組が減ってきたなという感じが、今回特にしました。
(了)