幻想郷夢紀行は、上海アリス幻樂団様の「東方シリーズ」を元にした、
二次創作パーティカードゲームです。



あなたがいつも通りに寝惚け眼を擦り、
いつも通りに郵便受けを開けると、
ひとつ気になるチラシが入っていた。

「幻想郷片道ツアー」

見る限り、旅行ツアーのチラシなのだろうが、
奇妙なことに会社名も、住所も書いていない。
よく読んでみると、申込先は書いてあった。

「必要事項を記入の上、適当な烏まで」

おそらくただの悪戯だろうが、何がしたいのだろうか?
適当な烏に渡させたところで、特に面白みもないだろうに。
妙に気になったあなたは、
用紙に必要事項(といっても名前しかなかったが)を書き込み、
それを電信柱の烏へと放り投げた。

烏が、カァと鳴いた気がした。
あなたは、足元の感覚を失った気がした。

「幻想郷片道ツアーに、一名様ご案内〜」



あなたは、幻想郷に迷い込んだ「外の人間」です。
ただ、何故か早急に戻りたいといった感情はありません。
外の人間でありながら、幻想郷でも通用する心のゆとりを持っています。


次に目が覚めたら、そこは何処とも知れない場所であった。
不思議な草原か、霧がかった湖か、はたまた奇妙な神社か。
どうやら旅行ツアーは本物だったようだ。
少々出発を急ぎすぎる気はあるようだが。

「幻想郷片道ツアーへようこそ」

声のしたほうを見ると、そこには女性の上半身だけが浮いていた。
いや、なにやら隙間のようなものが見えるので、
そこから上半身だけを出しているのだろうが。なんにしても奇妙だ。

「ツアーっていってもね。予定とかそういうのはないのよ。
どこに行くかとかは、好きにやって頂戴。
ああ、でもね。それだけじゃ少しつまらないから、
ちょっとした余興を入れてみたわ」

女性は、楽しそうにクスクスと笑う。
確かに急展開で呆然としてるが、そんなに可笑しいのだろうか。

「あなた以外にも、このツアーの参加者がいるのよ。
だからひとつ、競争みたいなゲームを入れることにしたわ。
ルールは簡単、この旅で、最初に思い出を10作った人が勝ち。
勝者が決まったら、そこで知らせるからのんびりやればいいわよ」

まだいまひとつ落ち着かないが、
まあ、なんとなくどういう状況なのかは見えてきた。
ここが何処かなどはそのうちに分かるだろう。
なんにせよ、面白そうな旅行になりそうじゃないか。



あなたの目的は、他の参加者より先に、
10の思い出を創ることです。
旅は何よりも愉しむことが大事。
のんびりとプランでも立てながら、ゆっくりといきましょう。


「はぁ〜い、霊夢」

「一体何のまねよ紫。
外の世界から人間をこんなに呼んだりして」

「ただのちょっとした暇潰しよ。
面白そうなゲームでしょ?」

「ハァ…。まったく、迷惑な思い付きね。
そもそもこんなツアー企画して大丈夫なの?」

「だから片道ツアーなのよ。こんな神隠しもオツなものじゃない?
それよりも、ちゃんと皆集まってる?」

「ええ、集めといたわ。それで今度は何の話なの?」

「そのゲームでね。参加者たちも大変だろうと思うから、
気が向いたら助けてあげてほしいのよ。
そんな感じのお知らせを、と思ってね」

「珍しいわね。そうね、気が向いたら協力してあげようかしら」

「そ、気が向いたら」



幻想郷には数多の人妖が住んでいます。
彼女たちの助けを借りて、旅を愉しく、かつ円滑に進めましょう。
ですが彼女たちも、ただでは仲間になってくれません。
旅が愉しそうならついてくるもの。
困っていたら助けてくれるもの。
個々の特性を掴み、上手く仲間に引き入れるのが勝利への近道です。