

次に目が覚めたら、そこは何処とも知れない場所であった。
不思議な草原か、霧がかった湖か、はたまた奇妙な神社か。
どうやら旅行ツアーは本物だったようだ。
少々出発を急ぎすぎる気はあるようだが。
「幻想郷片道ツアーへようこそ」
声のしたほうを見ると、そこには女性の上半身だけが浮いていた。
いや、なにやら隙間のようなものが見えるので、
そこから上半身だけを出しているのだろうが。なんにしても奇妙だ。
「ツアーっていってもね。予定とかそういうのはないのよ。
どこに行くかとかは、好きにやって頂戴。
ああ、でもね。それだけじゃ少しつまらないから、
ちょっとした余興を入れてみたわ」
女性は、楽しそうにクスクスと笑う。
確かに急展開で呆然としてるが、そんなに可笑しいのだろうか。
「あなた以外にも、このツアーの参加者がいるのよ。
だからひとつ、競争みたいなゲームを入れることにしたわ。
ルールは簡単、この旅で、最初に思い出を10作った人が勝ち。
勝者が決まったら、そこで知らせるからのんびりやればいいわよ」
まだいまひとつ落ち着かないが、
まあ、なんとなくどういう状況なのかは見えてきた。
ここが何処かなどはそのうちに分かるだろう。
なんにせよ、面白そうな旅行になりそうじゃないか。
あなたの目的は、他の参加者より先に、
10の思い出を創ることです。
旅は何よりも愉しむことが大事。
のんびりとプランでも立てながら、ゆっくりといきましょう。
