| 相続税法の概要 |
相続税は個人の死亡を起因として、その財産を引き継いだ場合にその財産に課す税です。
当たり前ですが、相続税が課せらるのは「個人」です。
法人が財産をもらう場合には法人税が課税されることになります。
相続税はその形態により、死亡した者と財産を引き継ぐ者を区分しています。
死亡した者が財産を誰に譲るかを決めていない
死亡した者の妻なり、子なり一定の関係のある人が財産を引き継ぎます。
これを相続といいます。
相続では、亡くなった者を“被相続人”、引き継いだ者を“相続人”と呼びます。
相続人は財産だけでなく、被相続人に負債があった場合、これも引き継ぎます。
亡くなった者が遺言書により財産を誰に譲るかを決めていた
この場合、遺言書に基づいて財産を分けてゆきます。
亡くなった者を“遺贈者”、引き継いだ者を“受贈者”と呼びます。
相続と異なり、亡くなった者と一定の関係がある必要はありません。
亡くなった者が契約により財産を誰に譲るかを決めていた
この場合、生前に財産を引き継ぐ者と財産の承継について契約により決められる訳ですから、
その者が引き継ぐことになります。これを“死因贈与”と呼びます。
先ほどの遺贈との違いは、お互いが事前に確認している点です。
遺贈は、受贈者に知らせる必要は無いからです。
| 贈与税との関係 |
死亡した場合、相続税が発生するなら生前にあげてしまえ!と誰もが考えつくはずです。
そこで贈与税が存在するのです。
贈与税は単体で、その法律があるわけではなく、あくまで相続税法の一部なのです。
ですから、「贈与税は相続税の補完税」なんて言い方がされています。
贈与税の非課税枠は110万円ですが、平成15年度の税制改正により一定の要件を満たす生前贈与については受贈者あたり2500万円まで贈与税が課税されず、相続発生時に改めて清算する制度(相続時清算制度)が導入されました。
| 相続税の基礎控除 |
必ず覚えて欲しい計算式があります。
5000万円+1000万円×法定相続人の数
この相続財産がこの金額以下なら相続税はかかりません。
割愛しますがこの際、法定相続人の数については注意が必要です。
| 相続税の非課税財産 |
お墓や仏具、香典、神だな等は相続税の非課税財産です。
ただし、骨董品として所有していたものは除きます。
| 相続財産からマイナスできるもの |
債務控除
被相続人が残した借入金も相続人が引き継ぐことになります。
これは相続人の相続財産からマイナスしてゆきます。
債務控除としてマイナスできる債務は、被相続人の債務で、死亡当時に存在していて、
支払が確実であるものです。
ですから、不動産の未払い金や電気代の生活費・医療費の未払い金、事業主であれば
買掛金などです。
葬式費用
本葬式、仮葬式、火葬費用、死体や遺骨の運搬費用、通常要する費用などです。
お寺へのお布施、戒名料は領収書がなくてもマイナスできます。
しかし、墓地や墓石の購入費用、香典費用、法事、死体解剖費用は認められません。
| 被相続人の税を引き継ぐ場合があります |
所得税を納めなければならない者がその納付までに死亡した場合には、相続人
が確定申告をしなくてはなりません。
この確定申告を“準確定申告”といいます。
個人事業者の場合は消費税についても注意してください。
被相続人で消費税の納税義務者が消費税の申告書を提出せずに死亡した場合は、
相続人が申告義務を承継します。
| みなし相続財産に注意! |
通常、被相続人が死亡当時に持っていた財産について相続税が課税れることになるわけですが、死亡当時に持っていなかった財産についても課税されます。
それを“みなし相続財産”と呼びます。
代表的なものとして、生命保険金と死亡退職金があります。
生命保険金の場合を簡単に説明します。
例えば、夫が自分自身を被保険者として自己負担で、保険料支払っていたとします。
その受取人に妻とした場合にこれが該当します。
仮に妻が保険料を負担していた場合は、妻の一時所得として所得税課税がされます。
| 相続税の鍵は財産評価にあり |
参考書や専門書の中には、表形式で「あなたの相続税はいくら?」という様な本
もありますが、ほぼ当てにはならないと思ったほうがいいです。
その被相続人の親戚・縁者ごとに相続に絡む諸事情が異なるわけですし、これは法定相続人の数に影響します。
また現金預金だけの財産ならいいですが、土地、建物、有価証券、絵画などを相続した場合には財産を評価し、現金に換算しなければならないからです。
この財産評価こそ相続税のメインの項目なのです。
特に、その財産の中身によっては評価減の処置が認められるからです。
| 相続税は財産を一度まとめて計算します! |
時々勘違いされる方がいらっしゃいますが、相続人が複数いる場合それぞれの財産について「相続税はい
くらです」と算出するわけではないのです。
それは相続税が所得税と同じく超過累進税率をとっている事に関係します。
つまり財産の価格に応じて税率が増えてゆく構造ですから、分割されると税率が下がってしまうわけです。
故に、まず税額を確定させてゆきます。
相続税は一度財産を全てまとめて計算し、それに税率を課し、それを相続財産ごとに按分する計算構造で
あることを覚えておいてください。