<過疎バスよもやま話>

05/04/17更新

お題:

 1.路線バスの常識、過疎バスの非常識?

 2.過疎バス調査の苦労

 3.変り種過疎バス路線

 4.過疎バス乗車の心得

 5.過疎バスに乗って温泉に行こう! 
   → 自治体合併等で情報が現状と合わなくなってきたため、一旦削除


1.路線バスの常識、過疎バスの非常識?

  過疎バスにおいては、路線バスの常識が必ずしも通用しない。その1例として、路線バス
では当然の或る物が存在しない場合がある。
  何が無いかって、バス停が無い のである!
  即ち、バスが走っている沿線に、バス停を示す標識が全く見当たらないのである。
  それでは、沿線の人はバスに乗れないのではないか、と特に都会の人は思いがちだが、
その心配はない。少しでも田舎のバスを知っている人なら思い当たるだろうが、一般の路線
バス事業者でも山間部などで、「フリー乗降」といって、バス停以外の所でも運転手に申告す
れば乗り降り可能とする制度を採用している所が多数ある。
  ここで、もし全区間で「フリー乗降」を採用している路線の場合、果たしてバス停は必要か、
と考えてみると、何となく分かってこないだろうか・・・。
  また、過疎バスは利用客が地元の人ばかりなので、皆乗り場を分かっているので敢えて
費用をかけてポール等を設置するまでもない、という場合もあるだろう。
  因みに私がこれまでに乗車した過疎バスの中でバス停が無かったのは、北海道の西興
部村営バス、京都府の岡田上バス運行協議会、高知県の芸西村営バスなどである。特に
北海道と高知県※の過疎バスにはこれが目立つので、もし利用される際には注意が必要
である。
(※高知県の場合、バス停があってもその標識が、朽ちかけた木柱が一本立っているだけ
だったりして見つけるのが困難(電柱にくくりつけられてたりすると、もっとわかりにくい)な場
合も多い(例:北川村営バス)ので、もし利用機会があったら、ぜひバス停を探してみて下
さい(笑))

  ここまで極端な例は過疎バスの中でも少数派だが、バス停があってもそこに時刻表が
無い
という場合は結構ある。多くは、廃止前の事業者のバス停を流用したもの(たまに廃
止前の時刻表が貼ってあったりする(役に立たない!))だったり、以前貼ってあった時刻
表が剥がれてそのままになっているパターンだが。以前経験したひどい例では、岡山県の
久米町営バスで、明かに最近各バス停(の標識)が新調されているにもかかわらず、そこに
わざわざ(?)時刻表が貼られていない、というのもあった。
  で、何故まるで外来の利用者に意地悪をするかの如く、各バス停に時刻を掲示しないの
であろうか?
  恐らく、1個1個のバス停用に時刻表を用意して、貼って行くという作業がそれなりに手間
とコストがかかるため、自治体が厳しい財政事情の中で、赤字覚悟で運営又は補助してい
る過疎バスの場合、そのようなコストさえ惜しまざるを得ないのだろう。それに、事実上利用
客が地元住民に限られているので、あらかじめ各戸に時刻表を配布するか、自治体の広報
誌に掲載しておけば問題無い、と考えているとも思える。
  とはいえ、地元住民でも普段利用しない人で、いざ利用しようとしたときに家の時刻表が
見つからなかったり、沿線に実家を持つ人の帰省利用なども考えられるので、少なくとも駅
前や病院などの利用が多いバス停には時刻を掲示するのが、最小限のパブリシティである
と私は思うのだが・・・。


2.過疎バス調査の苦労

  私は現在、各地の過疎バスの調査及び乗車を趣味の1つにしているのだが、過疎バスの
場合、路線を見つけるだけでも思わぬ苦労を強いられることがある。
  最近はネット上から情報が収集できるので、新たに過疎バスが運行開始した場合、大抵
路線の起点ぐらいは事前に把握できるのだが、以前は「○○町で町営バス運行開始」とだけ
情報が入ることがよくあった。
 その場合、運行区間等を確認するにはどうしても現地調査から、ということになる訳なのだが、
これが結構苦労させられるのである。というのも、都市部の路線バスは通常鉄道駅をターミナ
ルとしてそこから路線を延ばしているが、過疎地の場合鉄道駅の地位が相対的に低いのか、
特に自治体運営の過疎バスでは駅を完全に無視している(その自治体の代表駅であっても)ケ
ースが多い。それにそもそも山間部などでは鉄道の無い所も多い。よって、鉄道などでその土
地に降り立った時点では、対象の過疎バスがどこを走っているのか皆目見当がつかないこと
になる。
 ではその場合どこへ行って情報を探せばよいのか、私の経験則では、役場,公民館(図書館),
中学校,病院を順に当たると、情報が得られる確率が高いと思われる。

 1)役場

 特に80条バス(俗に言う町村営バス)の場合、自治体直営ということで車庫は役場(内の敷地)に
あることも多く、その場合、役場中心のダイヤが組まれがちなので、役場前にバス停や時刻表の
存在が期待できる。
 ただ、地元住民にとっても役場への用事はさほど発生しないのか、意外とコミュニティバス的な
形態の路線でも役場を無視するような路線設定をしている事も多く、実感としては情報を得られる
確率は5分5分かも。
 あと、役場の建物の中に時刻表等が掲示されていないか調べたり(稀に掲示されていることがあ
る)、最終手段として直接職員の方にきく方法も考えられるが、如何せん社会人の身では、現地を
訪れるのは通常土日なので、役場自体が閉まっていることが多く、滅多に成功しない。

 2)中央公民館(コミュニティセンター)

 役場と違ってこちらは住民が直接利用する施設とあって、土日も開いている確率が高く、また住
民向けに広報の類がよく掲示されているので、その中に過疎バスの時刻表があることもある。現
に岡山県の久米町営バスで、各バス停に無かった時刻表の掲示を公民館内で見つけたり、静岡
県川根町では、町営バスと別個に運行されていたスクールバスの、一般乗車可能化の案内を偶
然見つけたりしている。
 また、最近多いコミュニティバス型の路線では、各路線のターミナルとして使われる場合も多く、
その場合事実上公民館がバスの待合室を兼ねている。そういったところでは、全線の時刻表や
路線図まで貼り出してあって、案内が行き届いている場合が多い。
 但し、過疎バスの運行地域が町外れの場合は、全く期待できないことが多い。

 2)-1.図書館で文献調査

 あと、大抵の公民館には図書館が併設されていることから、私がよく行った調査方法は、図書館
で郷土誌関係の本をあたることである。
 これも2種類あって、まず対象の過疎バスがかなり以前から運行されている場合、その自治体の
「○○町誌(史)」「○○村誌(史)」という書物がないか探す。そしてある場合は、その本の中の「交通」
に関する欄に「(路線)バス」という項目がないか目次で調べる。あれば後はその項目内に過疎バス
(の運行開始等)の記事がないかひたすら調べる。特に「町村営バス」の場合、かなりの高確率で記
事が見つかることが多く、相当助けられた。また、整備されている図書館ではその町以外の町村誌
も置いてあるので、他の町村についても調べることができて助かる。
 但し、この場合運行区間や便数は分かっても運行時刻までは分からないことが多く、たとえ時刻表
が載っていても記事そのものが古いので、信頼はあまりおけない。
 一方、運行開始が最近の場合、「○○町誌」では古過ぎて掲載は期待できない。その場合は毎月
自治体が発行している広報の過去分が綴じられたもの(又は縮刷版)がないか探すことになる。
 この場合、運行開始の時期などが事前に分かっていないと、膨大な過去の広報をひたすら見ていく
という時間のかかる作業になり、またそれでも記事が無い場合も多いのだが、見つかった場合詳細
な時刻表も載っていることがある(当然沿線住民への報知のために必要)ので、これも有力な情報源
になりうる。

 3)学校(特に中学校)

 特に山間部の自治体の場合、小学校は流石に(合併前の)旧村単位であっても、中学校は1校に集
約して、周辺地域からはスクールバスを運行する、という通学形態をとる所が多い。
 そういった地域で路線バスが廃止になると、スクールバス混乗というかたちで、廃止路線の一般客を
カバーする例も多くみられるが、この場合そのバス路線の始発は最寄の中学校になるのが普通である。
しかも一般輸送はあくまで「ついでに」なので、役場や病院といった一般住民が用務に訪れる所は経由
しないことが多い。
 こういったスクール混乗路線は、学校の都合によって運行時刻を変えたりする場合が多く、そのため
か各バス停に時刻表が無い場合が多くて、調査者泣かせなのだが、ターミナルになっている中学校前
(敷地内だったりすると厄介だが)にはバス停又は時刻表(というより運転手向けの運行表のようなもの
だったりすることがあるが)が存在することがあるので、その可能性に期待するしかない。
 尚、過疎化が進んだ地域では上記の通学形態を小学校で既に行っているところもあり、その場合は
小学校前がバスのターミナルになる。

 4)病院(又は福祉センター)

 多くの過疎地の路線バスにとって上得意の利用客は、特にお年寄りの通院客であることから、特に
過疎バスの場合その点に配慮して町内の病院を必ず経由させるようにしている所が多い。特にコミュ
ニティバス的な運行形態の路線の場合、そのターミナルになっていることが最も多いように思われる。
その場合はバス停(ポール)や時刻表の存在が期待できる。
 ただ、マイナーな過疎バス(路線数、本数とも少ない)や、福祉バス(無償)から移行してきた場合など
では、何故か病院前にバス停(ポール)や時刻表などの手掛かりが一切ないことがある。その場合病院
の中に(通院客向けに)時刻表が貼っているのでは、とも考えるのだが、よそ者でしかも健康な人間が
大した用でもないのに病院の中に入るのは、どうしてもためらわれる。

 実はこのほかに最終手段として、ある調査方法があるのだが、ここで書くのはためらわれる内容な
ので・・・。
 尚これだけの調査をしても全く手掛かりがない、意地悪な(?)過疎バスも稀に存在します。


3.変り種過疎バス路線

 1)事前に乗車券(?)の購入が必要な路線

  一般に路線バスでは、高速バスのような予約制の路線を除けば、事前に切符等を購入しなくても
 車内で運賃を支払うことで乗車できるのが常識である。
  しかし、富山県の朝日町公共バスでは、事前に「利用券」を購入しておかないと乗車できない方式
 をとっていた(1999/04現在)。その「利用券」だが、運賃が均一なので、「利用券」自体は特に乗車区
 間を定めない、任意の乗車1回に対して使用できるようになっている(だから切符とは違う)。発売して
 いる場所は役場のほか、ショッピングセンターや沿線の農協などで、まるでJRの簡易委託(駅前商店
 に切符発売を委託)のような形態である。
  恐らく、このような方式をとっているのは、乗車前に精算を済ましておくことで、バスの車内では現金
 扱いが不要になり、(運行経費増につながる)両替用の現金をたくさん用意する必要がなくなるからで
 はないか、と思われる。よって、利用客が固定される過疎バスとしてはそれなりに合理的なやり方とも
 いえるが、やはり近くに販売箇所を確保できないバス停近くからの利用の問題等で、普及しないのだ
 ろうか?
  因みに、この「利用券」方式は、以前は小矢部市営バスや上市町営バスなど他の富山県内の事業
 者でも採用されていたが、やはり煩雑なのか両者とも現在は通常の車内精算方式になっている。

 2)添乗員が乗車している路線

  かつてバスが地方公共交通機関の主役だった時代は、一般の路線バスにも車掌が乗務して切符
 を切っていたのだが、今ではそんな光景もほぼ姿を消してしまった。
  まして、当初から赤字覚悟で運行している過疎バスの場合、そんなことは望むべくも無い、と言いた
 いところだが、青森県の蓬田村コミュニティバスや、岩手県の住民バスではいずれも運転手のほか
 に女性の添乗員が乗車していた。しかも前沢町の場合車内で運賃授受と乗車券(?)の発券も行って
 いた(私の手に渡るまでもなく回収されたので実物は目にしていない。恐らく診療所で別路線に乗換え
 るケースがあるため、乗継ぎ先のバスで支払うときに使用するものと思われる)。
  運行コストがシビアな過疎バスで何故余分な人件費をかけるのか、とも思えるが、恐らくこれらの路
 線は運行している側からは福祉バスの一種とみなされていて、身体の不自由な通院客が多く乗車す
 るため、その方々の利用時に介護要員がどうしても必要だと考えているからと思われる。いわばバス
 自体が行政による福祉サービスの一種なのであろう。 


4.過疎バス乗車の心得

 過疎バスには、一般の路線バスにはない特殊事情を抱えているが、そのためもし過疎バス(といえる
路線)に乗車する場合、私の経験則から、以下のことを心得ておく方がよいと思われる。

 1)小銭は必ず乗車前に用意する

 一般の路線バスでは、今や千円札の自動両替機能のついた運賃箱が設置されているの常識だが、
過疎バスの場合、両替機が無いか、あっても百円→十円の両替のみという場合も多い。これは恐らく
千円対応にすると小銭、つまり現金をより多めに用意する必要があるため、それが運行経費にはね
かえるからであると思われる。
 その場合でも、千円札の両替が全くできない訳ではないが、両替可能かどうかは運転手が持参して
いる小銭の量に依存するため、場合によっては全く両替不可能になるし、そうでなくても運転手に嫌な
顔をされる可能性が高い。
 最近は田舎でも千円対応の清涼飲料水の自販機が当たり前にあるので、そこで缶コーヒーでも買え
ば小銭は確実につくれる(\890以上には対応できないが、そんな高運賃は稀)訳だから、是非とも小銭
を用意してから乗車した方が迷惑がかからないだろう。

 2)一番前の席はなるべく避ける

 路線バス乗車を趣味とされている方にとって、バスの左側一番前の席は乗車時に真っ先に狙いにい
く所だと思うが、こと過疎バスの場合そこに座るのは避けた方がよいだろう。なぜなら過疎バスの場合
普段利用する乗客はだいたい決まっていて、その常連客が(運転席に近い)一番前の席に座って運転
手と会話するのが日常の姿になっていることが多いからである。こうした地域のちょっとしたコミュニケ
ーションの場を本来の客ではない人間が邪魔するような格好になるのは、好ましくないと思うが。
 また、常連客の利用も無い回送同然の便だったとしても、珍しい客ということで運転手の方からいろ
いろ尋ねるように話しかけてこられて、うっとうしい思いをする場合もあるので、やめておいた方がよい
かも。

 3)事前に降りる場所を決めておく

 過疎バスに乗車した際、運転手によく「どこまで行きますか」ときかれることがある。これは珍しい客
ということで興味本位の場合もあるが、運行コスト削減のため降りる客のいないバス停を経由しない
ようにしている場合もあるからである。
 この質問を投げかけられる可能性は高いので、バス停名が分からない場合でも降りる予定の土地
の地名か施設名くらいは事前に記憶しておいた方がよいだろう。

 

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