キレット逆行隊北上!不触の鎖不帰の嶮(V8.不帰キレット)

7/20:はっぽう=ゴンドラ=うさぎだいら=リフト:リフト=第1ケルン(8:10)〜丸山ケルン(11:10)〜唐松岳頂上山荘(12:20)
7/21:唐松岳頂上山荘(4:40)〜唐松岳(5:00)〜不帰嶮ニ峰(5:40)〜不帰キレット(6:40)〜天狗の大下り(大登り)〜天狗の頭(8:20)〜天狗山荘(8:50)〜大出原分岐(9:50)〜白馬鑓温泉(11:40)
7/22:白馬鑓温泉(6:30)〜小日向ノコル(8:00)〜猿倉(9:20)=タクシー=はっぽう

  冬の伊豆ヶ岳の男坂で、凍り付いた岩に手をかけながら、「俺は、不帰キレットは通ったんだけどなあ」と言いつつ敗退していったおじさんがいて、不帰はどんなもんなんだろと、話し合っていたにょんまい。これまで、大キレット(穂高から槍へ北上2回)、八峰キレット(鹿島槍から五竜へ北上)は踏破したが、これに並ぶ日本三大キレットの一つ、不帰キレットだけは、通過した事が無かった。そこで、「日本三〜」と言われるものは、揃えておかねばなんねえべと言う事で、またまた、唐松から白馬鑓方面へ北上する計画で出発した(・・三大キレットは全て南下が一般的です。つまりにょんまいは、全て逆行するわけですが、今回は、単に、帰りに鑓温泉に入りたかっただけです。ハイ・・/にょん談)。

2000年7月20日ニッコウキスゲ
  朝、キャビン乗り場は、すでに長い列が出来ていた。まいまいの後ろに並んだ単独のおじさんの荷物を見てあげたおかげで、このおじさんと、キャビンとリフトを一緒に使う事になった。おじさんは、バスツアーの夜行日帰り組で、高度が上がるにつれ深くなるガスに、嘆いたり、幻想的だと言って感動したり、忙しい感想を述べまくっていた。
  リフトを降り、おじさんと別れて、物凄くのんびり歩くにょんまい。どうせ今日は唐松岳頂上山荘泊りなので、急ぐ事はない(・・実は、最近、運動不足かつ体重増加で急げなかった・・/にょん談)。
  八方池を過ぎた辺りで、リフトのおじさんと行き会った。もう下ってしまうらしい。挨拶をして、先に進む。樹林帯を抜けると、足元に雪渓の残る谷を見ながら、涼しい登りとなる。うねうねとカーブしながら、徐々に高度を稼ぎ、視界が開けてふと見上げると、雪渓を登るルートを確認する。中学生らしい一団が、キャーキャー言いながら下ってくる。雪道の下りに慣れていないらしく、何人かが尻餅をついていた。
 翌月、踏破しました 雪渓を登り切ると、時折ガスが切れ、不帰キレットの峰がギザギザと見える。やや険しさを増した登山道を、ゆっくり登っていくと、本日の宿、唐松岳頂上山荘の屋根の見える尾根に出た。
  小屋に着いた後、喫茶店に陣取る。外では、大きなパーティーが宴会を始めていて、ちょっと気が引けたので、おとなしくここで生ビールを飲む。明日、不帰の方に行く人は、そんなにいないようだ。五竜の方に向かうらしい。夕食を済ませて、早めに就寝した。鎖の手摺あります
7月21日
  今日は、昨日に比べて、天気も上々。暗いうちに起きだし、出発した。
唐松岳の登りの途中で、御来光を見て、山頂標で写真を撮ったら、いよいよ不帰キレットへの下りだ。ジグザグの急降下。ザレで、たまに滑る、ありがちな岩陵帯だ。下りきったところで、先行していた中年のカップルを抜かした。これで多分、本日の先陣を切る事になったにょんまいであった。
  全く物足りない一般道然とした登山道が続く。しかし、いくつかの鎖場を下り(鎖を使うほどの場所じゃないけど)、ぐるりと回り込むと、アングルの橋と呼ばれる横がけのはしごがあり、ここは結構、高度感があった。しかし脇に鎖の手すりがついているし(・・使わんけど・・/にょん談)、不安を感じるような場所ではない槍に行けりゃぁ、不帰は簡単。すぐに不帰の嶮の道標があり、それを過ぎると、20メートルぐらいの鎖が現れる。しかし、ホールドもスタンスも豊富。鎖は必要ないぐらいだ(・・暴風雨の時は、あるといいね・・/にょん談)。ここを下りきると、危険地帯は終了。下で待っていた、本日最初の対向者の2人組みパーティーに挨拶して、後は、のほほんと進む。
  この後、地名では大下り、こっちから行くと大登りがあるが、これが結構きつかった。斜度といい、道の感じといい、荒川小屋からの赤石岳の登りのよう。しかし、これを登り切ると、あとはのんびりとした尾根歩きだ。縦走の楽しさを満喫できる。
  天狗山荘で休憩して、再び歩きはじめる。今日の宿泊は、鑓温泉。3年前の6月に白馬三山を縦走した時に、白馬山荘で「危険だから」と言われて断念した大出原を下る。夏山の女王、白馬の名に恥じない、素晴らしいお花畑が広がる。キンポウゲの下は、チングルマの群生と言う風に、黄色や白の絨毯が一面である。時折現れる雪渓を、楽しく横切りながら、どんどん高度を下げる。きれいだね
  途中、雪渓の雪解け水を集めた小川を過ぎると、岩がちな道となったが、靴の裏が濡れているせいか、スリップしやすく、不帰キレットよりも注意した。
  大きな雪渓を下ると、途中から、夏季のみ建てられる鑓温泉小屋へのトラバースルートに導かれ、無事、辿り着いた。
  受付を済ませ、一風呂浴びると、至福の時。風呂上がりのビールも格別だ。同室の人たちは、花好きばかりで、ここに来るまでの道中の花談義で盛り上がった。にょんまいは、花に詳しい方ではないので、ふんふんと聞く側に回った。
  宿には、大坂の山岳会(100名!もの団体)が入っていたので、かなり詰め込まれたが、明日は下るだけなので、たいして気にならなかった。
7月22日
  ご来光を見ながらの一風呂は、かなり混んでいたのであきらめて、宿の朝食をとり、ゆっくり下山した。
混んでます  いくつかの雪渓を下り、例の大坂の山岳会を少しずつ抜かして行くと、雪が溶けたばかりらしい、ゆるいザレのトラバースがあった。山岳会員のおばちゃんは、腰が引けて通過に時間がかかっていた。と、2人組みの一人が滑ってしまい、もう一人も足場の上で身動きが出来ない。先に行った山岳会の他の人たちは知らんぷりなので、背後にいたにょんにょんが仕方なく助けに下るも、ザレがゆるくて足場が出来ず、笑いながら滑り落ちていく。背後で、ほぼ悲鳴のような声で「あ、あの人も落ちていってしまう!」と叫ぶおばちゃんもいた。まいまいが近寄って、身動きできないおばちゃんに進むよう指示すると、さすがに女性が救助に加わって、知らん顔も出来なくなったのか、やっとおやじがやってきて、足場の上から滑った女性の手を引っ張り上げた。にょんにょんは、助かったんならいいやと、ザレ場を避けてさっさと上がって通過した。はっきり言って、全然危険な感じのしない所だったので、まいまいも笑いながらにょんにょんが上がってくるのを見ていた。中には、ザレのトラバースのコツを聞いて来るおばちゃんもいて、そんなの会の人に聞けよとも思ったが、適当に答えて納得させた。まあ、おもしろかったからいいけど。
  その後、若干荒れ気味の場所もあったが、たいした問題も無く、平ヶ岳の登山道によく似た小日向ノコル付近の登山道を通り、水芭蕉を満喫して、猿倉の駐車場に戻った。