海外旅行その2-1

スペイン・ポルトガル・ロシア<カスティーリア-バルセロナ編>

  スペイン・・この国に行こう!・・と、最初に話題に上ったのは、かれこれ10年近く前の事だ。プランニングされる事3回。何らかの理由でことごとく断念したのであったが、今回は万難を排しての決行。通算16日間の長期休暇を獲得し、いざ日本脱出である。
  にょんにょん憧れのアンダルシアの雲一つ無い青い空と眩しい太陽を反射する白い壁の村。前回はまいまいのトラウマ旅行だったので、今回はにょんにょんのトラウマ旅行出発と相成った(うーん、第一のトラウマは「失われた大地から霧となって降り注ぐエンジェルフォール」なんだけどな、ベネズエラ・・っていうか、どうしてにょんが行きたいスペイン語圏てこうも治安悪いの???・・/にょん談)。

2003年9月13日

  会社に出かけるよりも早く我が家を出発し、成田に到着は9:30頃。既にチェックイン用の行列が出来ている。にょんまいも早速並ぶ。今回はアエロフロートを使用。元悪名高きロシアの航空会社だ。これには訳があって、転んでもタダでは起きたくないまいまい。帰路モスクワで12時間も待たされるというフライトスケジュールを利用して、「トランジットビザで、赤の広場を見るんだぁ!ロシアの鳩に餌をあげるんだぁ!」とにょんを説得し、この航空会社を選んだ。出発前に、にょんは同航空会社の時間に対するいい加減さを、友人から延々聞かされたようで、非常に心配顔。更にビザを取るためロシア大使館に何度か足を運んだにょんは、ロシア人の対応の悪さに更に不安を募らせていた(・・預けたバウチャー返せと文句を言っていた人がつまみ出されたりとか、2時間近く待たないと質問は受け付けてくんないとか・・/にょん談)。でもまあ、なんとかなるっしょ。チェックイン後、ネギトロ丼を頬張りながらビールで乾杯しつつ、搭乗を待った。
  若干遅れたものの、ほぼ定刻通り成田を飛び立ち、一路バルセロナへ。途中、モスクワで一端飛行機の外に出されたが、空港内をほっつき歩いていたら時間がつぶせる程度のトランジット。機内で何缶ものタダビールをあおっていると、窓の下にオレンジの光が連なる海岸の夜景が迫ってきて、深夜のバルセロナに到着した。ヨーロッパ第2の犯罪都市という噂だ。気を引き締めて、タクシー乗り場へ。にょんまいとも結構警戒していたが、並んでいるおじいちゃん運ちゃんのタクシーに乗り込み、予約していたホテルにすんなり着いてしまった。運ちゃんもいい人だったようで、正規の夜間料金20ユーロ。日本で送迎予約すると60〜100ユーロもかかるのだ。何これ、全然へーきじゃん。ホテルはなかなか素敵なビジネスホテルって感じで、シャワーの温度も水量もばっちり。とりあえず、ホテルの冷蔵庫から冷え冷えのハイネケン2本を取り出し、無事到着を祝すにょんまいであった。

9月14日
  本日はレンタカーで、今回の旅のメインターゲットその1であるダリ博物館とダリ美術館巡り。ダリ三昧の一日である。にょんまいともシュールレアリスティックな絵画やオブジェは大好きで、特ににょんにょんは超自然的な光と影のコントラストが、大気の薄い別世界を想起させるので大好物。まいまいも寺山修二氏の劇団「天井桟敷」の俳優であるサルバトール・タリ氏(笑)から連想される(ってか逆だけど)この作家に関しては、大変興味深い。バルセロナからダリ博物館へはアクセスが不便なため、レンタカーを利用する事にしたのだった。
  朝、ホテルから徒歩でサンツ駅まで。こちらはサマータイムなので、7:00でもまだ薄暗い。明るくなってきた8:00ごろ出発し、散歩中の犬と戯れながらエイビスのカウンターに到着したが、まだ開いていない様子。仕方が無いので駅構内で朝食を摂ろうという事になったが、にょんがいきなりのカフェテリアには怖気づいて(笑)、万国ほぼ共通メニューのマクドナルドでフィレオフィッシュをオーダー(・・やっぱ、これだね!・・/にょん談)。まいまいはソーセージエッグマックマフィンの朝マックメニュー。こちらのコーヒーはエスプレッソが普通で、よく飲まれるのはカフェコンレチェ(カフェオレね、要は)。にょんまいのオーダーしたアイスコーヒーは、氷の入ったカップとコーヒーの入ったカップの二つを渡される。そんな事、まだ知らないもん。まず〜とか言いながらコーヒーをすする。
  そのうちエイビスが開いたので、早速乗り込んで出発!最初はまいまいの運転。街中のナビゲーションは一通も多く極めて複雑なので、にょんの方が良さそうだから。右ハンドルの運転には慣れが必要だが、何度かウィンカーの変わりにワイパーを動かしつつ、無事高速道路へ合流した。ここからは快適なドライブ。制限速度120キロなので、みんな飛ばすけど、にょんまいも大抵中央高速でこの程度のスピードで走っているのでそんなに怖くない。途中のガソリンスタンド(と言うか、日本で言う所のサービスエリア?)でジュースとかお菓子とかおつまみ用のムール貝のオイル漬け缶詰(♪)などを買い込み、更に走る。昼前に高速道路を降りて、あとは延々田舎道のドライブだ。といっても、一般国道の制限速度も100キロと快適。この国の道路は、基本的に交差点に信号は存在せず、ロータリーになっていて、車がぐるぐる回っているところに「それっ」とばかりに加わり、目的地方面の道へ「えや!」っと抜けて進む。直進するはずの交差点でもロータリーの車ぐるぐるに混ざらなければならない。そして基本的には、先にロータリーに入っている方が優先。後から入る人は「ごめんなさいよ」って感じで小さくなって入らなければならない。でもまあ、田舎道だからそんなに凄い交通量でもない。いい気分で運転できる。だんだん道が険しくなって、海岸線を登ったり下りたりを繰り返し、細い坂道に路駐の嵐状態の村々を潜り抜け、ついに博物館のあるポールリガに辿り着いた。あ〜、長かった! 
  ここはダリが過ごしたアトリエ。そのまま博物館になっている。早速チケットを買いに行ったら「あんたたち、予約してる?」と売り子のお兄ちゃん。「ううん。してないよ」「あらま。じゃ、3分ぐらい待ってて。予約してる2人組が居るんだけど、そいつらが来なかったら、その分のチケット売ってやるから」「わーい」なんて会話を超ブロークンな英語で交わして、待つこと3分。「ほれ。銭出しな」って事で、無事、予約なしで入場できた。中に入ると、スペイン語と英語とフランス語を操る女性が全部で4人ほど要所要所で待っていてくれ、観光客を監視しつつ案内してくれる。1グループ約10人で、館内を歩き回る。ご案内のおばちゃんやおねぇちゃんは、さすがに街中の売り子よりも聞き取りやすい英語なので、8割がた何言ってるかわかる(・・俺は5割だな・・/にょん談)。ふむふむと写真を撮りつつ見て回って、大満足のにょんまい。特ににょんちゃんは「この辺りの海岸の景色、ダリのモチーフそっくりだよ。来て良かったぁ!」と大満足。良かったね。まいまいも、貞操帯を付けた首なしマネキンとか、怪しいオブジェだらけの世界を堪能(・・相変わらず変なものが好きだね・・/にょん談)。すっかり頭がシュールになった所で、お次は美術館のあるフィゲラスへ。スペインの高速道路はほとんど無料なので遠慮なく利用する。移動距離は遠くても結構早い。15:00頃迷いながらも駐車場へ車を入れることが出来た。
  「腹減ったねぇ」「だねぇ」と言う訳で、美術館前のオープンエアシートのBAR(バル)で早速軽食。オレンジ搾り機で搾った100%オレンジジュースと、にょんはカルボナーラ、まいはチーズと豚肉のサンドイッチをオーダー。ぺろりと平らげ、美術館へ。こちらは結構有名なリンカーンのだまし絵とか、魚眼レンズで見ると部屋が顔になっていると言う巨大オブジェとかがある。もう結構、見るのもお腹いっぱい状態。車に戻った時には疲れ切っていた。
  「ねぇねぇ、プボールにもう1軒あるけどどうする?」「そこは、所詮ダリ夫人の生家ってだけでしょ?」って事で、これで満足した事にして、明日地下鉄で回るバルセロナ観光スポット群から一個だけ離れているグエル別邸に行ってしまう事にする。一通なんかでかなり苦労して辿り着いたそこは、「はい」って感じの門。改めて、マスコミ関係者の写真やビデオカメラのフレーミング技術に感心してしまった。ホテルに帰って、今度は夜の街へ繰り出す(笑)。地下鉄でカタルーニャまで出て、ここからグラシア通り沿いにはガウディなどが造った変な形の建物が目白押し。しかも、ライトアップされているらしい。ほぼ空身でブラブラ歩く。凄い人手だ。お祭りみたい。途中でビールの誘惑に抗えず、夕飯とする。パエリアとハンバーグ。あんまり美味しくないぞ。でもビールは美味い〜♪ほろ酔いで更にそぞろ歩き。歩いている内、海に着いてしまった。あらま。逆だったのね。こっちは治安が悪いから、夜は来ちゃ駄目エリアだ。でもまあ、酔っ払いだからいっかぁ。ってな感じで、地下鉄で戻る。外に出て、お目当ての建物を見たら、とっととタクってホテルに帰った。

9月15日
  本日は、メトロで街を闊歩する。朝、ホテルをチェックアウト後エイビスに車を返したら、荷物をコインロッカーに預け、昨日怖気づいて入らなかったカフェテリアで朝ごはん。タパス(料理が並んでいて、お店の人に「これ!」と指差して小皿にとってもらう)になっていて、にょんはライスサラダをオーダー。まいまいは朝からピッツァ(・・もう、土俵にしか登れなくなるよ・・/にょん談)。ライスサラダは芯が残っていてしかもベチャベチャのインディカ米であった。まず〜〜!朝からげんなりなにょんであった。
  気を取り直してメトロへGO!たくさん乗るので1日フリーパスを購入。まずはメインターゲットその2、サグラダファミリアへ。地上に出た瞬間「おお〜〜!」って感じ。聳え立つ塔を仰ぎ見て、目の前の公園でちょっと離れた写真を撮ってみる。入んねぇよ。でかくて(・・ほんとにデカいね!・・/にょん談)。とりあえずあきらめて、中へ潜入。エレベータがあって、追加料金を払うと乗せてくれる。まさに工事現場のエレベータ。終点で降りて、後は足で登る。途中ルート開拓しながら(爆)、現在公開中部分の最上部へ登りつめる。対面にも塔が見える。町も眼下に一望。でかいねぇ〜。呆けた後、下りは最後まで足を使ってみる。中心に手摺りの無い螺旋階段を延々と下る。今現在も建設中なので、当然働くおじさん達が額に汗して右往左往している。や〜、観光客に始終見られながらの建設作業って、どんななんだろ。やりづれぇ〜って思ってたりしてねぇなんて思いながら地上に着いた。その後、対面に見えたガウディ時代の塔の方は足で登って、併設されているガウディ博物館にも潜入。ここでもガラスの向こうで働くおじさん達がにこやかにお仕事中。まいまいならやだなぁなんて思いながら、建物を出た。先程と反対側にある公園に行って、こちらからも写真を撮ったりして、しばしぼぉっとする。喉が渇いたぁって事で、塔の上から目を付けていたBARへ向かい、早速「おっちゃぁん、ドス・セルベッサ(ビール2つねぃ)」とオーダー。ここのビールがめちゃウマだった!ぐびぐびやってからメトロへ乗り込む。
  お次はサン・パウ病院。ここは世界遺産なんだって。メトロの駅から坂を登って、古そうな建物に入り込む。なんだか、観光地化した病院で、こんなとこ入院しても落ちつかなそう。
  「この病院さ、にょんちゃんの大学の病院に雰囲気似てるね」「あ〜、あそこも古いからねぇ」「でもさ、あそこって入ったら、死なないと出られないって聞いたよ」「あんたの妹、通ってんじゃん!」などと呆けた会話を交わしつつ、ぐるりと歩く。出口からサグラダファミリアが遠望できる。なんかちょっと絵になった。
  またまたメトロに乗って、今度はグエル公園だ。駅からちょっと歩く。公園は高台にあるため、途中、すんげぇ長いエスカレーターがかかった道を使う。坂の両サイドにはお土産屋さんなんかが並んでいて、階段も勿論付いている。でも、今回は軟弱観光客のにょんまいは、最初っから最後までエスカレーター使用。途中でにょんがどうしてもうちの猫が心配になったので、ペットシッターさんへ国際電話。こっちが昼だから、日本は宵だ。でも拒否られた。フリーダイアル用の電話番号みたいで、国際電話は受けてくれないみたい。仕方が無いのでまいまいかぁちゃんへ電話して、様子を聞いてもらう。にな(うちの娘ね)は無事に出産した様子。やれやれ。安心して公園へ。まずは一番高そうな所から町を見下ろし、有名なタイル貼り付けまくりベンチの所へ。近くで見ると、ふーんて感じ。所々崩れてて、あんまりきれいじゃなかったりする。お約束のトカゲがげーげーしてる前で写真を撮り、ふらふらと街へ戻る。坂道の途中に、美味しそうなパエリアの看板がちらほら。小腹が空いたにょんにょんが寄りたそうにしているので「ご飯食べる?」と聞いたが、あんまり気乗りしない様子。そのまま延々メトロの駅まで歩く。近いかなぁと思っていたのに、意外と遠い。「バスに乗りゃ良かったね」などと言い合いながら、駅に着く。
  そんじゃま、次はグエル邸。昨夜歩いた所なので、親しみが沸くぞ。プラプラ歩いていたが、またしてもセルベッサの魔力に負け、昨日つかまった店のちょっと先にあるブラジルって店のオープンエアシートに陣取る。こっちのパエリアの方が、昨日の店よりんまい!昼真っからほろ酔い加減でグエル邸へ。結構混んでる。なんか萎えた(・・バルセロナはサグラダファミリアだけで充分じゃあ・・/にょん談)。出入り口の斜め前にある、人相悪いおっちゃんがレジを打つスーパーで水を買い、直ぐにメトロへ。なんでも、ここら辺は物騒なんだと。気をつけなくちゃねぇ。
  本日最後の目的地カタルーニャ音楽堂へ到着。ここも世界遺産だって。でも、修復工事中であんまり美しくない。ぐるりと一周して「どうしよっか?」「サグラダファミリア、最後に見納めない?」「じゃあ、さっきのビール激ウマの店で夕飯だ!」って事で、またしてもサグラダファミリアへ。相変わらず無愛想なおっさんがサービスする。実はバビロニアっていうイタリア料理店だったようだ。まいまいはラザニア。にょんはよくわからんスパゲッティをオーダー。この店は、サービスはいまいちだけど、味は良かったぞ。公園で暮れなずむサグラダファミリアをぼんやり眺めながら、背後でゲートボールみたいなゲームに興じるじーちゃん達の歓声を聞く。あぁ。のほほん。
  寒くなってきたので荷物の待つサンツ駅へ戻った。
  これからトレンホテル(寝台車)で一路グラナダへ。いよいよアンダルシアに向かう。車掌さんがなかなか寝台セットをしてくれないので、眠くて死にそうになりながら、個室でぐったりするにょんまい。
  暗闇の中、列車はアンダルシアへ向かいます(「世界の車窓から」風)。